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長文、どう書く?

一応、文章を書く仕事をしている。

自社サイトだし、ブログに毛が生えたような…と言えなくもないが、それでお金を貰っているのでライターの端くれと言っても支障はないだろう。

(なおnoteは100%プライベートなんで、いろいろ荒いまま出しています)(そして後から地味に編集している)

なんでこんなことを急に書き出したかといえば、夏休みに娘たちの読書感想文を見ていて、文章の書き方をうまく説明できなかったからだ。

そんなわけで、良し悪しはさておき、ライティング仕事の時の自分の文章の書き方をおさらいしておく。

テーマ決め

まず、何について書くか、である。

自社サイトを立ち上げた時点でおおよそのテーマは決まっていたわけだが、その中でも旬だったりバランス的に欠けていたり需要が多そうだったりする話題を選ぶ。

SEOサイトなので、あれやこれやの分析ツールを見るのは大原則。

自分が発注側のときは特に気を遣って見る…んだが、自分が執筆担当するときはいろいろぶっちぎりがちな件については後述する。

構成決め

次に、文章の構成を決める。

興味を引けて、読めば有益で、かつ破綻のない文章として成立するキーワードはどれか。

テーマに沿った検索上位ワードとそのサジェストワードをピックアップするところから始まる。

記事作成のキモ

いまの会社に入って、最初の1年はここを徹底的にチェックする側。その際、「構成に気を付けて」と繰り返し言われてきた。

至る現在、やはりこの構成決めが肝だなと実感している。

先日参加したSEOセミナーの講師も、文章力より構成力があるライターの方が強い、と言っていた。

でも、構成のしっかりした面白い記事を上げてくる同僚たちが、それぞれどうやっているのかわからないのもまた、このフェーズだったりする。

ちなみに、私は構成を決めるときにExcelがないと困るのだが、同僚たちは「Excelなんて滅多に使わないよ!」と常々言っているので、たぶん使っていないのだろう。

Excelラバーの使い方

私が構成決めにExcelを使うのは、
・インデント(字下げ)がしやすい
・フィルターを使いたい
の2点に拠る。

特にフィルターは、私的には必須。
これを使わずしてできる気がしない。

起承転結や話題の繋がり・ボリュームや話のレベルなど、パズル的にガツガツ組み替えながら決めていく。

  • h2だけ読んでも話の流れが見えるか

  • h3のレベルが揃っているか

  • 他のh2以下のh3と話の細かさに差がないか

  • hタグだけを目次化した時にストーリーが見えるか

…などは、ここである程度調整しておかないと収拾がつかなくなる。

Wordでも見出し設定すればできるけど、余計なことばっかしやがるからWord嫌いなんよね…外注するとWordで納品されることが多いから渋々触っている。

「対比」と「バランス」

ざっと構成を組んだ後で気にするのは、話題のバランス。

メリットを述べたらデメリットを。
こっちの話題でここまで触れてるなら、こちらでも同じレベルまで。
それができないなら、先の話題のレベルを下げる。

こんな風に、自分が話題のバランスをすごく気にするタチなのは、外部ライターさんの記事を読みまくる中で知った。

バランスが悪いと、流れも悪い。
流れが悪い文章は、すごく、気持ち悪いのだ。

感覚的すぎて自分でもどうかと思ったけど、「気持ち悪いんで直してください」では修正依頼として成立しないので、その気持ち悪さを必死で追うしかない。

ゆえに、最初の半年くらいはかなりしんどかった思い出。

SEとライターの意外な共通点

と、こんな感じで構成を決めているわけだが、今回書きながら気づいてしまった。

あ、これ設計だわ。
システムの外部設計じゃん。

冒頭のリード文は開始処理、本文がメイン処理でまとめは終了処理。

そんで、本文内の各話題(見出し)をオブジェクトみたいに捉えてるんだなー、私。

そりゃ、流れが途切れるの気になるよね。
処理止まるもんね。

それすなわちバグ。

バランスが気になるのも、引数変えて同じ処理を呼んでるような感覚なのかも。

こんなとこにもSE引きずってんのかよとゾワッとするのは否めないが、ライティングもまた自分の経歴を活かせる仕事だったんだなと目が覚めるような思いである。

執筆

構成が決まれば、いよいよ執筆開始。

書く順番

本文から書き始めることが多いが、特に決めてるわけではない。

本文の中でも、最初から順に書くこともあれば、とりあえず書きやすそうなところから手をつけることもある。

タイムリーなニュースがあれば、ネタが豊富なうちに書いてしまった方が良かったりするので。

あとは、私は引用厨の気があり、とにかく文献に当たりまくるので、読んだものがあっちの話題にもこっちの話題にも使えそうなら並行して書いていく。

引用好きだからと言って、ライターの私見を述べることが悪いとは思っていない。
ただ、公的なあるいは一次的な情報なのか、もしくは私見なのかは、はっきり分ける必要がある。

