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夏を踊るまでに感じてきたこと。不登校児の夏休みってどんな気持ち?

久しぶりの投稿になりました。
今日はこんなトピックで描いてみようと思います。

  • asamicroダンス作品「Drowning in Breakfast」について

  • 家族になること、家族であること

  • 不登校時も安心する夏休み、コミュニケーションについて。あなたは場面緘黙症を知っていますか?

  • そしてこれからの作品、活動について


撮影:前谷開

asamicroダンス作品「Drowning in Breakfast」について

先日神楽坂セッションハウスにて開催されました、asamicro自己紹介ダンス公演「Drowning in Breakfast」が無事に終了致しました。会場にご来場くださいました皆様、オンライン配信を見てくださいました皆様、そして興味を持ってくださった皆様ありがとうございました。

とても凄い時間でした。久しぶりに息ができなくて毎日がご飯食べるのも寝るのもドキドキしちゃって結構瀕死しそうなくらい滅入ってた時もありましたが、今は心からやって良かったと感じ、何よりも支えてくれたキャストの皆さんや、周囲の仲間に感謝でいっぱいです。1人じゃできなかった。

「Drowning in Breakfast」
企画・制作:神楽坂セッションハウス
演出・振付・構成:asamicro
出演者:asamicro / TAIKI (TERM-INAL / Novel Nextus / yygcru) /
egg life dancers(愛由 / 髙橋春香 / NAKI”)
舞台美術:庄司はるか
朝ごはんオリジナル楽曲:DAWU
衣装:to-te
フライヤーデザイン:モトムラアヤコ
撮影:前谷開

作品内容について

asamicroの幼少期の記憶や経験を元に創られた、ストリートダンスを軸にノイジーな音楽とスピーディーに展開する苦味たっぷりな爽快ダンス作品となっています。朝、目が覚めるということは、起きてゆく身体とは、明日を起きるとは、そんな問いを自身に投げかけながら。私も踊っています。


ーーー

『おはよう』
こどもの私はこの、4文字を口にすることができなかった。

『いただきます』
こどもの私はこの、6文字を口にすることができなかった。

そして、無理やり朝ごはんを口にした。

ーーー

朝目が覚めて、身支度をして朝食をし、玄関の扉を開ける。
この当たり前の作業が幼少期の私には中々できなかった。

わたしたちはコロナ禍を経験し、家で過ごすこと、外へ出て行くこと。
それぞれの暮らし方と向き合い、生活を考えてきました。
行動制限によるストレスとも闘ってきました。

ですが一方で、自粛生活により世の中と平等な立場で1日を過ごせている様な
安心感で救われた人々もいるはずです。
様々な理由で外出が出来ない暮らしをもつ者たちにとって。

ーーー

朝が、朝ごはんが怖い。
いっそのこと布団に食べられてしまったらどんなに楽なのだろう。
そんな時間を過ごしたこども時代。

ーーー

上記の文章は当日会場で配布したパンフレットに掲載した内容の一部となり、これが私の想いです。それ以外はよく分からないものの塊です。振付も抽象的なものが多く意図を問われても私は答えられません。動きも変なやつが多いし、自分でも謎のこだわりもあります。ですが、この

よく、わからないこと

私はこれを大切にしたいんです。
私たちはどうしても納得して前に進みたくなってしまうものです。どうにか折り合いをつけて「理解・共感」を得て次のアクションをしたいものです。だから、わかったことが欲しくなってしまうんです。でも本当はわかっていないことばかりです。そして分かり合えないことをわかった気でいると、なんだか大切などうしようもないようなその人の何かが死んで、そして強いちょっと居心地の悪い枠が生まれ、言葉にはできないけど辛くなります。

そんなことを私もたくさん経験してきました。
だから私の作品では「よくわからないこと祭り」をばら撒けながら演者にも、お客様にも “悩む“ “考えてみて、それでわからない“ ということを大切にしてもらいたくて創っています。そういうグレーな中で自身のポジションで地に足ついて立つということの不安定さと、でも凄くそれはあなたでカッコイイと言うふうに私は考えています。

だから、少し不気味で気持ち悪いけど、身体はビートに乗って、意味もなく疲れて汗をかきます。幼稚だけどピュアにそして、嘘のない心で舞台にいたいと思っています。
そんなもんで制作しているから、演者の皆さんは凄く苦労したと思います。だけど本当に大先輩にも座組みを褒めていただける程、最後まで良い関係性で走り切ることができました。これは私以上に皆さんの能力が高く愛に溢れた人材が集まっていたからだと思います。本当に感謝しています。

