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新疆の大都会ウルムチへ 1987.9

新疆ウイグル自治区のオアシス・トルファンには1週間滞在した。旅の目的地の一つがこの町だったので、憧れだった「西域」を十分に満喫できた。ホテルのベッドで1日うだうだ横になっていたので、体調もよくなった。

7日目の朝、長距離バスで新疆ウイグル自治区の省会地(省庁所在地)ウルムチに向かった。距離150キロ。4時間ちょっとの行程だった。1991年版の『地球の歩き方』によるとバス代は7.9元(約300円)。

トルファンは海抜がマイナス154m。一方、ウルムチは標高919mの高原にある。ウルムチは世界で最も内陸に位置し、四方のどの海からも2,300キロ以上離れている。「世界で最も海から遠い都市」としてギネスブックに載っている。

標高は異なるが、ウルムチはトルファンと同じく、年間を通して非常に乾燥しており、雨はほとんど降らない。ステップ気候だ。バスは羊飼いの少年が行く乾燥した平原を走った。

ウルムチはトルファンと違って、ビルが立ち並ぶ都会だった。その優雅な響きの都市名と違い、ほこりっぽく雑多な街だった。漢民族も多い。

ただ、ウルムチの自由市場(社会主義計画経済から改革開放したばかりの1980年代、小規模の商店が並ぶマーケットは「自由市場」と呼ばれた)の規模は、トルファンに比べると桁違いに大きかった。日本で匂ったことのない、さまざまな香辛料が所狭しと売られている市場は面白かった。

長距離バスターミナルから市内バスに乗り換え、ドミトリーのある華僑賓館というホテルを目指した。幸い空き部屋があった。

のどかなトルファンに比べると、ウルムチの騒がしくにぎやかな雰囲気に今ひとつ魅力を感じず、翌朝早く、天山山脈のふもとにある風光明媚な観光地・天池にバスで向かった。

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