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2023.6.13 雑記

先日、ある患者さんと爆笑する機会があった。

いつもの側と反対側からカーテンを開けてベッドサイドに立ったら、その人が大変驚いてしまい「おっおっおっ」って声をもらした。

その声と、もともとの患者さんのビジュアルとがあいまって、わたしはうっかり「ビヨンセみたい」と口を滑らせてしまった。

高齢のその患者さんが、ビヨンセを知らないという目論見のもとで、だ。

その瞬間、患者さんが爆笑した。
ご自身の中でも合点のいく出来事だったらしい。

わたしのほうも笑いが止まらない。

ビヨンセを知らないであろう80代の患者さんがビヨンセを知っており、さっきの自身の姿がビヨンセに似ていると認知している、そのプロセスが滑稽でたまなくなってしまった。

あなた、ビヨンセってww
なんでビヨンセ知ってるのよww

ふたりして5分ほど涙がでるまでヒーヒー笑った。

このあと検温しようと思ったけれど、当然血圧が上がっていることが予想されたので、30分後にまた来ます、それまでに平静に戻っててくださいね、ビヨンセさんとお願いしてその場を離れた。

相手がわからないであろうことを投げかけたら、反対にわかってしまったパターンだった。

この前の大雨のニュースで、わたしだけがわからないという経験をしたので、わかる・わからないに関する話はタイムリーな出来事だった。


先日の大雨、東海道新幹線が全線運転見合わせなんて相当なことだ。
中でも、わたしたち家族の中のホットニュースは、江ノ島水族館のイルカショーをやってる施設の屋根が落ちたこと、だった。

また、藤沢市の新江ノ島水族館ではイルカショーを行う施設の屋根が一部剥がれる被害があったということです。

上記リンクより一部引用

実家を出ているわたしにとっては、正直ふーんという程度のニュースだったのだが、両親の落ち込みようといったらなかった。

しばらくイルカショーないのかしら
早く再開してほしいな
それより、イルカは無事なのかしら

コロナ前は近所すぎるということもあり、江ノ島水族館に行く機会なんて子供たちの遠足のときだけ、なんて方も多かったのではないだろうか。

ほら、東京に住んでる人が東京タワーに登ったことない、的なアレ。

けれども、コロナ禍も重なって、両親は近場で癒されるスポットとして江ノ島水族館によく足を運ぶようになっていた。父なんて年パスまで買って、毎週のようにイルカショーを見ているらしい。

その、イルカショーの屋根が壊れたのだ。
そりゃ、落ち込むのも無理はない。

情報量の多さと文脈の深さが、わたしのそれとは違う。
ただのニュースではなく、自分の生活の延長線上にある出来事なのだ。

わたしも、もし行きつけの居酒屋「いとや」のガラスが割れてしばらく営業停止なんてニュースが出たら、声に出してガーンと言ってしまうだろう。

たかが蒲田のいち居酒屋かもしれないが、わたしの生活の延長線上に絶対的にあるものの一部だから。
わたしの生活に、影響が出ることだから。

具体的な数字や映像よりも、生活に根ざしたスポットがどうだったのかを知ることのほうが、それはたとえば江ノ島水族館に被害が出たかどうかのほうが、都内の人にはピンとこなくても近隣住民にとっては情報がよりクリアに伝わってくる&わかるんだろうなと思った出来事だった。


最近あった、ビヨンセと江ノ島水族館の話でした。

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