本番当日は舞台美術で参加の庄司はるかさんの誕生日でした

とても大切な時間を過ごさせてもらいました。
この作品がこの先も歩いていってくれることを強く望みます。そして少しずつ作品も成長してくれるように励みたいと思います。

フライヤーデザイン:モトムラアヤコ


家族になること、家族であること

突然ですが、結婚しました。
お相手は現代美術家の 前谷開 さんです。

新しいグリル機能はハイテクでまだ調節がわからない。。。

これは朝食です。
私はずいぶん前から朝食を記録し続け10年位たった今、朝食の記録を辞めました。ですが、作品に朝食のモチーフを取り入れています。
下記には記録の初期の写真が見れます。

そして合わせてこちらの記事も読んでもらえたら嬉しいです(^ー^)
少し前のもので迷いがありますが、朝ごはんの写真もたくさん見れます。もしよかったら

私にとって朝ごはん・朝時間はとても重要な存在でしたがそれでもまだ点が線になれずにいました。

結婚したからというよりも、パートナーがしっかりとダンスではないことについて人として向き合ってくれたことで私自身もアサミクロではない時の振る舞いや関係性をまた違う角度で向き合ってゆく中で見えてきたこともありました。

ずっと私の言う朝ごはんダンスというものは、こども時代の不登校であった事実からくる朝の向き合い方としてのみ捉えてきましたが、もう少しだけ視野を広げると

私と家族との距離感、関係性について

であり、そこに物質的な存在やモチーフとして「朝」を取り入れることが私の今やるべき手法で、今の私の作品の方向性の一つであると思えてきました。
「家族」というものは、誰もが記憶し、それぞれの立場で共感できるありきたりな題材かもしれませんが、決して分かり合えない、その人だけが抱えている大切な感情が存在しています。私の朝の起源には家族との距離感とそこからくる世間との距離感が図られています。
これらをどのようにこれから見つめながら形にしてゆくのかはまだまだ時間がかかりますが、asamicroの創る朝ごはんダンスはこんな感じです。

これは両家の顔合わせの際に開さんがセルフポートレートをしてくださいました。そしてこの日、私には唯一の家族写真たちが生まれました。

私の手元にはと言うよりも、どこにも家族写真は一枚もありませんでした。そして幼少期の写真は姉妹と私1人の写真2、3枚しか持っていませんでした。
そう言う中で過ごしてきました。
そして他人と家族をつくってゆくことは嘘のような本当の世界です。
これは演出かもしれません、つくりものかもしれませんね、そんな風に変な気持ちになりながらも急に私に家族が増えて、これまでと違う時間や制限もでき、そして前よりも少しだけ自分の家族とも距離が離れました。

そして
距離が離れて、初めて生まれる優しさが存在している
ことも知りました。

これからどんな朝ごはんが始まってゆくか楽しみです。少しびびりながらも。

昔の生徒さんがプレゼントでくれました。
友蔵のように接してくれる旦那さんと話したら
まる子と友蔵とコジコジがいた。愛でした。ありがとう

不登校も安心する夏休み、コミュニケーションについて。場面緘黙症を知っていますか?

その前に皆さん知っていますか?
ポンキッキーズのこのラインダンスシリーズは本当に私は大好きでした。
当日お家にずっといた私は何度も何度もこのコーナーをみて真似していました。
大江千里さんの夏の決心も今でも大好きです。

さてこのnoteでは、私が重度の不登校児であり、9年間学校へ行けなかったことや義務教育を2ヶ月間しか受けることができなかった経験などもお話ししながら私が感じたことや、教育の中で思うことなどを述べてきました。今日は少しだけ夏休みについて話したいと思います。

学校へ行っていなくても夏休みは関係あるの?

