週末になれば「あなたのためにご用意」されたプランにしたがって旅行に行き、ショッピングモールに行き、「あなたの趣味」でもって大量生産品の流行品を選ぶ。スタバの新作フラペチーノで飢えを癒すがいい。春は桜、夏になればマンゴー、ハロウィンはパンプキンでクリスマスは、、、。そうだ、そうして疲れを癒して幸せな生活を送り、次の仕事にも励めばいい。愉しいことだ。そしてまた流行りの自己啓発本を読めばいい。今度はこのような手法でマネジメントすればよい、自己管理。時間管理。ストレス管理。一時的に掻き立てられて、絶頂を迎えながらきみは労働に励む。今度はこの手法で企画を進めてみよう。新しい手法だし、どこかの成功者がのたまっているのだからこれで間違いない、と確認する必要さえない。ウィンドウショッピング中に何度か見たジャケットなら、いや、「見る」未満でどこかカバンや服の裾が触れる程度に出会ったものならば、そして友人との会話やどこかのオンラインサロンで、Facebookで誰かが読んだのを見つけたならもう占めたものだ。これこそ新しい、次のやり方だ！　対話について学びたければ、本屋で一番表に面しているところから何冊か物色すれば見つかるさ。対話、対話と口うるさく言っている人間こそが対話の困難な人間であり、「　　　　が好きだ」というと、それはとっかえひっかえの頻度をしか指さない。何に必死なのか。愛ではないだろう。そして快楽でもないだろう。義務か。もはや義務とまでは意識されないレベルまで慣れきってしまった鎖か。調教された犬であり、権力が命じるよりも先に平伏する奴隷であり、使いっぱしりであり、己の欲望をもう聞き取ることができないほどに弱った、葦の姿。考えも、抗いもしない、葦の姿。笑止。様式化された口吻。空虚に圧し潰されて、哄笑、、、。

（20221014）