浅原ナオト

物書くホモ。著作『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』がNHKにて『腐女子、うっ…

浅原ナオト

物書くホモ。著作『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』がNHKにて『腐女子、うっかりゲイに告る。』のタイトルでドラマ化。その他著作に『御徒町カグヤナイツ』『#塚森裕太がログアウトしたら』など。最新刊は『今夜、もし僕が死ななければ』(新潮文庫nex)

最近の記事

【報告】入院しました

 入院しました。  正確に言うと、6/27から入院しています。原因は悪性リンパ腫。ただしまだ治療には入っていません。治療に入るためには悪性リンパ腫の確定診断を出す必要があり、そのためにはリンパ節などの病巣の一部の組織を取り出す「生検」と呼ばれる検査を行う必要があるのですが、病巣が深すぎ&血小板が少なすぎて実施できないそうです(病巣が深いので内臓の奥深くから組織を取って来る必要があるが、血小板が少なすぎて出血したら止まらない状態のため、検査の過程で内臓が出血すると大変なことに

    • 煙 (『#塚森裕太がログアウトしたら』番外編短編小説)

       ※本記事は幻冬舎様より発売した『#塚森裕太がログアウトしたら』の番外編となる短編小説です。本編より先にこちらを読むと本編の読み口が大きく変わってくると思われる内容のため、本編を先に読むことを強く推奨いたします。 【本編】 Amazon(文庫):https://www.amazon.co.jp/dp/4344432584 Amazon(単行本):https://www.amazon.co.jp/gp/product/4344036905 版元:https://www.gen

      • ブンゲイファイトクラブというイベントに参加していました

        1.ブンゲイファイトクラブとは  皆様はブンゲイファイトクラブ(以下BFC)というイベントを御存じでしょうか?  ざっくり説明をすると、原稿用紙6枚以内の掌編を応募し、それらの掌編を戦わせて一番強い作品を決めようという企画です。年1回行われ、今年で4回目になります。一番強い作品の決め方ですが、とりあえず今年の段取りは以下のようになっています。  ① :応募作の中から主催者が数十作を選定する。  ② :①の中から選考委員が24作を選定する。  ③ :24作を6作ごと4ブロ

        • 【誉め感想】映画『100日間生きたワニ』を観てきました

           映画『100日間生きたワニ』を観てきた。  変な形で話題になっているので実際どうなんだろうと思って観に行ったのだが、これが良かった。普通に涙ぐんでしまったし、鑑賞後は素直に「良いものを観た」と思えた。個人的に「100ワニの商業展開に求めているもの」のアンサーとして完璧である。100ワニのグッズは書籍だけが100日目より先にリークされ、その時点では商業化についても擁護の方が大きかったと記憶しているが、あの時求められていた「100ワニの本」がまさにこの映画のようなものだったの

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          世界を簡単にする「当事者」へ

          『同じさ。男同士の恋愛ものが好きなんて確かに大した問題ではない。だけどそれは君も変わらない。男だけど男が好きなんて、だからどうしたで済む話。真に恐れるべきは、人間を簡単にする肩書きが一つ増えることだ』 『人間を簡単にする肩書き?』 『ああ』  僕は首を捻った。ミスター・ファーレンハイトの話は、たまに概念的で難しい。 『どういうこと?』 『そうだな。その子に関して、腐女子以外に何か大きな特徴はあるか?』 『絵が上手いかな』 『そこにその子が腐女子であるという情報が加わると、さす

          世界を簡単にする「当事者」へ

          「腐」をゲイに被せようとする人間のホモフォビアがひどすぎて無理だという話

           最初に宣言しますが、これは「腐女子(腐男子)の"腐"を男性同性愛に被せようとする人間」、もう少し広めに言うと「BL愛好家への批判を安易にゲイに受け止めさせる人間」を批判する文章です。それ以外、例えばBL文化の是非(※1)には言及しませんし、BL愛好家への批判を安易にゲイに転嫁しない人も対象外です。  なぜわざわざこんなことを書くかというと、一つはただBLが好きなだけの人を傷つけたくないから。そしてもう一つは、書かないと「こいつBL叩いてましたよ」「こいつ腐女子批判してまし

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          小説『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』とドラマ『腐女子、うっかりゲイに告る。』の主人公の解釈差異について

           どうも。新刊『#塚森裕太がログアウトしたら』発売を3日後に控えている浅原です。(開幕宣伝)  今回は自分の書いた小説『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』と、それを原作にしたドラマ『腐女子、うっかりゲイに告る。』について、主人公「安藤純」の解釈差異について語りたいと思います。というのも自分視点だと解釈に結構な差異があるのですが、一般視聴者視点だとだいたい同じに見えるらしいんですよね。よってこれは語ったら面白いんじゃないかと思い、語ることにした次第です。  というわ

          小説『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』とドラマ『腐女子、うっかりゲイに告る。』の主人公の解釈差異について