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新人配属3ヶ月!はじめての取り組み【Mapbox を用いた人口密度の可視化】

はじめに

はじめまして。メディア研究開発センターの石井と申します。

2022年4月に朝日新聞社に新卒で入社し、9月にメディア研究開発センターに配属されました。
今回は、配属されてからこれまでの3ヶ月の中で取り組んだ「Mapbox を用いた人口密度データの可視化」に関してご紹介します。

就活生をはじめとして、朝日新聞社、メディア研究開発センターの仕事に興味を持ってくださっている皆様にとって、少しでも入社後のイメージが湧くような内容になればと思います!

自己紹介

まずは簡単に自己紹介をさせてください!
大学、大学院では情報科学を専攻し、音響信号処理に関する分野の研究をしていました。
休日は好きなバンドのライブを観にいったり、ベースを弾いていたり、趣味も「音」に関わることなので、いつかこの部署でも音に関わる何かに取り組めたらなと少し考えています。

現在は、手厚い技術研修ののちにメディア研究開発センターに配属され、データジャーナリズムに取り組むプロジェクトに参加させていただいています。

ここからは、配属されて最初に取り組んだ「地図を用いたデータの可視化」に関してご紹介します!

アプリケーションの概要

まずは、作成したアプリケーションをご覧ください。

人口密度可視化アプリケーションの動作イメージ(実際はもう少しゆっくり動きます)

ここでは、ある1日の1時間ごとの人口密度を地図上に可視化しています。

例えば、オフィスなどが多い丸の内周辺に着目すると、多くの社会人が出勤しているであろう10時頃にはかなり人口密度が高くなっており、退勤後と思われる22時頃では、人口密度がかなり低くなっていることがわかります。

10時頃の丸の内周辺。出勤後の時間帯であるため人口密度が高くなっている。
22時頃の丸の内周辺。退勤後の時間帯であるため人口密度が低くなっている。

まあ、これだけわかってもなんなんだという話ではありますが、人口密度を地図上に表示するだけで丸の内の人々の動きを想像することができました
ここに他のデータを重ねて表示したり、実際に起きた出来事と重ね合わせて考えてみると、新たに見えてくることもあるはずです。
今回の開発はその基盤を作る第一歩になっています。

人口密度のデータソース

ここからはアプリケーションの構成要素に関してお話しします。
人口密度のデータには、NTTドコモの携帯電話の位置情報から滞在人口を推定する統計データを使っています。

「この地区で今 ○○ 台くらいのスマートフォンが通信している」
「キャリアの普及率は △△ % だからこのエリアには □□ 人くらいいそう」
といった具合に推計されているようです。

ここでは1時間ごとに、1km 四方の区画(3次メッシュ)の人口密度を表示しています。

人口密度といえば、5年ごとに行われている国勢調査でも詳細なデータが公開されています。
ただ、国勢調査では、人が「どこに住んでいるか」はわかっても、外出時を含めて「今どこにいるか」を知ることはできません。

今回採用した人口統計データでは、1時間ごとの人口密度がわかるので、昼夜でどこに人が動いているのか、季節でどう変わるか、平日と休日ではどう変わるかなど、分析の幅が大きく広がっていることがわかります。

地図を用いた可視化(Mapbox)

地図上へのデータの表示には、地図開発プラットフォームの Mapbox を使用しました。

Mapbox は、カスタマイズ性が高い、動作が軽いといった特徴があり、近年ではメディアも含めた多くの企業で採用されているプラットフォームです。

陸地や海の色をカスタマイズしたり、地図上に表示したいデータを管理するデータサーバーのサービスなどもあります。
また、公式のドキュメントも充実しており(私のような)初学者にも優しいです。

システム構成

アプリケーションは React で開発しています。
React で Mapbox を使う方法も公式で紹介されています。親切ですね。

人口密度のデータは Mapbox のデータサーバーにアップロードすることで、軽量な形式に変換された上で React のアプリケーションから呼び出すことができます。

React で Build したアプリケーションは AWS の S3 で静的ホスティングをして、社内ネットワーク限定で公開しています。

システム構成のイメージ

おわりに

朝日新聞社のメディア研究開発センターに配属されて3ヶ月、はじめに取り組んだ「Mapbox を用いた人口密度データの可視化」に関して紹介しました。

今回のアプリケーション開発は、今後さまざまなデータと重ね合わせて分析をするための前段階にすぎません。
データジャーナリズムに取り組む一員として、報道に貢献していけるよう頑張ります!

メディア研究開発センターでは、自然言語処理、画像処理、音声処理などの人工知能研究や、本記事でご紹介したデータジャーナリズムなどに取り組んでいます。
定型業務よりも自ら考えて動くことが多く、扱っている分野も多岐にわたるので、得意なことを活かしたり、興味がある分野に取り組める可能性も高いのではないでしょうか!
興味を持っていただけた方はぜひ採用ページもご覧ください!

最後まで読んでいただきありがとうございました!
どこかでお会いすることがあればその時はよろしくお願いします。

(メディア研究開発センター・石井奏人)