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London-Singapore Tea(ロンドンーシンガポール ティー)―変化球を覚えたイチゴ

 最近、Strawberry Tea(ストロベリー ティー)やOrange Tea(オレンジ ティー)を取り上げながら、心のどこかで食事に合わせにくいことが気になっていた。もちろん、フルーティーで美味しいフレーバーだ。しかし、サンドイッチとスイーツを両方楽しもうと思うとサンドイッチに別の紅茶を淹れるか、あまり合わないことを承知の上で飲む以外の選択肢がなかったのだ。本当は、できるなら両方に合う茶葉を見つけたい。今回紹介するのは、フルーティーさがあるのに、食事にもぴったりなLondon-Singapore Teaだ。

 TWGのティーサロンで教えてもらった説明によると、苺の風味が付いた茶葉に、すっきりした味わいのピンクペッパーが入っているとのことだ。スパイスの一種であるピンクペッパーは、辛くないことから彩として料理や菓子に使われることがあるらしい。バラ科の植物の実を使うこともあるとのことで、少しフローラルな印象とも言えそうだ。全然関係ないが、すり潰したピンクペッパーとバターを混ぜて冷やしたスプレッドをパンに塗ると華やかかつ美味しいので、ぜひ試してみて欲しい。

 話が逸れたが、袋を開けると確かに苺の甘酸っぱい香りだけでなく、スパイスの芳香もする。味もフルーティーな苺の後に、温かみのあるスパイスの風味がやってくる仕様だ。ちなみに、Weekend in Istanbul Tea(ウィークエンド イン イスタンブール ティー)やJoy Of Christmas Tea(ジョイ オブ クリスマス ティー)にLondon-Singapore Teaと比べて、London-Singapore Teaから感じるスパイスの風味は圧倒的に穏やかな印象を受ける。飲み方は複雑な風味を持つことから、ストレートがおすすめだ。

 マリアージュは、食事系の場合、サンドイッチの類であれば比較的何でも合うのではないかと推測している。個人的に合わせた中では、唐辛子を効かせたごぼうサラダのオープンサンドがぴったりだった。デザートの場合はやはりストロベリーの風味を活かす意味でも、苺を使った菓子が良いだろう。苺のタルトやショートケーキといった、果実味に溢れるものがいいに違いない。個人的に合わせた中では、自家製苺バターを塗ったトーストが良かった。

 London-Singapore Teaは、量り売りのみの販売だ。しかし、フルーティーな風味を持ちながらも食事に合う稀有な風味を持っているため、意外に汎用性は高いと感じている。苺が好きな人はもちろんのこと、少し変わった茶葉を試してみたい人にはぜひ手に取ってみて欲しい商品だ。
 最後になったが、飲んで試してみてもLondon-Singapore Teaという名前の由来はよく分からなかった。今後他の地名が付いた種類を試したら、分かるようになるのかもしれないと期待している。

London-Singapore Teaの量り売りが入った袋

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