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【#5】シン・ゴジラ

「労働なんかしないで 映画鑑賞だけで生きたい」のコーナーでは私が行き当たりばったりで視聴した映画について書いた小感記事です。

今回は2016年7月29日に公開された『シン・ゴジラ』について書いていく。

轟音は始まりの合図。
東京湾羽田沖で大量の水蒸気が噴出し、東京湾アクアラインでトンネル崩落事故が発生
避難する際の映像のカメラのアングルであったりとリアルさがすごく出て、開始4分足らずで作品に惹き込まれ始めた。
発生前の一隻の船を調べるシーンでは何かを占めているかのようにも見えた。
↑庵野さんらしいことしてくるなと思った。

総理、閣僚たちによる緊急会議。
自然現象を疑うが、生物という事はありえないと認めない。
しかし、主人公・矢口蘭堂だけは違った。
 生物なのではないかと型にはまらない考えを序盤から見せていた。
インターネットの情報にも耳を傾ける所からも、官僚のお堅いイメージを少し崩すような存在でもあって好感が持てる。

いざ巨大生物だと分かると、地震や台風などの自然災害とは違うのでどこもかしこもてんやわんや。
駆除と言ってもすぐにOKとはできなかったり、検討が必要となりなかなか事が進まない。
もし、今の日本でこのような事が起こったら我が国の総理、検討師はどのような決断を下すのだろう。
なにかと現実と結び付けたくなるところもこの映画の良い所なのかなと思う。
戦後初の武力行使命令。
いざ撃とうとなっても、国民の命が大事。
冷酷ではない部分には人間味を感じる。

上陸して姿があらわとなったゴジラ。
モゴモゴと芋虫の様に動く姿は一瞬違う怪獣かと思ってしまった。
そんなモゴモゴと目がぎょろっとしているゴジラにジワるものがあった。
ゴジラも徐々に二足歩行になり、進化をする姿を見られた。
携帯変化に関しては、ドラゴンボールのフリーザやセルの時の様な悪い存在ではあるがワクワク感を与えてくる。
ゴジラはどんな生物なのか分かりやすく伝えているので、ゴジラ初見でも全然見れる陽になっている。
根源からも遠回しに戦争はアカンとメッセージ性のようなものも私は感じる。
と同時に人間は愚かだなと改めて思わされる。

ゴジラの出現により、巨大不明生物統合対策本部が設けられる。
矢口が副本部長で、彼の型にハマらないが反映されている。
それもあり、メンバーは変わりものが多い。
ゴジラの体液のサンプルのほとんどを米国に持っていかれたりなど、国の強さからもリアルだなと思う。
矢口はパタースン特使とある条件で情報交換をする事になり、序盤の一隻の船がここで結びついてくる展開も良かった。
パタースン特使を演じるのは石原さとみさんで上手く演じられていて印象に残るキャラとなっていた。
ウィン、ウィンと言っていたシーンが頭に残る。
そもそもこの映画はみな早口で話している気がする。
わざとではなく、賢い方は伝えたい情報量が多く早口になりやすいやーつかと思われる。
それもあってか臨場感は増している。
それ以外にも使われている音で昔のゴジラが好きだった人やエヴァが好きな人への細かい所の作りに余念がない。
特撮好きな庵野のこだわり、やっぱり好きです。
ゴジラへのリスペクトのようなものも感じるね。

この国はまだまだやれる。
1万6千発の機関砲でも傷一つつかず。
武器の無制限使用の許可が出て、ミサイル打てども効かず。
米国に協力により、いけるかと思いきや、まさかのゴジラのリアクションに瞬きをするのを忘れてしまった。
火に油を注ぐという言葉が浮かび、紫の光は神秘的であると同時に終わりを告げる光にも感じた。

政府の機能不全でこの国はもう終わり。
しかし、光を失っていないのが矢口。
パタースン特使の話を聞いた後の、矢口の「戦後は続くよどこまでも」の言葉には響いてくる。
多国籍軍プランか矢口プラン。
どっちなんだいと究極の選択迫られる中で、矢口たちの活動に光が見える「ヤシオリ作戦」は熱いものがあった。
熱くなれたのも人徳がなす業であった。
多くの犠牲者を出したが矢口の選んだ道は過去から学んだ、今だからこそ必要なもの。
最後までブレない矢口の芯の強さはカッコいいものがあった。
最後に映っていた尻尾からは「犠牲者」もだが、ゴジラという存在はなんなのかを深く考えさせるメッセージを感じた。
久々にアニメ映画以外の邦画で当たりを引いた感じがして見て良かった。

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