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本日のエピソード - SF 8: Joan's Galaxy 에스에프에잇: 우주인 조안(2020)

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その理由は冒頭で詳しく説明されるとはいえ(この作品をこれから観る人のために、ここでは一切触れない)、主人公の大学生イオ(チェ・ソンウン)が最初のショットから、移動中の車内でいきなり宇宙服を着込んでいて、しばらくその格好のままでいるため、見た目の違和感がまず視聴者には記憶される。ただし、それからほどなくして、この作品がどうやら「余命もの」であるらしいと気づくころには、少しだけ彼女の宇宙服姿に慣れているかもしれない。

これは、今にいたるまでの自分の生き方に疑問を抱き、「もしも自分が~だったら」を知りたいイオが、自らの「出生時の秘密」 をつきとめるまでの物語だ。それにもかかわらず、こういった作品にありがちな空想シーンを必要とせず、回想シーンもおそらくひとつしかない。さらに、その秘密に関わる「意外な展開」については、大方の視聴者が早い段階で予想がつくような作りになっているため、そこから先は、やきもきしながら、イオの行動を見守ってゆくことになる。実際、彼女あるいはチェ・ソンウンに向けられるカメラの眼差しもまた愛に満ちている。さらに、彼女は、心強い相棒を得る。大学では同じ授業をとってはいても、学外で話をするまでは、全くつきあいのなかったジョアン(キム・ボラ)だ。二人のあいだには非常に重要な共通点があるだけでなく、希望する就職先が同じで、宇宙開発関連事業だったのだ。イオは彼女と同じ時を過ごすうちに、もしかしたら、彼女のような生き方こそ、本来自分が今までしてくるべきものだったのでは、との想いを強めてゆく。

そんな彼女の生き方に対するイオの憧憬が高まるにつれ、ガールズラヴの気配も感じられる。それは、授業の課題小説「センチメンタル・ジャーニー」(ローレンス・スターン著)の脈動を触感する場面や、激しい大気汚染による霧状の塵で夜空に星の見えなくなった、この作品の背景となる2046年のプラネタリウムや天体望遠境(遠くしか見えないが、遠くも見えない)という舞台や道具を通じて、その気配を注意深く扱おうとしているように見えなくもないからだ。

ところが、そんな二人の穏やかで生き生きとした交流は、余儀ない理由で絶たれてしまう。その数年後、イオは突然ジョアンの輝かしい現況を知ることになる。その瞬間、この物語の先には、全く同じものではないものの、イオが着ていた時には見た目も彼女自身にとっても明らかに違和感のあった宇宙服、それがジョアンにぴったりフィットする明るい未来の到来が予感される。では、一方のイオはどうだ。最後から二番目のショットは、なんともいたたまれない気持ちになるけれど、イオがしっかりと抱くことこそがふさわしいものを、ジョアンから渡されていたことに気づいているのだろうか……。

この「SF 8」シリーズ、1、2作目とも、とてもよくできているけれど、3作目となる本作が、ここまでではシリーズベスト。このエピソードの原題の直訳は「宇宙飛行士ジョアン」という。

監督: イ・ユンジョン


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