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【靴のカスタマイズ】ジョン・ロブに穴飾りを【John Lobb】

Can you add a medallion on my John Lobb oxford?

ある日のこと。僕の靴修理工房 The Asakusa CobblerのFacebookページを通じて、修理の問い合わせメッセージがあった。海外から。
「Can you add a medallion on my John Lobb oxford?」
二度見した。
Google翻訳:ジョンロブのオックスフォードにメダリオンを追加してもらえますか?

たぶんできると思うけれど、まずは靴を見せてもらいたい。
英語ができないことへのお詫びと、翻訳サービスを利用しての対応になること。
以上の内容で返信した(Google翻訳があって本当に良かった)

まもなく届いた写真がこちら。まさかの白だった。かっこいい。このジョン・ロブに、右の茶色の靴のようなメダリオンを追加してほしいということだった。

お客様から送られてきた写真。


発送元は台湾だった

金額と納期をお伝えしてご了承いただき、靴を送ってもらった。受け取って気付いたのだが、発送元は台湾(台南)だった。僕はそれまで台湾はじめアジア圏に旅行をしたこともなかったので、どんなショップがあってどんなものが人気があるのかなどまるでイメージがなかったのだが、送られてきた靴を見て興味が湧き、そして後に、台湾旅行をすることにもなるのだが、それはまた別の話。

お客様からは、片足が出来上がったら写真を見せてほしいというリクエストがあったので、作業中の写真も合わせて数枚送った。

楽しいね。

僕の方からは一点、お客様に確認をした。芯材の色が黒なので、空けた穴が黒く見えること、白く着色することもできるけれど穴の周りに染料がついてしまう可能性があることをお伝えしたところ、そのままで十分、もし穴の色を白にしたくなったら自分でやってみる、という回答だったので、着色はせずに完了となった。

かっこいいね。

それまで、海外から問い合わせはちょこちょこあったが、実際に依頼されたのは本件が初めて。ヒール交換やオールソールなど一般的な修理ではなく、つま先にメダリオンを入れるというカスタマイズで、しかも新品の白いジョン・ロブ。考えてみると、勇気が要るオーダーだと思うんだけど、お客様の要望は明確だったので、とんとん拍子に話は進み、あとはもうシンプルに仕事をしていくだけだった。どきどき、わくわくしながら。そして、これはいつも思うことだけれど、大事な靴を僕に預けてくれることを、本当に嬉しく感じる。

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