機動庶務單元(中)/ 機動行政単位(和)

機動行政単位(きどうぎょうせいたんい)とは、
 市政総庁のうちで、主要な末端単位である。
 すべての単位は、毎日市民と一緒に暮らして、市内を巡って、人々からの生の情報を集めて、あるいは市民の間に関する紛争を仲裁する。

 それらは、総庁に所属される最末端の単位だが、市民にとって、一番馴染むAIロボットだ。
 たとえ、こんな馴染んですれ違う相手に向き合う市民は、避けられないで、様々な主観の存意を持っ

もっとみる
この世界の中で、君は、どんなライフスタイルに憧れる?
1

【EN-D.CONSTRUCTION(6)】

ルフィンは言った。

「あいつら、一撃必殺を根底に攻めてきたもの」

 これはつまり、あの男たちが、ルフィンの素性を僅かにでも知り得ていたことを示している。

 遥かに高い技術で創造されたロボットであるルフィンだが、彼女いわく、「いちど攻撃を受けてからでないと、自己防衛ができない」らしい。そのことを念頭に置いた戦略であったことからも、あの男たちが、阿堂レナ博士となんらかの繋がりがあることは想像に難

もっとみる

絶罪殺機アンタゴニアス 第一部 #30

前 目次

「ジアド、ジアド、ジアドくぅん。〈親父〉就任おめでとうを言わせてくれたまえ。いやいや実にめでたい! はじめてお目にかかるが、何とも頼りがいのありそうな青年じゃないか! 〈紳士同盟〉の未来は明るいねぇ! おっと申し遅れたね、私はクロロディスという者だ。君の父上の古い友人だよ。それで、引退を決意された偉大なる先代はどちらかな? 彼とはずいぶん長いこと会ってなくてねえ。エッ、ご病気? それは

もっとみる

[最初から]ゾンビつかいの弟子 6章(前半)

(約11000字 / 読むのにかかる時間 : 約20分)

[最初から読み直しキャンペーン]
こちらは「ゾンビつかいの弟子」本連載ではありません。今後の投稿スケジュールはこちら

六章

1.

停電が起きたM県内の区域において、3ヶ所の収容センターから、『生体ロボット』が脱走した。

始まりは、ロボットたちの衛星通信機能を遮断していたジャミング装置が、地震による停電に伴っていったん停止したこと。

もっとみる

ゾンビつかいの弟子 7章4-1

←前回

目次とこれまでのあらすじはこちら
今後の投稿スケジュールはこちら

4.

「俺さ、今週末、G県に行ってくるんだけど」と、谷中先生が言った。

ゼミが終わって、向山教授は「会議がある」と言って先に退室し、残りの者は椅子を片付けていた。

谷中先生は僕たちを見回しながら、言った。
「『本体』の様子を見てくる。それはともかく、お土産何がいい?」

「G県て何が有名なんですか?」4年生の学生が

もっとみる

商品15 フィリップ・K・ディック『ヴァリス』Tシャツ

ディック最大の問題作、Tシャツで登場!! 『ヴァリス』

■あらすじ
友人グロリアの自殺をきっかけにして、作家ホースラヴァー・ファットの日常は狂い始める。麻薬におぼれ、孤独に落ち込むファットは、ピンク色の光線を脳内に照射され、ある重要な情報を知った。それを神の啓示と捉えた彼は、日誌に記録し友人らと神学談義に耽るようになる。さらに自らの妄想と一致する謎めいた映画『ヴァリス』に出会ったファットは・・・

もっとみる
ありがとうございます!今後共どうぞよろしくお願いいたします。
8

商品14 フィリップ・K・ディック『流れよわが涙、と警官は言った』Tシャツ

現実の裏に潜む不条理を描いた傑作、ついに登場!
『流れよわが涙、と警官は言った』

■あらすじ
3000万人のファンから愛されるマルチタレント、ジェイスン・タヴァナーは、安ホテルの不潔なベットで目覚めた。昨夜番組のあと、思わぬ事故で意識不明となり、ここに収容されたらしい。体は回復したものの、恐るべき事実が判明した。身分証明書が消えていたばかりか、国家の膨大なデータバンクから、彼に関する全記録が消え

もっとみる
ありがとうございます!今後共どうぞよろしくお願いいたします。
6

暑い夏こそ黒Tシャツで決めろ! 待望のPKD・Tシャツの新商品登場!

前回、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』と『ユービック』Tシャツがまたたくまに完売となったフィリップ・K・ディック財団公認Tシャツの新商品がついに発売! 今回は『流れよわが涙、と警官は言った』と『ヴァリス』の2種です。8月上旬よりHAYAKAWA FACTORY展開書店およびオンラインにてお買い求めいただけます。

流れよわが涙、と警官は言った

ヴァリス

今年の夏はPKDでswagにキメろ

もっとみる

1話5分で読めるSFショートショート 試し読み! 草上仁『5分間SF』(ハヤカワ文庫JA)

あっと驚く結末が、じわりと心に余韻を残す、すこしふしぎなお話が盛りだくさん。いつでもどこでも楽しめるSFショートショート、草上仁『5分間SF』(ハヤカワ文庫JA)。その中の一篇「半身の魚」の試し読みを公開! あなたはこのお話のオチ、想像できますか? 

■半身の魚

この池の魚は尽きることがない。ただし、勝手に取るなよ。

 喉が渇いていた。
 腹も減っていた。
 二日の間、惑星サザーンの砂漠を歩

もっとみる