【あっさじーん伝記】 F 襲来編 前日譚


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  2021年3月4日木曜日

 「社会人として終わってる誘い方ランキング1位」のメッセージが届いた。
 最低レベルのコミュニケーションをするためには「日時」「要件」が必須である。乗り気でない要件なら参加したくないし、結局は「どういった要件ですか?」と120%の確率で訊かれて二度手間になるからだ。当然、私も「なぜですか?」と返す。

あさ 「Iさんと麻雀セットをするのですが、面子にフィリアさんを希望なさっているのです。」

 Iさんとは、あさじんさんも含む4、5人でシュラスコや激辛麻婆豆腐を食べに行ったことがある。

あさ 「Iさんというのは、女性の麻雀打ちの方です」
私 「お会いしたことあるのでわかりますよ」
あさ 「面識がありましたか」
私 「はい、シュラスコを食べに行ったことがあります。あさじんさんもいました
あさ 「シュラスコってなんですか」
私 「突っ込むのそっちなんだ」

 今日も彼はバットが振れています。

私 「串に肉を刺して焼いたブラジル料理です。あさじんさんも美味しそうに食べていましたけど」
あさ 「すみませんけど全く記憶にないです」
私 「あらら」
あさ 「あ、思い出した。なんか食べ放題みたいなやつでしたっけ」
私 「そうです。よく思い出しましたね。素晴らしい。」

 こういったケースで彼が思い出すことはほとんどない。
 今回は非常に稀なケースだ。つい先日私がしたアドバイス「考えることを放棄したらどんどん脳が腐ります。無理してでも考えましょう」を守ってくれているのかもしれない。

あさ 「でもフィリアさんがいた記憶ないけどw」
私 「私はたわし君を挟んで2つ隣の席にいましたから、視界には入っていませんでした。仕方ないことです」
あさ 「たわしも覚えてないw」
私 「終わっとるやん。じゃあ何を覚えとんねん」

あさ 「一緒に来ていたTさんが『あさじんさんと同じ職場だったらモヤモヤするかな』と言って、隣の席のIさんが『隣の隣の部署ぐらいがいい』と応えていて傷ついた記憶があります笑」
私 「それは辛いねぇ」

 ネガティブな出来事は細かくても鮮明に覚えているらしい。ショッキングな出来事を思い出させてしまったようなので、セットには前向きに出席するとだけ返答し、しばらく放置することにした。


 


 3月7日 日曜日

私 「途中で仕事が入って作業をすることがあるので、できれば4人いればスムーズだと思います。」
あさ 「Tさんを誘ってみます」

 すぐに返事が来て、Tさんは仕事があって来られないが食事があれば行きたいとのこと。

あさ 「19時ごろ来れるそうなので、それくらいに終わるようにしますか。もう一人はどうしましょう?」
私 「澤田さん呼ぶか

 彼が100%の確率でNOを突きつける名前を出してみる。この後ならば大抵は誰の名前を出しても「澤田さんよりマシか」とOKしてくれる。いわゆる「ドア・イン・ザ・フェイス」だ。

あさ 「僕が参加できなくなります」
私 「あ、そういえば嫌いでしたね」

 彼からすぐに「嫌いではありませんよ」のメッセージが来て、10秒ほどでメッセージが取り消された。発狂寸前かもしれない。

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 ドアインザフェイスならば、この後はよりOKしてくれやすい名前を出すべきなのだが、面白がった私はすかさず追撃を放つ。

私 「 Fくん呼ぶか 」

 Fくんとは風俗店員物語を書いている青年である。
 色々あって、あさじんさんは彼をブロックしたのだが、さらに色々あってブロックを解除、その後はFくんを避け続けてるのである。

 私はメッセージを送った後、彼が発狂するだろうか、普通に断るだろうか、などと考えていたら24時間が経過した。つまり24時間未読無視である。ちなみにこの間、彼のTwitterは元気に稼働中だ。それほどまでにFくんを避けているということだ。

 しかし、彼をセットに呼んでいいのかどうか返事がないので、このままではセットの段取りが進展しない。確認のメッセージを再度送ってみた。

 すると

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 彼の得意技、ドタキャンが華麗に決まった。

 Iさんには18時ごろに中止の連絡が入っていたそうなので、あさじんさんはこちらの連絡を意図的に無視(発狂)していたことになる。

私 「こちらからメッセージ送りましたよね。なぜ未読無視だったんでしょうか?」
あさ 「連絡が遅れて申し訳ありませんでした」
私 「遅れたのは仕方のないことだけど、こちらのメッセージを無視していたこととは別問題です」
あさ 「スマホのLINEの調子がおかしかったので確認できませんでした」

 LINEの調子が悪い、は返事しないやつの言い訳ランキング1位である。私の周りで実際にLINEの調子が悪かった人を見たことがない。

私 「LINEの調子が悪いということは、Iさんにも連絡が遅れたんですか?」
あさ 「PCでは問題なく使えたので、彼女には18時ごろに連絡しました」

 矛盾の欲張りセットである。
 PCで問題なく使えたのなら、PC版LINEには私のメッセージが届いているということになる。しかし、追及しても「連絡が遅れて申し訳ありません」とbotのような返事しかしないため、諦めることにした。

 それにしても、名前を出しただけでセットを破壊してしまうとは、彼はどれほどFくんを恐れているのだろうか?核兵器と言って差し支えないレベルである。そんな武器を手に入れた私がそれを使わない手はない。

 三鷹の王 澤田さんとの会談により、あさじんさんが3月11日(木)に遊図に出勤すると聞いていた私は、あさじん王国に向けてご挨拶のICBMを打ちかます。

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 翌日、私の手下の李くんから連絡が入った。
 彼はオーバーテクノロジーを使って麻雀遊図のLINEグループを見ることができるのだ。

李 「こちらリー、12時19分、ユズラインにアサチャンからメッセージ、腰痛いから勤務代われって」
私 「バケモン」

 セットもドタキャン、勤務もドタキャン。嫌なことから逃げてばかりでは成長できません。

 あさじんさんの給与が減るのは知ったことではないが、澤田さんに迷惑がかかっては申し訳ない。Fくんと私が原因ならば解消しないといけない。すぐさま私はあさじんさんへ連絡を入れた。

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私 「あさじんさんが勤務に入れるように連絡してみましたが、どうでしょうか?」
澤田 「でも、腰が痛いのは事実なんじゃないの?腰が痛いならFくんが来なくても勤務できないよね」
私 「腰が痛いのは言い訳っす」
澤田 「そうなの?ひどいね。真面目に仕事して欲しいよ。」

 その夜。

私 「彼の出勤はどうなりましたでしょうか?」
澤田 「腰の調子が本当によくないみたい。今回は勤務に入れそうにないね。彼が勤務に入りたいっていうから、既にシフトは決まっていたのにわざわざ他の子が譲ってくれたんだけどね。」
私 「ひどいですね。介護お疲れ様です。。また近いうちに遊びに行きます。」

 彼は本当に腰を痛めていたらしい。
 何はともあれ、おふざけのせいで出勤をドタキャンしたわけではないことがわかりホッとした。いくら社会不適合者のあさじんさんといえども、嫌な人が来るから出勤やめますなんてことはあってはならない。早く腰を治して元気になり、一緒に麻雀をしたいと私は思った。


 しかしその2日後、私は、まるで腰痛が嘘のようにイキイキはたらくあさじんさんを目撃することになる。

 場所はもちろん


 

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 麻雀遊図である。


(続く)

このノートがあなたにとって有意義なものであったらとても幸いです。