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キューバ 2017


キューバへ

 2017年のGW, どこに行くかを考え悩んだ末にキューバに行くことにした。今までキューバに興味こそあれ、どちらかといえば少数民族や祭りで辺境主体の過去を考えると結構異例となる選択肢。しかも世界遺産となっている街を三つほど回るのだから私を知っている知人からしたら首を傾げたかもしれない。
 しかしアメリカの経済封鎖が解け、様々な物資がゆっくりではあるがじわじわとキューバの中に浸透していくのを考えると時期的にはそろそろ行かないと、という気持ちになったのである。なんといっても昔の映画セットのような街並みにビンテージカーが疾走する光景はその内に消えてしまうかもしない状況を看過するにはちょっと時間的に厳しいと感じたからである。

 今回は日本在住のキューバ人にお願いしてとりあえずハバナのアルマス広場近郊のキューバ式民宿であるカサをお願いした。深夜にハバナに入国するのでそれからのカサ探しはとてもできないので非常に助かった。そしてそのカサまでの送迎までしていただき初キューバの自分にとってはとてもスムーズに移動でき感謝感激であった。


La Habana  ハバナ

 最初に訪れたハバナは音楽があふれ、昼間からモヒートなどのアルコールを嗜むのがとても日常的な街。明るい内からバーなどではラテンの生演奏が流れ、多くの客がカクテル片手に音楽を楽しむ。日本では夜でしかありえない光景がここでは日常なのである。バーやホテル内だけでなく路上でも生演奏は楽しめる。結構意外に思ったのは多くのバンドは自分たちの演奏CDまでも販売している。つまりバンドメンバーはチップ稼ぎだけでなくCD購入による売り上げも客に期待しているわけだ。日本だとなかなかレコーディングというのは経済的な問題がありハードルが高いのを考えると、キューバという国の経済状況からして国民にそれほど余裕があるとは思えないのでレコーディングというものがひょっとしたら格安でできて一般的なのかもしれない。


 街中を走り回るビンテージカーはキューバの象徴のようでもある。多くの観光客がこの光景を求めているといっていい。多くはタクシーとして使われているのであるが、自家用車としてももちろん使われる。それしかなかったからだ。ハバナでは輸入による新車も走るようになった。観光用の真新しいバスは中国からの輸入だという。このような光景ははたしていつまで続くのか。


カバーニャ要塞

 キューバは歴史的にスペイン領だった時代にフランスやイギリスと戦うために多くの要塞を建設した。その内で観光的に最も有名なのはカバーニャ要塞。150年以上の昔から行われているという夜の大砲の儀式は一見の価値はあるが、あまりにも暗すぎて撮影がかなり困難。もしこの古式にのっとった服装を撮影したいのなら、大砲の儀式より一時間ほど前に行われる橋上のセレモニーの方がまだ明るくて撮影に向いている。


マレコン通り

  マキシモ・ゴメス像から西に延びるマレコン通りは夕方あたりから人々が夕日を求め集まってくる。常夏の気候で火照った体を潮風で冷やすにはちょうどいい。海に沈んでいく太陽を横目に歩いているとここでも生演奏グループがいた。多くのバンドは定位置で演奏してチップを稼ぐのだが、彼らはまるで音楽の押し売りのごとく観光客を見つけるやいなや押し寄せてきて目の前で演奏していく(笑)。もちろん無視して過ぎ去る観光客もいるのだが、後追いしてわざわざ正面にまで回り込んで演奏したりするという往生際の悪さ(笑)。温厚な人が多いキューバ人にしてはかなり強引ともいえるメンバーで、遠目に見ているとそのムチャ振り加減が面白い。


Trinidad  トリ二ダ

 次に訪れたトリニダはハバナに比べるとかなり田舎感を感じる。舗装道路はそれほど多くなく石畳の道路が町を支える。そしてオレンジ色の屋根瓦の街並みはまるで中世のようだ。ここではいまだに新車はほとんどなく、それどころか時々馬車が走っており、これでキューバ第三の都市というのだから驚きものである。そしてハバナ同様に生のラテン音楽が街角に流れている。


Camagüey カマグウェイ

三つ目の街、カマグウェイはハバナやトリ二ダ同様に世界遺産の街ではあるが、圧倒的に観光客が少ない!ほとんどいないといっても過言ではないぐらいいない!観光客がいないせいもあるのだろうけど、バンド演奏グループが全くいない。あれほどハバナやトリ二ダで見た光景とカマグウェイは別次元なのである。キューバではバンド演奏がつきものという概念があったわけではあるが、ここにきて音楽の多くは観光客ありきの存在だったのかもしれないという考えにいたった。バンド演奏はもちろん地元民が楽しむための場合もあるけれど、実際に我々がガイドブックやネットなどで目にするのは観光客相手の音楽だったわけである。

 余談だが、キューバは比較的人種差別が少ない国と言われる。確かに黒人ばかりのスラムという話もあまり聞かないし、普通に黒人白人仲良く歩いている姿もよくみかける。社会主義で給料格差が少ないとそういった差別が減るとの意見もある。そういった意味では労働意欲などの問題はあるが、低犯罪率とかも考えると幸福度的には決して悪い国ではないような気もする。


 三つの街、どれがよかったかといわれると非常に返答は難しい。意外性でよかったと感じるのはカマグウェイ。正直言うとあまり期待してなく他の方のブログ見ても魅力があまりないようなコメントが見られたので、半日で十分であろうと考えトリニダからバスで移動し午後に到着し半日だけ観光して深夜バスでハバナに移動するプランを立てていた。なおキューバではコインロッカーみたいなものはないので全ての荷物をバックパックに背負っての街中歩きでかなり疲れたがそれでも都会とはかけ離れた様子に町の魅力を感じたのである。今思うと一泊ぐらいすればよかったと思うほど。その中で個人的におススメなのはNuestra Senora del Carmen。 おそらく教会だと思うのだが、夕方に教会から東に延びる参道に子供たちが遊ぶ姿がほほえましい。もちろん人によって個人的な好みがあるであろうから、あくまでも個人的な意見として参考にしていただければ幸いである。


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