続・「日米同盟」は存在しない。

 「『日米同盟』は存在しない」という記事を書いた当時と同趣旨のものです。引用元は読売新聞の3月19日付の記事(https://www.yomiuri.co.jp/politics/20210319-OYT1T50237/?fbclid=IwAR1WG5OEKzSgkSKW7kEFR7XdsMBwfgHLNsI_Umy7ce2sdufchheKqOoj5BY)です。 

 「全く受け入れられない」と言ったところで「属国」は事実であり、この事実を受け入れない限り日本国は「自立できない半独立国」のままである。
 サンフランシスコ講和条約の調印により連合国の統治からは「独立」したものの、アメリカ合衆国との間に旧日米安保条約と日米行政協定(現・日米地位協定)を結んだことで、治外法権がまかり通る属国になった。日本国内のあらゆる土地に米軍基地を建設できるだけでなく、政府や軍の関係者が直接、米軍基地に乗り入れられる。つい最近も国務長官と国防長官が訪日の際に横田基地に乗り入れている。
 「日本は今こそ自立をするべき」と説く「保守を名乗る女史」は何から自立をすべきと考えているのか?まさか中国や韓国ではあるまいな?「冗談はよしこさん」だな。中国や韓国は(大使館を除けば)日本国内に治外法権などなく、日本国は両国から「自立」している。自立をするべき相手は「女史が媚を売って縋りつく」アメリカ合衆国である。
 「敗戦」を「終戦」、「属国」を「同盟」と言い換え、「半独立国」という欺瞞から目を背けたまま70年が経とうとしている。米ソの冷戦時代なら「背に腹は代えられない」と言い張ることもできたが、冷戦が終結して30年以上経つのに、改憲派も護憲派も思考が冷戦時代で止まっている。
 中国やロシアは強権型の独裁国家であり、近隣国に干渉や侵略をしたり、国民の人権を抑圧する「ならず者」である。国民の人権が保障され、議会制民主主義も一応は機能している日本とは根本的に異なる。そんな「ならず者」から日本国内の統治についてあれこれ言われる筋合いはない。
 しかし、相手が「ならず者」であっても、指摘されたことが事実なら受け入れなければならない。「属国」という事実から目を背ける限り、憲法を改正したところでアメリカ合衆国の下請けをさらに増やされるだけである。ただし、憲法を不磨の大典にしても大差はないが。
 このあたりの話は白井聡さんの著作「永続敗戦論」に詳しく書かれている。今は時間がないが、ぜひ読んでおきたい。中島岳志さんや適菜収さんも折に触れて指摘しているので、著作を読みたいと思う。

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