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Breakfast King Tea(ブレックファスト キング)―クセの強さ、過去1番の王様

 紅茶ブランドのTWGには、細長い専用の缶に入れて売られている茶葉が存在する。今まで取り上げた中だと、看板商品の1837 Bkack Tea(1837 ブラック ティー)や、華やかでミルクティーにもぴったりなHaute Couture Tea(オート クチュール ティー)、最近なら前回取り上げたAfrican Ball Tea(アフリカン ボール ティー)もその中に入る。人気の茶葉が多い印象なので、TWGとしておすすめしたいお茶がこのタイプの缶に入っているのだろうと推測している。
 記事にした茶葉も増えてきたが、同じように細長い缶に入っている紅茶でも、まだ取り上げていなかった物もある。今回は、その1つだったBreakfast King Teaを紹介する。

 前述の通り缶の形状から選択したため、どのような紅茶なのか説明を読まずに購入した。袋を開けてみると茶葉は細かい方で、香りは少し烏龍茶にも似ているように感じられるが、若干漢方のような香りがする。今までも中国茶とのブレンドを味わったこともあるため、そういった茶葉と似ているのだろうと考えながら、紅茶を淹れて一口飲んでみた。
 確かに紅茶なのだが、やはりと言うべきか漢方のような味がする。クコの実やナツメヤシのような甘い物ではない、もう少し葛根湯等に入ってそうなイメージのある植物だ。説明を読んでみると、高麗人参が入っているとのことで、漢方だと感じた部分はこれが関係あるようだ。断っておくと、美味しくない訳ではない。ただ、非常に個性的なのは間違いないのだ。恐らく、今までで1番主張が強い。
 飲み方としては、ストレートが良いと推測する。あまりに主張の強い紅茶ということもあり、他の方法を試す勇気すら出ていないのが実情だ。もしかすると、ナツメヤシやクコの実を入れることなら可能かもしれないが、その場合もストレートで味を確かめてからをおすすめする。

 ペアリングに関しては色々と試したのだが、なかなか良いと思えるものが見つからず、正直非常に困った。食事系にしてもデザート系にしても、紅茶が勝ってしまって、良い組み合わせと言えないものばかりだったのだ。ただ、いくつもトライしたことにより、ようやく傾向が見えてきた。
 食事系に関しては、燻製が持つスモーキーフレーバーを取り入れるとまとまりやすい。また、パンチのある味わいも必須で、大人しいと紅茶に負けてしまう。具体的にはホットドッグのような料理がおすすめだ。個人的には、スモークサーモンのエッグベネディクトとの相性が良かった。仕上げにかけるオランデーズソースにも燻製マヨネーズを使用したところ、一層燻製の香が強くなり、紅茶とバランスの取れる味わいになった印象だ。濃厚な料理に、強い紅茶で、充実感たっぷりの食事になった。前述の通りBreakfast King Teaはクセがあるため、紅茶が負ける心配はない。遠慮なくパンチのある料理との組み合わせを楽しんで欲しい。
 スイーツの場合も料理と似ており、キャラメルのような香ばしい味とは親和性が高いと分かった。合わせた中では、パン屋で購入したラスクが良かった。食べた印象ではシンプルにバターと砂糖だけを使っていると思うが、しっかりと焼いていることもあり、キャラメルのような香ばしさを持っている。他にも試していないが、少し苦味があるキャラメルやチョコレートを使ったしっかりとした味わいの菓子であればマリアージュは可能だろう。

 冒頭でも述べたように、Breakfast King Teaは茶葉が入った缶または、茶葉の量り売りでの販売になっている。非常に個性が強い茶葉のため、色々な場面で使える紅茶を探している人には向いていないだろう。ただ、面白い茶葉を探している人が居れば、これ以上ぴったりなものもないように感じる。個々の目的と照らし合わせて、手に取ってみて欲しい。

Breakfast King Teaの量り売りが入った袋。

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