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保護猫の誕生日

日本では2月22日は「にゃんにゃんにゃん」で猫の日。我が家の3頭の猫のうち2頭の「誕生日」でもある。本当に2月22日に生まれたわけではなく、保護猫なので生まれた日が分からない。

保護猫の年齢は餌やりさんからの聞き込みや獣医の見立てをもとに推測して決める。生後1年未満の子猫なら生まれ月ぐらいまでは推測できるが、大人の猫の場合は分からないので歯や骨の状態で大雑把に生まれ年を決める。里親さんが決まったら「名前と誕生日を考えておいて下さいね」なんて言ったこともよくあった。家の子にした記念日が誕生日になっている子も多いと思う。

うちの場合は、2013年に迎えた2頭のうち片方は子猫の頃から近所でごはんをもらっていた子だったので、2012年7月生まれと分かっていた。家に迎えたのが7月1日だったので、この子は7月1日を誕生日にした。もう1頭は少し離れた場所から訳ありでこのあたりに連れてこられてそのまま保護された猫で、誕生日が分からなかった。でも体が大きくて「お兄さん」なのでもう少し早い日、ということで覚えやすい猫の日を誕生日に決めた。

そんな感じでゆるい運用がされていた保護猫の誕生日だが、2022年から動物取扱業者で飼養している猫はマイクロチップの装着が義務化されたことで状況が変わった。ペットショップやブリーダーだけではなく、保護団体でも里親に渡すまでにはマイクロチップを装着して、環境庁のデータベースに番号を登録する必要がある。その時に、誕生日を登録しなくてはいけないのだ。里親さんには、マイクロチップの登録証明書を渡して名義変更をしてもらうことになる。名前は変更できるのだが、誕生日は一度登録すると変更ができない。

うちにいるもう1頭の2月22日生まれの子がうちに来たのはマイクロチップ装着が義務化されたあとだったが、私が保護主でもあったので、私が誕生日を決めた。この子は7月1日生まれの子の実の姉だということが分かっていたので、弟よりはもう少し早い日、ということでこれも覚えやすい2月22日にした。今から思えば2頭が同じ日というのも芸がないけど、忘れてしまうよりはいい。

さらに後からうちにきた子は保護猫カフェでマイクロチップを装着する時に誕生日を決めた。8月生まれだと思っていたらそれは保護された月で、登録証明書を見たら2021年5月1日生まれになっていた。「5月生まれ」だけ推定できたので、覚えやすい5月1日で登録したのだろう。

マイクロチップ義務化で、たぶんどこの保護団体も同じような感じで、1日生まれとか月末生まれで登録された子がたくさんいるのだと思う。里親さんが決めた「うちの子の誕生日」に比べると、ちょっと味気ない。

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