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鎌倉暮らし9年目。
のんびりした時間の中で起こる、愛しき日々を綴っています。
今日はFacebookの過去記事から。

あぁ、そろそろ庭の手入れをしなくっちゃ。

草むしりは涼しい時間に

お昼、健康診断へ行った帰りにでっかい夏の雲を見た。
夏らしい夏がついに、知らぬ間に、唐突にやってきた。

夕方の予定がキャンセルになったので、家に帰ってたまっていた庭仕事をする。やったところと、やっていないところ。クッキリとわかる境界線で、おもむろにしゃがみこんだ。

生い茂った草たちに埋もれて黙々と草をひく。
時々、「ごめんね」と話しかけてしまう。
庭を整然と保つために、せっかく生まれてきた命を邪魔者扱いされるなんて、全く不憫だ。

そうは言っても草をひく。
すると、根が張っていたところから、アリやだんご虫、ムカデやミミズやらがワラワラと這い出てきて、慌てて私から逃げていく。
虫たちにしたら、人はたんと迷惑な生き物なのだ。

愛すべき道具たち

鎌倉のお寺の人たちが、植え込みの掃除などで「てみ」を使っているのを見て、初めてあの道具の正しい使い方を知った。それまでは、雪かきの時にしか登場しなかった「てみ」は、庭のあちらこちらで山になっている草を集めるのに役に立つ。

「てみ」からゴミ袋へ入れるのはなんと簡単なことか。それ以来、熊手についで2番目に好きな庭仕事の道具は「てみ」である。

ちなみに、3番目に好きなのは鎌(かま)」。昨年初めて活躍した「鎌」は、今では草刈りになくてはならない存在だ。
先ほど「草をひく」と言ったけれど、ひいたあとに登場するのがこの「鎌」で、伸びた芝やら、ひききれなかった雑草たちを、容赦なくザックザックと刈っていく。

これくらいやっておくと、すぐに伸びてしまう草たちも、しばらくは大人しくしていてくれる。

空の色は移り変わりて

2時間半ほど経って、辺りが薄暗くなってきた。
5年前の夏、父にプレゼントしたハイビスカスの植木鉢がもう窮屈になっていて、あと一仕事、植え替えてあげようかな、というところでポツリポツリと降り出した。

あぁ、今日はここまでだ。

少しずつ強まる雨に打たれながら、抜いた草をかき集める。
予想以上に雨足が早くて、蚊よけのために完全防備した長袖長ズボンはびしょ濡れになった。こんなに雨に無防備になったのはどれくらいぶりだろう。

一仕事終えて軒先に立ったところで、庭全体を眺めてみる。あと1回、もしくは2回で、一通りの庭仕事は完了しそう。

心地よい達成感に満たされて顔を上げると、こちらはもう薄暗いというのに遠くの空はまだ明るく光っていた。

※この記事は2016年7月14日にFacebookで投稿したものを修正したものです。

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