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【プゴクが染みる朝】韓国旅行記


一応シリーズものです。前回はこちら。

※この韓国旅行記は数年前のものです。これから行く旅の参考にはならないかと思われます。


前回、聖水駅付近にあるカフェの話しをしたが、その前に食べたものがあった。

これぞ時系列無視の醍醐味とも言うべきか。今や記憶の組み替えまで始まっていて、それを何とか繋ぎ合わせる作業がなかなかに大変だ。その結果全然繋がらず、まぁいいか、とそのまま時系列無視で出してしまう悪の所業。まぁいっか。

深夜の空港のトイレ前にてベンチでゴロ寝をした後(情報量の多さよ)、うとうととしか寝ていない私達は始発のKTX(高速鉄道)に乗り、市庁へと向かった。
何度も言うが私は旅行力ゼロの女。
この旅の主導権は旅行力フルパワーな友人にあるのだ。おわかり頂けただろうか。韓国にいる間は絶対服従という事だ。

というわけで、空港から出て初めて外の空気を吸った場所が市庁という場所だった。
その時はあいにくの曇天で、遠くの景色が薄っすら白っぽく霞んでいたのを覚えている。

ハングルがぶら下がってる!これは何だったんだろうか。


そして友人の後ろをひたすら着いて行くのみ。
この頃はまだテクテクくらいだった。
空港の夜で疲れ切っていた私達は、早朝の韓国に浮かれる事も無く「へー」とか「ほえー」とか「日本人全然いないね」という言葉しか浮かばないくらいに頭がぼんやりしていた。

そして友人のお目当ての店に到着すると、おお!こんな朝から並んでるー!
どうやら有名な店のようで、外も中もほぼ現地の人達で賑わっていた。観光客は……やはり私達だけのようだった。

この店の売りは「プゴク」というもの。
正確に言うと発音がちょっと違うのだが、日本ではプゴクが分かり易いので良いと思うし、当時は韓国語を習う前なので違いも何も分からなかった。
事前に調べたところ、プゴクとは干し鱈を煮込んだスープの事で、あっさりなのに栄養たっぷり。二日酔いや美肌にも良いと言われている料理だった。

見よ。朝食にぴったりである。
(左下の溢れた汁を拭いた紙は見ないで……)


そうそう、これよこれ。見た事ある!
韓国と言えばメインの他に様々なおかず達が並ぶ光景がお馴染みで、密かに憧れだった。
この店にメニューは一つ。そう。プゴクのみ。
だからとにかく回転が早いのだ。座るとプゴクがドンッと出てくる。席には備え付けの薬味や塩辛、キムチなどがあり、好きなだけ盛れる。コロナ後はどうなったのだろうか(小声)

肝心の味だが、これがまあ〜優しいったら。
アツアツの白濁したスープに鱈の身がごろごろ、野菜も嬉しい。干し鱈の旨みがしっかり出たスープが五臓六腑に染み渡るのです。
それまでの恐怖の洗礼(入国審査で運悪く韓国語で質問され答えられずに追及され呆れられる)、過酷な状況(ベンチdeゴロ寝)の上に、プゴクという清らかな美味しさが吹き渡り、やがて千の風になってあの大きな空を……

しまった、また話しがおかしな方向に行きかけた。気を付けねば。

確かに二日酔いに最高だろうなと思った。
韓国語の先生から、二日酔いに効くのがこのプゴクと豆もやしのスープだと聞いたが、納得の味である。周りの小さなおかず達も、どれもこれも良い味をしていた。特にオキアミかな?とねぎをごま油で和えたものが美味しくて、ご飯が捗ってしまった。韓国でまた食べたい料理の一つだ。

堪能しながらも、長居する雰囲気では無いのでササッと食べ終えた私達。
さて、次に向かうのはどこでしょう?(知ってる知ってる聖水聖水)

次回は恐らく聖水の次に向かった場所になるだろう。そうやって自分に宿題を課す。
思い出せ。記憶の欠片をかき集めて細々と繋ぎ合わせるのだ朝霧よ……!

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