見出し画像

幽☆遊☆白書 実写版

Netflixオリジナルドラマ

12月14日配信

とりあえず一話だけ視聴した感想。

珍しく結論から書く。

思ったより全然良いじゃん!


という事になった。

正直なところ制作が発表された時。それからキャストが順々に発表されていった時。全キャストが出揃った時。ティザーPVが配信された時。全てにおいて不安しかなかったし、嫌悪感がした瞬間もあった。

何故こうまでしてNetflixは日本アニメの実写版を作りたがるのか。カウボーイビバップでダダ滑りしたのに懲りずに、ワンピースを作った時はアホかと思ったがそれ自体は良くも悪くも凡作という評価で終わった。しかし印象は悪いまま。それで今度は幽白かよ、と思った。

私世代の人間からすると平成初期の三大ジャンプアニメと言えば「ドラゴンボール」「スラムダンク」そして「幽☆遊☆白書」だった。男の子の家に行けばどれかしらの単行本が一冊はある。そんな時代だった。

ドラゴンボールは過去にハリウッドがやらかしてるし、スラムダンクは声優を交代しただけで大炎上する始末。よりによって幽白を実写化するか。と思った。幽白のアニメファンは良い意味で一番濃い人々だ。それを敵に回すのかNetflix。しかも流行りの若手俳優を使って。正直主演の人は幽白よりハンターハンター世代だろって思ったくらいで、何とも言えないモヤモヤした思いが胸の内につかえていた。

そして忘れかけていたこの師走。ふとNetflixを見ると配信が明日に迫っているではないか。おっと。なにわともあれひとまず見てから批判するなり何なりしようと決めた信条がある。

時間があるわけではないので取り急ぎ一話だけ視聴。

見てるうちにどんどんと心の氷が溶けていく。そして、新しいものを見せてもらっている気持ちとワクワクが蘇る。

結論。

全然良いじゃない!

となった。

まず主演の北村匠海。ビジュアルはさておき、雰囲気や行動や平成のツッパリ感がかなり幽助だった。違和感は登場三十秒くらいで消失する。

未成年者設定にも関わらずしっかり喫煙シーンが描かれているところが原作に忠実で素晴らしいなNetflixと思った。これ、意外と見逃されがちだが主人公幽助を描くにあたって「弱い者イジメや女子供を傷つける様な事は絶対しない一本気のある男だが社会のレールからはしっかり外れた不良」というキャラクターにするために喫煙シーンは必要不可欠なのである。単純に誤解が原因でここまで札付きになってしまっているのであれば流石に周りがアホ過ぎる。手っ取り早く「不良」というレッテルを貼るのであれば喫煙は欠かせないのである。

最近の地上波のテレビドラマじゃ絶対やらない。アニメだってやらない。リアリティを削って何を得ようというのか。愚か也テレビという旧支配者たち。

話を戻す。個人的には良いところなんて枚挙にいとまが無い。桑原がしっかりメチャクチャカッコいいところとか。蛍子が昭和感残したヒロインぽくて良いとか。ぼたんが顔以外完璧にぼたんだったりとか。アクションが凄い力が入ってて良いとか。

あまり書いてると長くなってしまうしまだ一話しか見てないので割愛して、一番「おお!」となったシーン。

冒頭でトラックの運転手が渋滞にイラついているシーン。そこでラジオからさりげない音楽が流れている。そのシーンには我々古びたアニメファンが歓喜するリスペクト的な仕掛けが成されている。アニメ幽☆遊☆白書の数ある名曲のひとつ「微笑みの爆弾」がひっそり流れているのだ。ファンであれば絶対に分かるレベルで流れているところが憎い。


あの頃少年少女だった我々にとって好きなアニメのOPやEDは青春の1ページというか幼く幸せだったあの日を蘇らせてくれる大切な思い出の曲なのである。

そんな曲をまさか令和の時代にNetflixで聴けるなんて。大好きなアニメへのリスペクトをありがとう。その言葉しか出ない。

つい古い友人に電話してみたくなった。小学生の頃、親友の部屋読み耽った幽☆遊☆白書。何度も何度も読み返しているからボロボロになってしまった単行本。

大人になっても幽白とバカボンドだけは持っていたくせに、新しい彼女と同棲するから捨てると聞いた時にああ遂に結婚するんだなと合点が言ったのを今でも覚えている。あの時、自分たちがもう子供ではなくなったんだなと悟って切なくなった記憶がある。

私にとって幽☆遊☆白書は特別な漫画でありアニメである。だからこそ、今回のアニメや原作へのリスペクトを欠かさないこのドラマにはそこそこ期待している。


この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?