あっちの世界のにおい
看護の仕事をしていると、いろんなにおいを嗅ぐ。
いい匂いもあるけれど
圧倒的にそうでないもののほうが多い。
今回はそんな話。
前の病院の時ほどではないけれど、今の病院でもがん終末期の患者さんを受け持つことがある。
終末期のがん患者さんって死に近づけば近づくほど、独特のにおいがする。
誤解がないように言っておくと、すべてのがん終末期患者さんからそういうにおいがするわけじゃない。
悪意はないけれど言葉にしようとすると、もう腐敗臭でも体臭でもない悪臭としか言えないような、そんなにおい。
たしかエビデンスがあるはずだけど、noteではそんな話したくない。
世の中、説明のつかないことなんてたくさんある。
動機や理由が、すべての事柄にあるわけじゃない。
話を戻すね。
昨日は胃がんの末期の患者さんの担当で、ひさびさにあのにおいを嗅いだ。
あのにおいは、がんの残酷なところのひとつ。特に、消化器のがんは吐物だったり汚物だったりでそのにおいを間接的に嗅いでしまう。
私は慣れてしまったけど、慣れないまま看護師を続けている同僚もいて、泣きそうになりながらケアにあたっているのが現状だ。
でも、あの独特なにおいにも私は意味があると思っている。
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