私見が求められている媒体かどうかも大きい。

署名もなしに会社として出してる文章にゴリゴリの私見を書いてどうする。
Geocitiesへお帰り…(cv:ナウシカ)

ここがごっちゃになっている…どころか、私見も情報もない記事って案外多いんだけどね。

再構成という迷路、あるいは迷走

そんな執筆中、構成時には思いもよらなかった方向に展開の余地があると気づいてしまうことがある。

構成をぶっちぎりそうになるのはこんな時だ。

SEOを意識してるけど、その裏のニーズを拾うものまた大切だから。

ここからは己との戦いである。

書きたい、けど、これ書いたらバランスが悪くなる、ならばこっちの話題も足すか、あるいはこれの話題を先にする必要が…?などなど、葛藤と検討を繰り返す。

このゾーンに入ると、長い。
当然、文章も長くなる。

文章が長すぎると把握しづらくなり、迷走もしやすくなる。
そして業後に読み返して頭を抱える。
そんなことを繰り返し、なかなか抜け出せない。

締切のない執筆が許されるからこそできる贅沢ではあるのだが。

実は、いまちょうどこのゾーンである。
出口は見えている状態、と信じているところ。(遠い目)

装飾

現状は一旦棚に上げて、装飾のことを。

web上で文章を読みやすくするために、太字にしたり罫線を引いたり四角で囲んだり、画像を挿入したりする作業を指す。

本来は文章を完成させてからやる。のだと思う。外注記事は、ワード入稿→社内で装飾しているし。

でも、自分の記事の場合は、装飾を入れながら書く。
特に、記事内のリンクは入れながらじゃないと気持ち悪い。

ハイ出た「気持ち悪い」。

もう自分で言っちゃう。

SEとライターの意外な共通点2

勘の良い方もしくは業界の方ならお分かりでしょう。

記事装飾は内部設計に通ず。

上から下への流れ、ではない流れ。
一部を詳しく知りたい人のための動線。
意味のある読み飛ばし。

どこでループ抜ける?どの処理まで飛ばす?ってやつですね。エラーに投げてやろうか(惑乱)

自問自答で申し訳ないが、そういうことだったのかと心底納得しています。

我ながら記事内リンクが多い自覚はあったんだよ…

まぁ、これができるのはWebライティングだからなんですけどね。

検収

なんとかかんとか書きあがったら、一度文章校正ツールを通す。

校正ツールの有難みとギブミー語彙力

あまり誤字は拾ってくれないけど、この表現は平仮名に開いた方がおすすめだとか、1文が長すぎるだとか、同じ文末表現が続いていてリズムが悪いとか、そういうところを確認できるのは助かる。

私は、文章も長いが1文も長くなりがちなので、意識して文を分割するのもこのフェーズ。

文を短くすると、文末表現と接続詞に苦しむ羽目になるんだけどね…
語彙力って、単語レベルだけでなくこういうところでも問われるなとしみじみ思う。

うちのサイトで「しかるのちに」とか使ったらさすがにまずいしな。

第三者による最終チェック

という感じで、まぁ自分でもこんなもんかなというところまで仕上げたら、同僚や上司に確認してもらう。

さんざん確認したつもりなのにアホみたいなミスをしていて大変恥ずかしい思いをすることもあるし、自分的に気に入っているところが反応イマイチでちょっとモヤっとすることもある。

けど、いまの同僚たちのことは信頼しているので、なるべく素直に聞く。でもたまにスルーもするのは内緒。

上司の確認は必須ではないが、「記事の価値」的な目線からの意見を聞けるので、いつも敢えて確認をお願いしている。

魅力的な文章ってなんだろな

そして全世界に大公開となり、これまた分析ツールを使ってその後もいろいろ調整はしていくわけだが、その後の話は置いておく。

いま現在、仕事上差しさわりのない程度のクオリティの記事は書けていると思う。
1年前2年前の記事を読むと変な声出るけど。

でも、とても独立してやっていけるほどではないとも思っている。(したいかはともかく)

もっと魅力的な文章を書きたいなぁ。

これが当面の課題。

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