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ドラマ「舟を編む」

原作も映画も好きな作品のドラマが始まった。

原作は三浦しをん。

この文庫を持っている。
手元にあるのは読み過ぎてボロボロなので、Amazonを貼らせていただく。

ドラマの主人公は岸辺みどり(池田エライザ)。
女性ファッション誌編集部から突然、辞書編集部へ異動になった。
「辞書とか、興味ないんで」のみどりが、不本意ながらも辞書づくりに携わっていくストーリー。
編集部には馬締光也まじめみつや(野田洋次郎)を筆頭に個性豊かな面々が集う。

ざっくりな紹介

本ドラマは、第一話(2024.2/18)が放送されたばかり。
原作と照らし合わせてみると、ドラマならではのオリジナルな場面も入っている。

原作『舟を編む』は、主人公を馬締光也として読む方が多いと推測する。(馬締の視点で物語が進むため)

物語の途中から登場するみどりを主人公にして描くとわかってから、ドラマへの期待がより高まった。

俳優の松田龍平さんが馬締光也を演じた『舟を編む』の映画も、とてもよかった。
映画では、黒木華さんが岸辺みどりを演じていた。


まずはエライザである。
偉そうに……エライザさん、すみません。

エライザさんと言えば、auの三太郎CMの人、という認識だった。

かわいいし、モデルさんなのだろうなぁという印象しかなかった。

初回を観終わり
「エライザ、私、あなたを分かってなかった、ごめんなさい!」だった。

ドラマ『舟を編む』の彼女は、すごくいい。
ものすごくいい。
彼女をキャスティングした人、ナイスー!
大河ドラマ『光る君へ』のファーストサマーウイカ清少納言くらいハマっていると思う。

映画の黒木華さんのイメージで固まっていたみどりが、また違う、別のみどりを魅せてくれている。

元読者モデルでファッション誌編集部にいた設定だからか、みどりエライザさんが着ている洋服がとても可愛い。

服装のみならず、彼女のお芝居が想像を超えていて、クセありの俳優陣との場面でも伸びやか。
渡辺真起子さん、岩松了さん、柴田恭平さんとの会食シーンもよかった。
矢本悠馬さんとの今後は、期待に胸が高鳴る。

第一話で、みどりの辞書づくりに向き合う気持ちが大きく変わるところがある。
そこはドラマのオリジナルで、情景も美しく、録画したものを何回も観てしまった。


そして、野田洋次郎さん。
私には『前前前世』の人。


RADWIMPSラッドウィンプスのボーカル、ギター、ピアノ。

NHK朝ドラ『エール』にも出演されていたと記憶している。

馬締光也は、外見で言えば、つくりやすいキャラクターなのではないかと思っている。

服装にも無頓着で、辞書づくりに全てを捧げている風変わりな編集者。
ボサボサ頭にメガネ、気になることはすぐにメモをとる。

表面的なものは簡単であっても、馬締光也の中身を表現するのは難しいのではないかと思う。

馬締の台詞は、淡々としている。
いかにも言葉が大好きな、丁寧に折り重ねるように言葉を使う人だと感じる。

初回を観て、野田さんにはそれがあると思った。
映画版の松田さんもそう。

以下、印象深かった登場人物らの台詞を書き抜いてみた。

異動してきたみどりの歓迎会。辞書編集部全員が集う。
「つくりたいと思ったことないです、辞書なんて」と発言するみどり。メンバーのひとり(前田旺志郎さん)が「この人たちの前で辞書を馬鹿にするな」と激昂し、部屋を出ていってしまう。

「私、馬鹿になんてしてるつもりホントになくて……でも思われちゃうんです。何故か、そう思わせちゃう、何か悪い言葉を使ってしまっているんだと思います……無意識に」

ドラマ『舟を編む』第一話、みどりの台詞

「不思議ですよね、言葉って。どんなに尽くしても何一つ伝わらないこともあれば、たった一つの言葉で千も万も伝えられることもある。まったく意図していないことを、言葉が勝手に伝えてしまうこともある。でも岸辺さん、この世に悪い言葉は存在しませんよ」

ドラマ『舟を編む』第一話、馬締の台詞

この場には、長年監修として携わってきた国語学者の松本先生(柴田恭平さん)がいて、先生もまた、しみじみとみどりに語りかける。

「辞書は言葉の海を渡る舟だと。人は辞書という舟に乗り、暗い海面に浮かびながら小さな光を集める。最もふさわしい言葉で正確に、思いを誰かに届けるために」

ドラマ『舟を編む』第一話、松本先生の台詞



彼らがつくる辞書の名前は「大渡海だいとかい」という。秀逸!

舟を編む、なによりもこのタイトルが好きである。
大海原へ漕ぎ出した舟の行方を見守りたい。

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