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製作ノート vol.7 「売るということ」

先日、ある方から自作品『がまんしすぎたナツ』を読んだという連絡をもらった。それだけでも嬉しいのに、その方は「とても良かった」という感想まで聞かせてくれたので私はもう感激しきり。

話を聞くと、その方のご家族が渋谷○○書店で購入してくださったとのこと。そういう形で作品が誰かのところに届けられることもあるのだな……。

自作品をシェア本棚で売り始めて半年。恥ずかしながら売ることの意味なんてあまり考えないまま、ただ「やってみよう」と売り始めたけれど。

冒頭の話のように誰かが作品を買って家(あるいは職場?)に持ち帰ると、周りの人の目に触れたり読んでもらったり可能性も広がる。ということに今更ながら気付く。

シェア本棚の棚に本を「閲覧用」として置いているだけでは、広がりは限定的だ。買って持ち帰ってもらい、どのような形で誰が読むか分からなくなる。そうして初めて売ることの意味が生まれるのだなぁ、と感じる。もちろん、だからこそ発表する側(売る側)の責任も生まれるのだけれど。

いやいや、「売ることの意味」の本質はもっと深いところにあるのかもしれない。私はその深みの淵にたどり着いただけなんだろう。
少しずつでいいので「作品を売ることの意味」が分かるようになりたい。

あと今回自分自身に誓ったこと。これから人の作品を読んだら(本人に伝えられる場合)ちゃんと感想を伝えよう。やっぱりすごく勇気づけられる。多分感想を言った人が思う以上に、作り手には励みになる。

『ちもとぺーい』布張り表紙版(左)と通常版(右)

なんて書いていたら、渋谷〇〇書店の棚主さんからこんなお知らせが届いた。
「この前、私がお店番していたとき(※)韓国の方が『ちもとぺーい』を買っていかれましたよ。絵がかわいいからって。」
うわあ、想像もしなかった展開。そしてそれを教えてくれる棚主さんもなんて優しいんだろう。こんなことがあるなんて二重に感激だ。

売ることにまつわるあれこれも含めて「売るということ」は楽しくて面白いのかもしれない。

※渋谷○○書店は棚主が交代で店番を担当するシステムになっている



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