そんな風に思う方もいるかもしれませんが、私の場合は
学校へ行っていなくても夏休みは嬉しくて、終わりに近づくとソワソワします。
それは、

堂々とお家に居れて、終わったら居れなくなるから

この思いが根底にあります。学校がある時はいつも申し訳なく、ダメな自分として、近所のお友達が学校へ行っている時間は息を殺して存在していました。だからみんな学校へ行かなくて良い夏休みというのは、堂々と家にいれる権利を貰えている気分になりました。

今、「夏休み 不登校」などと検索すると、夏休み明けの不登校児増加について、や不登校にさせない方法、などが検索されやすいです。

だからです。これらの記事には前提として改善策、ゴールが学校復帰のものが多いです。難しいことはわからなくてもこどもは

“夏休みが終わるにつれて大人たちは計画を持ちかける“

そんな風に予感をして私は怖かったし夏の終わりが本当に辛かったし悲しくなりました。
今日は私が思う改善策や現状の傾向など述べるのを目的にしてません。まずは知って欲しかったんです。夏休み中の不登校児や引きこもりのこどもたちが感じている一つの気持ちにこんなこともあるよって。

そしてもう一つだけ知っていてほしいなってことがあります。
あなたは場面緘黙症を知っていますか?

上記のサイトにも情報が載っていますので是非興味を持ってもらえたら一度覗いてみてください。

私は以前「コミュ障」についても触れたことがあります。その中で

「本来のコミュニケーション能力の高い人というのは受け取る側である。発言の少ない人を見てコミュ障というのは受け取る側のコミュニケーションに対する理解の乏しさからくるものである。彼ら彼女たちは必ず何かを伝えている」そんなことを述べられていた以前から活動などでもお世話になっている不登校・引きこもり支援活動をしている滝田守先生のお言葉が私はすごく胸に届きました。

その上でいつか私もコミュニケーションについての作品を創りたいと考えています。これはまだまだ先で次のセクションになると思いますが、私は人との距離感やコミュニケーションについて、自分が体感してきたことも踏まえてもっと学びたいし知りたいと思っています。そういった経緯から今回は場面緘黙症についても全く耳馴染みのない方にも少しでも情報として知ってもらえたら、今少しおうち以外でコミュニケーションで悩んでいる人にも1つの情報・現状として良いのかと思い投稿しました。

テレビでも少し取り上げられるようになってきています。
言葉では見難い方は是非上記のYouTubeもご覧ください。


そしてこれからの作品、活動について

ちょっとnoteでは毎回長ったらしく記載していこうと思っているので自身の背景を織り交ぜながら、私自身が今目を向けていることと合わせてダンスの話をしています。SNSでは大分ライトに表現しています。

これからの作品は今述べてきたような流れの軸は変わりません。
今は新作として「家族について」をあらためて向き合いながら制作中です。お披露目までにはまだまだ時間がかかりますが、少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです、それはダンサーだけでなく、今を生活を頑張っているあなたに。

そして今後の活動として一つお知らせがあります。

9月に豊岡演劇祭2022にて「Drowing in Breakfast」の
再演が決定いたしました!!

とっても嬉しいです。是非多くの方に見てもらいたいので、関西にお住まいの方は特に興味持ってくださったら幸せです。豊岡演劇祭については以下から是非ご覧ください。

🥚🥚🥚🥚🥚🥚🥚🥚🥚🥚🥚🥚

日程: 
9/15 (木)18:00〜
9/17  (土)11:00〜
※開場は開演15分前

会場: 芸術文化観光専門職大学 小劇場・そぞろ座

チケット🎫
🎟1演目券 
一般1,500円
高校生以下 無料(要申込)

🎟セット券
9/15 2演目券 2,000円
9/17 4演目券 4,000円

フリンジ showcase
<第1クール>
asamicro
neji&co.
居留守
屋根裏ハイツ

上記に詳細が載っています。是非ご覧いただけたら嬉しいです。
素敵なキャストが新たに加わり再編成でバージョンアップでお届けします。
この後8月半ばは稽古のオンパレードな夏休みが待っています。
とてもまたハラハラとキリキリと忙しくなりますが、幸せなことです。感謝しています。仲間にも環境にも。


ではそろそろ締めます。
今回はかなりの長文投稿となりましたが最後まで見てくださり本当にありがとうございました。最後に!

夏休みが嬉しくて、終わりに向かうと不安だった私も
今は夏休みはバタバタと忙しく汗をかきながらどうに生きています。

だからきっと大丈夫。その人にはその人のタイミングがあって、人生は平等に優しいと私も信じながら今日も生きています。

私の夏休み中の神戸より。


asamicro

ダンサー・振付家

1986 年神奈川県横須賀市生まれ。
漁業街で育ち、幼少期からストリートダンスを学ぶ。
創作テーマは「愛と平和と平等性に問いを持つ」

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夏の思い出

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