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トルファンもう一つの廃墟「交河故城」 1987.8

トルファン郊外の観光名所を巡るツアーでは、2つの都市の廃墟を訪れた。一つはすでに書いた高昌故城、もう一つが今回書く交河故城だ。

廃墟という点では、2つの故城は同じような風景に見えた。交河故城は台地の上にあり、外側が断崖になっているのが特徴。街全体が防御に秀でた城跡のように見える。街全体が細長い葉っぱの形をしていて、葉の外側が河になっている。先端はまさに「河が交わって」いる。

中国でただ一つ残る漢代からの都市遺跡であり、版築で築かれた点で世界最大・最古とされる。

版築(はんちく)とは、土を突いて硬く固め、建物の基礎や土壁を少しずつ高く構築していく工法。この工法は石灰分を大量に含む微粒子が豊富な黄土が堆積している、黄河流域で発展した。中国では堤防や城壁、土塁のほか、家屋、寺院、道路など、あらゆる建築物に版築が用いられた。

ここは紀元前108年~450年の約500年間、オアシス都市国家・車師前国の都だった。その後、高昌国、唐に属し、14世紀には戦火で破棄された。

当時の仏塔が数多く残っていて、仏教を基盤に栄えた往時の様子を垣間見られた。

1987年当時、交河故城は遺跡を囲むフェンスもなく、強い風の吹きさらし。建築物は何の保護もされていなかった。中国最大・最古の都市遺跡だ。現在は政府により、きっと手厚く保護されているだろう。

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