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SPEAK LOW

「東京嫌い」のマガジンに関して夏からずっと林伸次さん、ふみぐら社さんと何度かZOOMミーティングをやってきた。いよいよスタートとなった時、やっぱり顔を付き合わあせて最後の調整と確認をやりたい。3人ともそれなりに忙しい身ながら予定をあわせ「東京嫌い」のミーティングを東京ですることに。あれ?東京嫌いちゃうん?ということはまあ置いといて。

場所はBar Bossa。3人とも飲んじゃうと(特に私と林さんが)グダグダになるので、編集会議はシラフで。その後、奥渋谷と言われる場所をはしごスタイルで案内してもらいました。

「ここ松涛ですよー。日本で一番地価が高いんです」
「ここは○○さんがよく利用する焼き鳥屋ですよー」
「あっちがNHKでこっちがナントカですよー」
まるで旗を持ったガイドさんのごとく引率してくれる林さんにカルガモのように付いていく私(ふみぐらさんは東京詳しい)。

3軒目に行った、ふみぐらさんも書いているビオワイン&ベジタリアンのワインバーでかけていた曲がすごくよくて、ジャケット見たら「LETO」の文字。モーションピクチャーとあるけど、店主の鶴谷さんいわく、ちょうどコロナのころに公開された映画でどうも実写映画。ロシアのバンドの青春映画で70、80年代の音楽が使われているらしい。鶴谷さんたちが作ったサントラの冊子があったのでそれももらってきた。こういうのよ。こういうの。ネットの情報よりも生の情報が行き交うお店最高じゃないですか。

そりゃこういうの地方でもないわけじゃない。けれど違うのは東京ではそのどれもがおそらくネットではなく実店舗で手に取って見ることができて、なんなら映画もすぐに見に行ける環境だと言うこと。そういう文化の洪水みたいなのはやっぱり東京ならでは。そして渋谷っぽい。言うほど渋谷知らんけど。もちろん、料理とワインもおいしかったです。わーい。

途中「NIGHT FRY」と言う店を見つける。看板はまんまドナルド・フェイゲンのあのジャケットで、看板も店名もほんまに「まんまやん!」と心の中で突っ込む。「NIGHT FRY」は名盤です。店はしらんけど。

このお店は前通っただけだけどサイト見ると値段安い!写真に写ってる日本ウィスキーはもうないんじゃないのかな。朝までやってるし若い人多そう。

もうひとつ、ここは完全にコンセプトバーと言うのか、薬局系バー、カクテル超越系バー。蒸留とかオリジナルでできる工房みたいなのが隣接していて、そこでオリジナルでミルクを透明にするとかしてて、各種スパイスでカクテル作るお店で面白かった。お酒を飲むというよりはコンセプトを楽しむ系。トイレに行った時、トップ画像にあるショップカードを見つけたのでてっきりお店の名前とばかり思っていたら、どうも違っていたらしく、裏を見ると上海とある。いや、待てよ。これは本当に実在する店なのか、あるいはコンセプトバーでこういう小物としておいてあるのかも知れない。なにしろ大正の雰囲気が売りになっているお店だ。

とにかく、わたしはこの「SPEAK LOW」という曲が好きで、これはクルト・ワイルの曲。ドイツの歌姫、マレーネ・ディートリッヒの再来とも言われるウテ・レンパーのアルバムに入っている。ジャズでもよく演奏されているようだけど、ここの雰囲気ならやっぱりウテ・レンパーが似合う。

30年くらい前のアルバムかも知れない、と思ったら88年で30年より前じゃないか。当時このアルバムは結構いろんな雑誌で取り上げられていて、話題だった。全体的にもよいアルバム。図らずも今回の奥渋谷探訪は80年代との再会になったようだ。帰りは頭のなかで「スピークローー」と歌いながらその日のお宿、新宿に無事帰り付きました。

ふみぐら社さんのほうがちゃんとレポートしてるので、そちらも御覧ください。

ということで出だしから好評の「東京嫌い」、今日は待望の2日目!まだの方はぜひ!300円の買い切りマガジンです!


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