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我闘雲舞が見世物になった日

2019.9.7 23:00から翌5:00までオールナイトにて開催された現代の見世物小屋サディスティックサーカス。発表があったのは大分前(覚えてない)でチケット発売は三ヶ月前。発表の時点で行くと決めてたのでチケット発売開始時間に速攻で取った。この手のイベントは売り切れると思ってたから。

プロレスファンじゃない人達が集まる場所でプロレスをやる事。これは意外と無い機会なので、こういうものは出来るだけ行くようにしている。自分が応援しているものが知らない人達に届く。これって凄く嬉しい事だし気持ちいい。と、共にそういう人達に届かせる為に何をするんだろう?そんな好奇心もあるんだと思う。

いつもと勝手の違う新宿FACE。まずリングにロープが無い。四方に細い鉄柱が四本立っているのみ。東西南北ぎっちりと埋め尽くされた観客。皆世界のサイドショーを楽しみにやってきた人達だ。

パフォーマーはペインソリューションやコントーション、緊縛ショー、狂ったミュージカル、セクシーなダンスショー、ダークコメディ、怪談等様々だ。

22:00開場で入場には身分証明書が必要となる。このイベントが18歳未満は入場不可だからだ。身分証明書を持ってきておらず中に入れない人もいた。

開場前から行列となったFACE。プロレスとは全く違った客層。会場内ではボンテージとTバックの女性が案内をしている。会場にはあちこちサーカス風の布が飾られており、サーカスのテントを模した装飾になっている。さらに照明も相まってサイドショーの怪しさをも醸し出していた。会場の雰囲気はかなり良い。ただいつものプロレスの雰囲気は無い。

なぜかそわそわしてレモンサワーを開演前に一気に飲み干してしまった。一組目からパフォーマンスが始まっていく。我闘雲舞は七組目だ。六組目まで終わったところで休憩。ここまでパフォーマーは一言も発さないものばかり。全てパフォーマンスだけで魅せている。中でもダークコメディのダーティーブラザーズの雰囲気は素晴らしく、前のめりで魅入ってしまった。

休憩中希月あおいさんがリングサイドに現れた。どうやらレフェリーのようだ。なぜだかすごくドキドキして緊張する。そして休憩が明けMCから呼び込み「世界一小さいプロレス常設会場市ヶ谷チョコレート広場を主戦場に活動する我闘雲舞」うろ覚えだけど、こんな感じだったと思う。

特にプロレスのルール等の説明は無くいきなり入場が始まる。まず、さくらさんのテーマ曲が鳴り響く。先頭には駿河メイがいつも通り羽根をなびかせ入場。その後ろにさくらさん。入場はいつも通りリングを一周してからのメイジャンプ。さくらさんお決まりのポーズからガウンを放り投げる。次にトロピカワイルド入場。アジアドリームタッグチャンピオンとしてコールされる。ゆなもんもいつも通りトロピカルヤッホー、SAKIさんはズ!全ていつも通りだった。声援は自分入れたガトームーバーの三人のみ(笑)

そして試合開始のゴング。先発はメイ、ゆなもん。ボディシザースからダイヤル固めで頬杖。ダイヤル固めで歓声が上がる。頬杖フォールで会場から「かわいー」の声と笑い声。掴みはOKだ。さくらさんのロメロでさらに歓声があがる。そこへメイちゃんの頬杖でかわいさに追い打ちをかける。

ここまでどのパフォーマーも静かに見守るようなものだったので、パフォーマンス中に会場が盛り上がるようなことはほぼ無かったが、試合が進むに連れて次第に観客も盛り上がっていった。

メイちゃんのエルボー、さくらさんのチョップ、ゆなもんのボディプレス、SAKIさんのジャイアントスイングでどよめく場内。我闘雲舞お得意のスピード感あふれる攻防。リングなのに市ヶ谷のマットでやっているかのような動き。

そんな中、メイちゃんが突如コーナーポスト最上段に登った。今までコーナーポストからの攻撃というのはやったことが無かったので驚いた。鉄柱のみで、コーナーパット等が無いため足場がほとんど無い中、絶妙なバランスでまっすぐに立つ。繰り出した技はダイビングボディアタック!会場から巻き起こる歓声。ゆなもんとSAKIさんをきれいになぎ倒した。駿河メイというレスラーは成長を見事に可視化する選手である。それは数値では計り知れないもの。定量的な数値の上昇による成長等ではなく、定性的な部分での成長が見て取れる。

試合結果はゆなもんがメイちゃんからフォールを奪い勝利。退場していく四人に惜しみない拍手が送られた。試合後チラホラと「盛り上がったね」「プロレス良かったね」という声がまわりから聞こえる。試合中も最初はほぼ無かった拍手や声援も聞こえるようになった。信じられないと思うけどさくらさんのwe will rock youも少しだけだけど歌ってた(笑)これを感じたくて来たのだ。見事にそれを感じさせてくれた我闘雲舞にはスタンディングオベーションを心の中で送った(笑)

我闘雲舞の前まで完全にサディスティックサーカス色だった場内が、一気に市ヶ谷の色に染まった。何色かは知らない。多分薄いグレーとか(笑)あの瞬間だけは雰囲気を呑み返した瞬間だったと思う。プロレスの持つ力、我闘雲舞の持つパフォーマンス、さくらえみのプロデュース力、SAKIさんのパワフルさ、ゆなもんの説得力、駿河メイの輝き、そのどれもがハマった素晴らしい戦いだった。

試合における両チームの戦いもそうだが、我闘雲舞vsその他パフォーマーという戦いにも見事に勝利したと思う。

とはいえ、これでサディスティックサーカスで観て来ましたという人が、市ヶ谷の前説時に、現れるかというときっとそんなに現実は甘くない。

それでも、少なくとも自分の胸には我闘雲舞の凄さ、駿河メイの成長やハートの強さがより分かって、惚れなおしたのは間違いない。やいのやいの言ってた新人さん達もひとまずは長い目で観ようと思う。先日の市ヶ谷でも、新人に合わせて、パートナーや相手が引っ張られて試合の質が下がっちゃうのがもったいないなぁと感じはするけど、ま、しょうがない。新人だし。がんばれよって思うようにする。やっぱり我闘雲舞好きだし…

この貴重な空間を共有できたことが本当に嬉しい。また来年も同じような機会があれば、ぜひ色んな人に観てもらいたいと思う。

見世物として現れた我闘雲舞は、世界に誇れる極上のエンターテイメント集団であり最高のプロレス団体だったってこと。それをみんなに伝えたい。

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