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アメリカ珍旅行記 英語を全く話せない男が一人旅でアメリカに行った話(9)

旅行4日目

この日はなんと予定が入っていた。
実はアメリカ旅行の数週間前に新宿のゴールデン街でロサンゼルス在住のアメリカ人と偶然出会い、この旅行中に会おうという約束と取り付けていた。

僕と10個ほど年の離れている彼はプロのカメラマンとして忙しくしていたようでこの日の為に徹夜で仕事を片付けてくれたようだ。
ダウンタウンに住む彼はサンタモニカにいる僕を車で迎えに来てくれた。

オススメの店があるから一緒に食べに行こう!

彼は僕が英語を話せないことを知っているので日本語で話をしてくれた。
目的の場所に近づくにつれて街並みが閑散としていき到底一人では来れないような、観光地とは程遠い場所に到着した。

そこには一台の移動販売車があり、周りに数人の人だかりができていて結構な人気のお店らしい。
友人に聞くとどうやら本場のメキシコ料理らしい。
僕は友人がオススメしてくれた料理と氷水でキンキンに冷やされているジュースを注文した。
瓶ジュースの蓋はここでは口で開けるのが当たり前との事。
周りの人達が僕に注目する中、僕は豪快に蓋を開けた。
その場は一斉に盛り上がった。まるで阪神タイガースが優勝した時の道頓堀のような盛り上がりだ。アメリカの人達が一気に好きになった。

ほんの数分で店員さんがお皿を手渡してきた。タコやアボカド、その他もろもろの食材をたくさん使ったちょっと良く分からない料理だったが一つ僕にも分かることがある。
絶対に辛い。
料理に掛かった赤いソース。これは絶対に辛いやつだ。

恐る恐る食べてみると、口の中にメキシコが広がった。
激しい痛みと共に広がるメキシコの香り、そして何よりうまい。

最高にうまい!そう言いながら痛みで僕の目からは涙が止まらなかった。

続く


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