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身長153センチ・60歳・バブル世代・元看護師の「大人コーデ」を生み出した5つのルーティーン

 53歳でインスタグラムをはじめ、日々のコーディネートをアップし続けた結果、ファッションブランドのディレクターになった女性がいる。石橋洋子さん。2022年11月17日で60歳になった。

 初の著書『アンダー153cm、60歳。カッコよく着こなす大人コーデ』は、ネットで公開した一部抜粋して掲載した記事が大きな反響を呼んだ。特筆すべきは、同世代のみならず、30代、40代女性からの支持を多く受けたことだ。何が彼女たちに刺さったのか?

上記の記事では、彼女が掲げる5つのルールを紹介した。具体的には、

 ・シンプルであること
 ・脚長シルエットを作る
 ・身に着ける「色」は3色まで
 ・モノトーン中心なら靴や小物を差し色に
 ・スカート丈のポイントはふくらはぎにあり

 というものだ。

 今回は、いつまでもおしゃれを楽しむために、彼女が自身に課している5つの「ルーティーン」を紹介したい。

<その1>好きな服のためには毎日3回の体重測定
 石橋さんが「10年は続けている」と話すのが、1日3回、体重を量ること。朝起きてすぐ、夕食前、お風呂に入る前に体重計に乗る。結果、これを食べたら太る、これなら大丈夫、ということがわかるようになった。

タンクトップもショートパンツも大好きだという石橋さん。肌の露出はためらわない。この日は久々のオーバーオールをタンクトップに重ねて。服がダークトーンなので、緑に白のショルダーと白いサンダルでさわやかに

 出産後に4キロ太り、50歳のときに「いま痩せておかないと」と、1週間のファスティングをした。その後は野菜をたくさん食べるようになり、いまの体重は独身時代と同じ。「体形は違いますけど」と石橋さん。

 これほど気を使う理由は、やはり「好きな洋服を着たいから」。脚も引き締めておきたくて、家では着圧レギンスやかかとのないトレーニングスリッパを履いて腹筋に力を入れ、「ながら運動」でインナーマッスルを鍛えているという。ジムなしでこの体形を維持しているというからすごい。

<その2>まつエクとアイラインで目元にポイントを
 2年ほど前に職場の後輩のアドバイスでまつエク(まつげエクステ)にトライした。それまではマスカラを2度、3度と重ねづけしていたが、まつエクで「毎朝のメイクが本当に楽ちんになりました」(石橋さん)。目元がはっきりすると顔の印象が明るくなって目力が出る。アイメイクは丁寧に、が彼女流だ。

秋色でシックにまとめたときは、足元にポイントを。この日はハラコのヒールを選んだ。ハラコや蛇革の靴は、こんな時に重宝する。柄の一色を拾ってバッグの色と合わせることもできて、小物選びの選択肢が増える

 アイラインには赤茶色のペンシルを少しぼかしてから、同じ赤茶色のリキッドを入れる。全部入れるとクマのようになってしまうので、上下とも目尻の3分の1くらい。黒のほうが締まるのかもしれないが、石橋さんの場合はきつくなりすぎてしまうという。

 あまり赤い口紅はつけない。よく使うのは、ベージュ系のコーラルピンクか、ちょっと薄めの色。目なのか、口なのか。両方やると派手になってしまうので、強調するのをどちらかに決めるのがいいという。

<その3>毎日のお風呂上りには「核酸ドリンク」
 年齢を重ねてもきれいでいたい。だから、体や顔のケアは日々、心がけているという石橋さんだが、年齢とともに、肩こりや倦怠感に悩むようになった。そんな時、友人に勧められたのが「核酸ドリンク」。数年間、毎日お風呂上りに炭酸で割って飲んでいたら、その悩みはなくなってしまった。自身の乾燥肌にもあうようで、スキンケアにも使っているという。

ダメージ加工のデニムシャツに裾を切りっぱなしにしたデニム、モスグリーンのロングカーディガン、そしてカジュアルなバッグというスタイルに、あえてセルジオロッシのきちんとした明るめの靴をチョイスした

 核酸ドリンクを勧めてくれた友人は、本当に肌がきれいで、ノーファンデ派。当時から、「ファンデーションは時間とともに酸化して黒ずみ、小じわや毛穴が目立つし、肌に負担をかけるから塗らないほうがいい」と話していた。そのノーファンデ、なかなか取り入れる勇気がなかったという石橋さんだが、最近になってついに実践。友人の言葉を実感できた。いま、顔に塗るのはファンデではなく日焼け止めだ。

<その4>ユーズドショップにはこまめに足を運ぶ
 数十万円のお金をためて、あるブランドのバッグを定価で買ったときのこと。流行が移り変わるのがあまりにも早すぎて悲しくなった。その経験以来、バッグはユーズドショップで、流行に左右されない上質なものを安く買おう、と決めた。

きれいめな着こなしのときは、ユーズドのこなれた感じのバッグを持つほうがおしゃれに見える。このときも、蛇革のヒールの一色とバッグの色を合わせて。シャツは、ちょっと襟を抜いて女性らしさを出すのがいい

 バッグに限らず、石橋さんはユーズドショップが大好き。ラグタグ、大黒屋、セカンドストリート、ブックオフなどにこまめに足を運ぶ。店員さんともすぐに仲良くなって、「何かいいの入ってきとる?」「いや、変わってないですね」「じゃあ、またにするね」といった会話が日常だという。

 こまめに通っているから、ショップの棚にずらりとかかった服をザッと見るだけで、「買い」な1着がわかる。素材が違うので「そこだけ光って見える」と石橋さん。おしゃれが大好きで、昔からいいものをさんざん見てきたことで養われた「特技」だと言っていい。

<その5>若者に人気の店のリサーチは欠かさない
 H&MやZARAといった若者に人気の店にも通う。いま、どんなラインがはやっているか、リサーチするためだ。特に、ファッションブランド「Lazo_N33°(ラソ エヌ サーティースリー ディグリーズ)」のディレクターを務めるようになってからは、「勉強になる」と感じるという。

実はこれ、ユーズドショップで見つけたユニクロのトレンチコート。トレンチばかり着るなら十数万円出してもいいけれど、あれもこれも着たい石橋さんはなかなか「手が出なかった」。襟は、立てるのが基本!

「流行に乗るつもりはあまりないけれど、流行を知っておくことは大切ですから」

 買い物をするときは、ショップに自分のことをわかってくれる店員さんがいると心強い。買おうかどうか迷っているときに、「ヨウコさんには、いらんですよ」と的確に言ってくれる人は貴重だ、と石橋さん。おしゃれの近道は、店員さんと友だちになること、と言ってもいいかもしれない。

 でも、石橋さんが来ると困る、と言われることも少なくない。「あなたの来ている服にこれ、似合うよ」とついアドバイスしてしまい、欲しくなってしまうからだという。

 以前の記事で紹介した5つのルールは「そんなに難しくない」と思えたが、今回の5つのルーティーンはどうだろう。一つ言えるのは、「おしゃれは一日にしてならず」ということだ。

 石橋さんは、YouTubeチャンネル「アラカンyokoのファッションコーデ」でも自身のコーデ術を公開している。

(構成:生活・文化編集部 端香里/写真:赤司憲壕 abc pictures、北原千恵美)

石橋洋子著『アンダー153cm、60歳。カッコよく着こなす大人コーデ』(朝日新聞出版)

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