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共同親権に反対する理由

こちらの手記は、2月26日の院内集会でも発表されました。


アメリカでシングルマザーをしている尾崎翠と申します。明日少女隊というフェミニストグループの発起人です。共同親権に反対します。

父親とコミュニケーションが取れず、明らかに虐待やモラハラ(精神的DV)がある場合でも共同親権が認められ、困り果てている母子をたくさんみてきました。平和に離婚できるカップルは共同親権がなくても同意の上で一緒に育児できます。精神的DVをする父親は、これまで全く子供を世話したことがなく、養育できる能力がないにもかかわらず、母子への支配や嫌がらせのために子供との時間、つまり親権を訴え、裁判を起こすことが多くあります。そのような状況で、共同親権の法律にのっとり精神的DVをする父親と親権が50%ずつになった友人が何人もいます。そのようなケースでは私が直接知っている範囲でも、父親のところに子供がいる間に体重が減ったり、父親のところから帰ってくると子供が情緒不安定になったりしている話を聞いています。セラピーが一般に浸透しており、フェミニズムや精神的DVの認知も日本よりあるアメリカでもこの状況です。

昨年は、私のニューヨークに住む友人が精神的・経済的なDVをする夫と離婚することになりました。その父親は子育ての能力がないため、母親である友人は100%親権を得ようとようとしましたが、これまで全く育児をしてこなかった夫がおかしないちゃもんをつけて親権を求める裁判を起こしました。訴えられた友人はお金も弁護士費用でどんどんなくなり、貯金が底をつき大変なリーガルハラスメントに遭いました。ただ、最終的に裁判官がその経過のドキュメントを一目見て、精神的・経済的DVとピンときたようで、一言「母親に親権100%」をと言い裁判が終わりました。

このケースでは、DVをする父親でなく、母親に親権が100%認められ、不幸中の幸いでしたが、アメリカでも精神的なDVに理解のある裁判官はとても少ないと言われています。日本では、精神的なDVを見抜き、配慮できる裁判官がどれほどいるでしょうか。

このようなアメリカの現状をみるにつけ、日本での共同親権の導入は時期尚早であると考えます。

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