「在宅避難」に備える必須確認事項5項目とは? 盲点はトイレごみの保管方法
■家の中を「安全」な環境にしておく
自宅が安全でなければ在宅避難はできない。まずは室内の状態を整え、災害が起こっても安全に過ごせる環境を整える必要がある。家具は固定し、食器やインテリアなどが飛んで散乱しないよう、すべり止めを敷いておく。ガラスには飛散防止フィルムを貼っておきたい。
■ライフラインの代替手段を準備しておく
災害時には多くの場合、ライフラインが断たれる。電気やガス、水道が止まった状態でも家族全員が1週間は過ごせるように、カセットコンロとカセットボンベ、ヘッドライトやLEDランタン、飲料水などを多めに用意しておく。近所の「災害時給水ステーション(給水拠点)」を自治体のホームページなどで確認しておくことも大切だ。
■飲料水は少なくとも1週間分を確保する
今後発生するとされている震災では、1週間以上の断水被害が予想されている。混乱した状態では、給水もすぐには受けられない。命を守ることができるだけの水は用意しておく必要がある。飲料水なら、1人あたり1日2リットルを1週間分、つまり14リットルは確保しておきたい。
トイレや洗濯などの生活用水は、ペットボトルやポリタンクに入れておけば、使い終わった後は給水時の運搬容器としても使える。浄水器を通していない水道水を飲料水として使えるのは3日間。4日目に残っていた分は、洗濯などに使いたい。お風呂の残り湯はすぐに抜かず、次に湯を張るときまで湯船に残しておくと、これも生活用水として使うことができる。ただし、湯船いっぱいに入っていると、地震の揺れと湯の圧力で浴槽が破損してしまう可能性があるので、6割程度に。雑菌が繁殖している可能性があるので絶対に飲まないこと。
■食料品や日用品はローリングストック
「いつかのために」と長期保存食や保存水を買ってしまい込んでおくと、いつの間にか賞味期限が過ぎていることがある。いざ食べようとしても食べ方がわからなかったり、口に合わなかったりすることも考えられる。食料品のように賞味期限のあるものや、欠かせない日用品は、普段使っているものを多めに買い置き、使った分だけ買い足す「ローリングストック」がおすすめだ。
ローリングストックに向くのは、常温で保存可能なレトルト食品、フリーズドライ食品や乾物、缶詰、野菜ジュースや青汁など。被災して、停電の中で在宅避難を続ける場合、最初の3日間は冷蔵庫に残っている食品を冷蔵→冷凍の順に食べ、4日目からはローリングストックしていたレトルト食品などを食べて、最低1週間、持ちこたえられるようにしておきたい。
■非常用トイレ+トイレごみ保管容器はマスト
どんな非常事態でも、トイレは数時間もすれば我慢の限界が来る生理現象。排水管や下水管などが破損し、トイレが使えなくなる可能性が高い災害時、トイレの備えは必須だ。最低でも、家族が1週間使えるだけ非常用トイレを備蓄しておく。トイレの回数は、1人1日5回(小4回、大1回)が目安だ。
自宅備蓄用なら、「吸水凝固シートタイプ」がおすすめだ。袋の底におむつのような吸水シートがついていて、便器にかぶせて使う。複数回の使用が可能なので、「小は3回に1回」などと節約することもできる。便器が使えないときのための組み立てタイプもある。
備えとして見落としがちなのは、トイレごみを保管するための容器だ。大災害の後はごみの収集が遅れがちになる。使用済みの非常用トイレをにおいをもらさず保管するため、密閉できる容器が必要だ。ふたつきのごみ箱や衣装ケース、屋外用の収納ボックスなどが使える。密閉できる袋やおむつ用の防臭袋でもいい。多くの場合、可燃ごみとして出せるが、自治体によっては分別を求められることもある。ルールも確認しておきたい。
(構成:生活・文化編集部 端香里)