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お金が振り込まれたぞ/28歳、寿司屋で色々考える

やっと、待ち望んでいた財形貯蓄が振り込まれた。
引越しにあたって、住みたい部屋は決まり、あとは初期費用だけどいうところでしばらく足踏みをしていたのだ。

不動産で担当してくれている田中さんは、気さくで本当に親身に相談に乗ってくれる頼れる兄貴という感じで、
住む気100%だけどお金がない
と言う私を案じ

「申し込みあったら何とか引き伸ばせるようしとくから!」

と、家賃交渉までした金のない客のために最善を尽くしてくれていた。



財形貯蓄は、引き落としの申請を出してから数週間〜1ヶ月ほどかかるので、正直それまでに入居者決まっちゃいそうだなあなんて気持ちもどこかあった。


それが先日、予想より早く振り込まれていたのだ。うれぴー!


財形なんて人に言えるほど溜まってないくせに、突然のまとまった金額の振り込みにテンションが上がり、
「伊勢丹で何か買うわ!!」
とモードフロアを散策した。


mameもTOGAもsacaiもアンダーカバーも全部ホシイヨ〜〜、
と、幡ヶ谷の古着屋で買った調子に乗った少女のTシャツにForeverのパンツを着ながら見て回る。


気になる服の値札を見て毎度
(たっけ!)
となるが、ここは伊勢丹。

肝っ玉の座った態度を見せねば。

安くても10万はするだろう、という気持ちで値札を確認することで動揺を抑える。


結局伊勢丹では何も買わず、
何か買わなきゃと金を使う使命感に駆られZARAを見るもなんだか全然違ったので泣く泣く買い物は終了。



とりあえず田中さんに電話しなきゃ、
とアルタ前のロータリーに腰掛けて財形が振り込まれた報告をする。

「やったじゃーん!!それ使っちゃだめよ。」

と見透かされたように釘を刺されながら、
審査の手続きをしてもらった。
兄貴…。



帰りは、気になっていた近所のお寿司屋さんののれんを初めてくぐった。

カウンターとテーブル合わせて15席ほどの、懐かしい佇まいをした店内に派手髪の二人で入店。


わあ〜、いい。


常連と思しきご夫婦が、
「いい髪色ね。私も白髪染めでいくつか色入れてもらってるのよ」
と気さくに話しかけてくれる。


一人前7貫の握りを注文すると、
これまた気さくな大将が丁寧に握った
中トロや甘海老、いくらなどをゲタに乗せていく。


最近は銀の皿で5人前注文してひいひい言いながら3人で食べるなんてしていたけど、こうしてカウンターで食べると一貫一貫のありがたみを感じる。美味しい。


出汁のきいたミョウガとお茄子のお味噌汁も、
ずばっとものを言う常連さんとの会話も、
ギャグを交えながら話をしてくれる大将も、
ぜーんぶが心地良くて
ああ自分はこういう時間を過ごすのが好きだったんだなあと改めて思った。



友達とイベントに行ってわーい!ってやるのも好きだったけど、
20代も後半で早くも体力がなくなってきたし、
徐々に大人の楽しみ方にシフトしていきたいなと感じるこの頃です。

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