本寸法の不信任決議案

 簡潔にして要点を押さえている。本寸法の不信任決議案である。

 某幹事長が「解散するぞ、解散するぞ、解散するぞ(某真理教風)」とまじないを唱えていたけど、結局は否決して国会を閉じることにしたようだ。

 野党は憲法53条後段の規定に基づき、臨時会の開会を要求し続けると考えられる。平成29年(2017年)に臨時会の開会を要求した際、安倍政権(当時)は98日も放置した挙げ句、招集した当日に衆議院を解散するという暴挙に出た。憲法53条を事実上無視し、憲法7条の国事行為の規定(衆議院の解散)を濫用したのである。

 菅政権も似たようなことをやりそうだが、当時と決定的に違うのはコロナ禍の只中にあることだ。国会を閉じて野党の追及から逃れても、新型コロナウイルスからは逃れられない。オリンピックを強行開催すれば、各国から新型コロナウイルスが持ち込まれ、変異をして全世界に拡散する「東京コロリンピック」になるのは確実である。それ以前に、オリンピックが開かれる頃にはδ株(インド株)が全国に拡大し、感染拡大の第5波の只中にあると考えられる。どちらにせよコロナ禍は止まらない。

 菅内閣が勝手に「神風」扱いしているワクチンも、7月末までに高齢者の接種が完了する見込みはなく、さらには希望する人全ての接種が終わるのは冬場になりそうである。ワクチンより変異株の方が早く広がるので、第5波と第6波は避けようがない。衆議院議員総選挙が行われると思われる秋は第6波の只中になりそうである。「二匹目のドジョウ」はいないのに、未だに「オリンピック」と「ワクチン」という「神風」に縋り付く愚かさよ。困るのは、その愚かさのせいで国民が苦しむことである。

 「国難突破」と言いながら実は「ボク難突破」だった安倍内閣による解散総選挙と違い、今回は本当の「国難」である。日頃から「国の危機だ」「国難だ」と煽っていたら、本当に国が危機に陥ってしまった。煽っていた「オオカミオヤジ」はさっさと逃げてしまったが、後を継いだ「オオカミ番頭」は逃げられない。不信任決議案を否決したところで、オオカミ(国難たる新型コロナウイルス)はすぐに襲ってくる。

 野党の不信任決議案から逃げるような「オオカミ番頭」がオオカミと戦えるはずがない。さっさと辞めて、新型コロナウイルス対策に全力を上げて取り組む政党と政治家に政権を移譲すべきである。国民の命と暮らしを守ることが国を守ることだと理解できない人間は政治に携わってはいけない。


https://news.yahoo.co.jp/articles/037fec79fdd1e452ebee55ed2cb122b653d0e868?fbclid=IwAR3zRsjgxBWIRvhTQAk5323pMgH34nhy-ADHCGhgq-f7EbP3kwJxLSMmDsU

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