前回 無事、衛生看護科の高校に入学できたことを書いた。
 今日のNOTEは、その少し前のお話。
 高校の合格発表の話である。

 高校の合否結果は、中学時の担任による電話連絡があり、それから友人達と 高校まで張り出されてある結果を確認しに行くという流れだった と記憶している。

 合格したことは知ってても、結果を自分で確認する。
そんな機会は多分 この時だけだ。
 せっかくだからと、友人達と高校まで、行くことにした。

 情報処理科と家政科は、同じ校舎で張り出されてあるのに。
なぜか 衛生看護科は山側のはずれにある
校舎に張り出されてあるってことで。
早速見に行くと、

 先に数名いて、
受験番号を探して、ちゃんと合格しているな。頑張ったもんな わたし、と脳内で自分を褒めていると

 母親連れでやってきた同じく中学時のクラスメイトが 遅れてやってきた。

 合格発表の番号がびっしり書かれた紙を
指差しながら バッキバッキの目で見ていたかと思うと、いきなり ダムが決壊したかのように大号泣し始めた。

 ただ涙を流すだけではなく、
びぇぇえええんん えぐっえぐっ
うわぁぁああん どぅわぁあああん
って、本当の本当に大号泣。

 それはそれは もうすごい迫力で。

 横にいた そのコのお母さんも
娘のその状況にオロオロしてるわで

 そのコが来るまで、わりと嬉しいムードでみんな にっこにこの良い雰囲気だったのに。

 合格発表の紙が震える程の大号泣で
 喜びムード ぶち壊しである。

 えーっと、どうすれば良いのか。
中学時代のクラスメイトだし、
声をかける？
見守る？
それとも 思いきって立ち去る？
この空気 なに？
重い、しんどい
この気持ち 何て言うの？

ハッ！ これが気まずいってやつ？

そんなことを考えていると

少しずつ泣き止みはじめた
そのコがわたしに、
「いつかさんは 合格したんだね、
ずるいよ」って言った。

それが 相当自分にショックをあたえたようで、わたしはそれ以降の記憶がない。

その日どうやって帰ったのか。
帰って 家族で合格をお祝いしたのか。
全然 思い出せない。

 そのコは あれから島を出て
鹿児島の高校に行ったと聞いている。
どこかで看護師さん、やってるのかな。

 もし会えたら、あの時の
わたしを深く傷つけた
『ずるいよ』って言葉の意味を
聞きたいな。