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この小説について~誰でも「魔法」が可能な時代の女の子たちへ~


これからは変身や魔法が可能な時代。

今だって、100年くらいの昔にはとても考えられないくらい、美を手に入れるための技術も知識も豊富になったと思います。

これは美しさについての物語
ファンタジー小説の形をとっていますが、こうあってほしいという夢想ではなく
私が現実世界で見聞きしたこと、感じたこと、後輩の女の子たちに伝えたいことなどを、精一杯伝えようとした物語です。

女の子の文化として「愛され〇〇」とか「モテ〇〇」「小悪魔〇〇」などが流行っていた時代がありました(〇〇には、メイクや小物などのワードが入ります)

「めちゃモテ委員長」という女児向けアニメも存在し、私もこれがお気に入りでした。

メイクやファッションが大好きだったし、自分で服を作ったり、服飾系の専門学校にも進みました。

しかしそうであるなら、私が自分自身の体験として、
あるいは少なくともこの現実世界の出来事として、書くべきだったのでしょうか?

私が感銘を受けた小説の一つに、サリンジャーの「若者たち」という短編があります。
登場人物の一人ウィリアムのしょうもなさや、見向きもされない少女たちのやるせなさの描写が秀逸で、
読んでいて皮膚がチリチリしてくるほど臨場感にあふれた作品です。

あのように「現代の若者の風俗をとらえましたよ」という形にした方が
より多く読んでいただけるのだろう。

でも芥川龍之介みたいに、古典風に書く作家だっていたじゃない?

そんなことを自問しつつ、やっぱり、エッセイでも現代小説でもなく、この童話的な形でしか表現できなかった自分がいる。それが私自身の弱さや幼さ故だったとしても、その事実は変えられない。だから書き直すことなく、このまま発表しました。


誰かに届くことを祈って、ネットの片隅に置いておきます。




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表紙は、自分で描きました。



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