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とらんぽりんを閉めようと思った時期

2020年、想像もできていなかった疫病の流行。
テレビでは自分が仕事にしてやっている場所に「行くのを控えろ」という時代がはじまった。その字面を見るたびに心がすり減ったのを覚えている。

営業もしていはいけないと言われる中、僕はお客さんの紹介でバイトをはじめた。悪い方悪い方に考えてしまう癖のある僕にとってバイトとはいえ仕事があるはとてもありがたかった。

最初はこれでやっていけるかと思う給付金で食い繋いでいく中、じょじょにこの金額ならやっていけるかという金額になると「飲食店はもらいすぎだ」「正直羨ましい」というような事をSNSで言われ出した。生活保護ってこういう気持ちなのかなと思うようになった。それから給付金をもらわず営業をする時期も増えた。これは意地なんだろうか?と思うようになった。

お客さんは優しかった。お店を開けると来てくれて「絶対とらんぽりんは潰させないから」と言ってくれる人もいた。嬉しかった。

それと同時に、自分はそれでもお店を続けたいか?と思うようにもなった。

おこがましくも、とらんぽりんがあって良かったねと思う人も何人かいる。
この場所で色々な縁や色々な思い出を作った人もいる。


2021年、そう思えてる人が、ふわっと死んでしまった。

トッキーの為にもとらんぽりんは続けなければいけない、なんて多分変に躁状態になっていた僕は思ってた。これは意地なんだろうか?とまた思った。

とらんぽりんは5周年を迎えた。派手なイベントはできなかったけれども、お祝いをしてくれる人も沢山いて、嬉しかった。


2022年、税金で一気にお金はなくなった。
コロナも落ち着いてきたけれど戻ってこないお客さんもいた。これは僕の責任だと思う。お店を続ければ続けるほど赤字になるという時期もあった。
それでもお店を続けるのは意地なんだろうか?とまた思った。

そんなネガティブな自分に周りは優しく持ち上げてくれた。

「とらんぽりん」を続けるべきなのか。と
「とらんぽりん」を辞めた後を想像できるのか。と
「とらんぽりん」を閉める決断をできるのか。と葛藤も沢山した。

24歳のカメラマンが来た年でもあった。未だに常連で居てくれてる。



2023年、疫病に振り回される事は減った。
久々に来てくれるお客さんも増えた。

とらんぽりんでプロポーズして結婚した夫婦の披露宴にも行けた。
とらんぽりんを閉めるのはこの夫婦のプロポーズの場所をなくしてしまうという結構な圧、を感じて、これは僕にとってとても良かった。

ポッドキャストという新しいジャンルに手を出してみた。

少しでもお客さんが増えて欲しいという思惑ではじめた所もあった。
実際はじめてから「とらんぽりん」を知らなかったポッドキャスターさんやポッドキャストのリスナーさんが来てくれることが増えた。
はじめてから、ポッドキャストという媒体がこんなに盛り上がっているのだと知った、し、知らなかった面白い番組、考えされられる番組、素敵な人たちを知った。そしてどんどんとのめり込んでいった。いい趣味ができた。

おかげで編集に追われてジムに行く機会が減ってリバウンドした、悲しみ。

最近来てくれるようになった23才の女の子はとらんぽりんの事を「実家」と呼んでくれている。そういう出会いも続けないとなかったんだなぁと思う。
こんな当たり前な事に気づかせてもらえる日々でもある。

今このnoteを書いている自分は「とらんぽりん」を閉めようなんて思っていない。でも、そう思ってしまった時期が確実にあった。
それを残しておきたくて、このnoteを書きました。

最新回の僕のポッドキャスト番組「とらえろ!in the sky」でも話した。
ポッドキャストの相方「みえin the sky」はしっかり聴いてくれた。
感謝。 #とらスカ


色々書きましたが、最後になにが言いたいかというと、
これからもKouenji Cafe&Barとらんぽりんをよろしくお願いします!


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