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ここにびっくり!ニュージーランドの小学校

息子のクラスの親御さんたちが入っているクラスの公式What’s up グループ(いわゆるライングループ)がざわついた出来事があった。

「ど、どなたか、新しい宿題のやり方分かります・・・?」

一人の勇敢な母親がWhat’s up グループに投稿した。
すると、間もなくして次から次へと

「なんと!私もちょうど混乱してたところなのよー」
やら
「一体なんなのこれは?!」
という投稿で埋まっていく。

そしてたくさんのハテナで溢れ返るチャット画面を見て、夫と私は安堵するのであった。なーんだ、よく分からず困惑していたのは自分たちだけじゃなかったのね、と。

息子が通うニュージーランドの公立小学校では、新しい年になり宿題のあり方を見直したとのこと。
今までは先生からそれぞれの子どもたちのレベルにあった音読用の薄い英語の本を渡されてそれを毎日読むのが宿題だったのだが、今は親の母国語が英語でない子どもも多くなってきた。だから、今までの古いやり方を改めて、もう少し構造化された英語学習を宿題の取り入れます。
とのこと。

しかし、それが今までよりも圧倒的に不可解で親向けに書かれた「宿題インストラクション」を読んでもこれで正しいのか正しくないのか全くわからない。
私と夫は、まあ自分たちが外国人だから分からないだけかなーとこのモヤモヤを自分たちの一部として受け入れようとしていたところだった。が!
もはや息子のクラスレベルの混乱ではなく、全校レベルの混乱のようで、先生たちが特別に宿題のやり方について保護者に説明するセッションを急遽設けることにまで発展した。

いやー、一年ちょっとここで過ごしてもまだまだ色々とびっくりで新鮮なことに溢れてますなー!と興味深いのだが、改めてここ、ニュージーランドの小学校で感じたびっくりポイントをいくつかご紹介しようかと思う。

まず何よりの驚きは教科書がないということだ。
日本では教科書を作る専門の会社があり、そしてそこで作られたものを文科省が審査し、文科省による修正ポイントに対してしっかりと対応して認められてようやく教科書となる。
しかし、息子が通う小学校では教科書がない。
だから私たち保護者は一体どんなことがクラスルームで教えられているのか、全くブラックボックス状態。

よくよく考えれば、私が英国で通った国際バカロレアを教える国際高校も、ほとんど教科書がなかったような記憶がある。ちょっと記憶が曖昧だが、フランス語のクラスだけは毎回使うテキストブックがあったけれど、他の科目は全て先生のオリジナルのプリントと、自分がとったノートが全てだったように思う。
そう考えれば、別に自分が教科書がないことに驚く立場にないかな。

それでも、やっぱり親としては何を子どもが学校で学んでいるんだろう?と気になるわけで・・・
突然、小学校2年生(息子は日本ならまだ年長さんだ!)の息子が、この前40➗2とか10✖️2とか、1/2というコンセプトを勉強したんだーとなんとはなしに言っているのを聞いた時は、やはり心の準備ができていなかった分驚いてしまう。
ついでに、算数と英語と体育以外は科目として何があるのかいまいち分からなかったのだが、2日前には、定期的に中国語ネイティブの先生が来て中国語を勉強しているということを聞き、つい昨日にはマオリの先生が来てマオリの文化や歴史について教えてくれているとも教えてくれた。え?!本当?!

とりあえず我が家では外務省がアレンジしてくれている日本の小学校の教科書を取り寄せて、息子が日本で知るべき内容だけは把握して、適宜親としてサポートしていこうかなと考えている。ホームスクーリングといった一大プロジェクトほどではなく。

他には何より多様性というところで、びっくりしている。

知り合ったお母さんの中には、あまりにも年齢が小さいうちからの早期教育はそのご家庭の理念に合わないから、と色々な学校プログラムを調査して、小学校1年生にはゆるく遊び中心にというプログラムを提供している公立の学校を選んだという人がいた。
え?!そんな風に公立でも違うプログラムがあるの?とびっくりしていると、調べると色々あるんだよーと教えてくれた。

ちなみにその人のお子さんが通う学校は学区外のところの抽選に申し込んで入学が決まったとのこと。こっちの公立小学校は基本的に学区内にいる家庭の子どもは自動的に受け入れるが、定員に余裕があると他の学区からも受け入れる。

他にも在学中にお引越しをして学区から外れた場合にも、直接学校にお願いすれば、そのまま遠くから通うことを許してくれることも多いらしい。
なんだか色々と自由だなー!

多様性という点では、週に1日だけ他の特別プログラムに通うことが許されているというのもびっくりした。
先日、息子がプレイデートをした同じクラスのお友達は、家庭の方針で週に1日は自然の中でのびのび学ぶというオルタナティブ教育を提供している場所に通わせているとのこと。
日本だと毎日行かないとついていけない?とか、色々と不安になってしまうかもだが、マイペースにそれぞれの価値観にあった教育を選ぶ余地が用意されているのは面白いと思う。


他にも書きたいことがあったけれど、長くなってしまいそうなのでまたいつかの機会にでも。
色々とびっくりするポイントをどう捉えるかは人それぞれだと思うのだけど、我が家の息子の年齢的にもそこまで「知識的なもの」に対して神経質になっていないのもあり、総じて私たちはニュージーランドで息子が学ばさせてもらえる機会に感謝・感激の毎日だ。
何よりも、息子自身が学校で勉強したり友達と遊ぶのが大好き!と笑顔いっぱいで教えてくれている。
最近は、息子がいつでも必ずクラスで手を挙げているんだーと教えてくれた。しかも毎回手を元気にあげるのにも関わらず、決して正解が分かっているわけではないらしい。どうやら手を挙げることで、積極的に参加したいという気持ちを意思表明しているようなものらしい。
先生に当てられても答えがわからないことがよくあるけど、そういう時は全く気にせず
「 I don’t know」
と肩をすぼめて終わりとのこと。
なんともあっぱれだ。

子どもは子どもでこのニュージーランドのあり方を受け入れてのびのび楽しんでいる。
親の私たちもリラックスして、分からないことも楽しめばいいんだよね。
まあたまには、クラスのWhat’s up グループにヘルプ!と助けを求めながら。

【車を見に行ったり、「チャイナタウン」に行ってきたり】先日、クラシックカーショーという古い素敵なこだわりの車がわんさか集まっているというイベントに足を運びました。雨がすごい&寒いということで、イベントは全部回りきれないまま、次に「チャイナタウン」に。
今回の動画では、6歳の息子の宿題の様子や、英語の様子、娘もちょこっと英語を話す様子が出ています。ここに来るまで英語をほとんど勉強してこなかったのですが、1年3ヶ月経つとどんな感じになるのかのイメージになれば幸いです!完璧じゃないミスがまだまだ可愛いです:)そのうち私の英語を直されるようになるんだろうなーー https://youtu.be/hICYpPAu3tA


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