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「真実は一つじゃない、人の数だけある」。ということは...

みなさんは、誰かに言われた一言で傷つき、自分の価値を見失った経験はあるだろうか。

わたしにはある。何度も。
特に尊敬する人や大切な人に言われた(ネガティブな)ことや、押された「烙印」は色濃く心に焼き付き、時にはその汚名をそそぐために躍起になってしまう方だった。複数の人の言葉で動くのでブレまくっていたし、そんな自分がイヤになったこともある。

今日は、そんなわたしのブレが少なくなったというお話。

「真実は一つじゃない、人の数だけある」


2022年にフジテレビ系列で放映された連続ドラマ「ミステリと言う勿れ」で主人公の久能整くんが口にするセリフだ。

「真実はひとつだ」と断言する刑事に向かって、
「それは本当ですか?人は主観でしかものを見られない。それが正しいとしか言えない。だから、戦争や紛争で敵同士で(どちらも嘘をついていなくても、話を盛っていなくても)”したこと”、”されたこと”が必ず食い違う。だからね、真実は一つなんかじゃない。2つでも3つでもない。人の数だけあるんです。」といった趣旨のセリフが続く。

たとえば、あなたが職場で朝の挨拶をしたのに返してくれなかった上司がいたとしよう。
日頃から、上司から自分への風当たりが強いと感じているあなたは
無視された。やっぱり、あの人はわたしのことが嫌いなんだ。
と思うかもしれない。

いっぽう、上司からすると、ただ「聞こえなかった」だけかもしれない。

事実としてあることは、「あなたの挨拶に上司が返事をしなかった」ということだけ。
そこにそれぞれの主観(解釈)が挟まり、2人分の真実が生まれる。それが人間関係というもの。私たちの生活は、この「それぞれの真実」であふれている。

・「なぜこの仕事が終わっていないの?」
→単に理由を聞きたい先輩と、終わっていないことを責められたと思う後輩
・「出かける準備が終わるまでに、あと何分かかる?」
→その間に自分の用事を済ませられるか確認したい夫と、準備を急かされていると感じる妻
・1組のパートナー(A、B)が関係を解消した
→自分の話をちゃんと聴いてくれずコミュニケーションが取れないことが原因だと思うAと、自分が何を言っても否定されて安心してコミュニケーションを取らせてもらえなかったことが原因だと思うB

挙げればキリがないほど、人間同士が関わると食い違いが起きる。

この世で唯一無二の真実ではない


最初の話に戻ると、つまり誰かがあなたに言ったひと言も
この世で唯一無二の真実ではない」ということだ。
人それぞれに正義があり、真実がある。
だからそのひと言は「相手にとっての真実」かもしれないが、
「この世で唯一無二の真実ではない」のだ。

考えてみれば当たり前のことで、わたしもいままでは頭では分かっていた。
でもやっぱり傷ついて、ブレて、回復に時間を費やす、を繰り返してきた。

”それぞれのものさし”は世界基準ではない


そんなわたしが、この当たり前なことを身体で納得できた(「腑に落ちた」)のは、ミュージカル『A COMMON BEAT』の100日間プログラムに参加したことが大きかった。

ミュージカル作品づくりだけではなく、「自分らしく生きる人材を輩出し、個性が響き合う社会をつくる」ビジョンを実現するためのアクティビティが多く用意されているプログラム。そのプログラムを通じて

誰かのものさしで測られたとしても、それは”その人のものさし”。自分自身の価値は1ミリも減らない、小さくならない。

ことを体得した。

どうしても、尊敬する人や大切な人の”ものさし”が正しいと思ってしまう、その”ものさし”に合う自分でいたい、と思う人もいるだろう。わたしもそうだ。
もちろん、誰かの”ものさし”に当ててみることで、自分が成長できることもある。世間に必要とされるサービスを提供できることもある。だから時には自分の”ものさし”を疑ってみることも大切だ。
ただ、”誰かのものさし”ばかりで自分の価値を測るくせを治してみよう。

わたしは、前述のミュージカル100日間プログラムのおかげか、この思考の「くせ」がだいぶ治った。心の体幹ができたのか「ブレ」も少なくなった。

もし、みなさんの中にもわたしと似たような「くせ」があるとしたら、
”誰かのものさし”は唯一無二の世界基準ではない
ことを意識してみてほしい。
「くせ」を治す第一歩は、まず気づき意識することからだから。

(おまけ)
本文中に出てきたミュージカル「A COMMON BEAT」への参加経緯や参加後の様子は、stand.fm「LikeUチャンネル」で配信しています。アーカイブも残っているのでよかったらどうぞ。


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