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ボードゲームに興味を持ってもらえるチラシを考えた話

こんにちは、宮本です。

2019年5月25日(土)、バンソウはゲームマーケット2019春に出展し、トポロメモリーを販売させていただきました。

当日はブースの前で多くの方に足を止めていただきまして、無事に我々が目標としていた数を皆様にお届けするに至りました。本当にありがとうございます。

で、目標達成に結構貢献できたのではないかな〜と自他共に評価している(されている)のが、会場で配ったトポロメモリー の「チラシ」でございます。

まず、トポロメモリーのゲームデザイナーである弊社ミヤザキから宮本へとオーダーがあった際のラフと、最終的に完成したチラシをお見せしてから、説明していきたいと思います。

これがラフ↓

そしてこれが完成版です↓

ボードゲームのチラシ作りをどのように考えたのか。結果が出る(かもしれない)チラシ作りのお話です。

チラシの目的

たくさんのブースが出展される中、多くの来訪者は事前に気になるゲームをネットやイベントでチェックし、それを目当てとして来ているのかなと思います。なので動きとしては、まずお目当てのブースに行った後で、他にめぼしいものがないか探し回るってことですよね。

とは言え本当にブースの数が多いものですから、もはや何がめぼしいのかすらわからなくなるのがゲームマーケット。慣れていない人からすれば、興味の持ち方すらわからず、疲れて会場を後にする……なんてことも。

なのでチラシの目的はただ一つ。「こんなゲームあるんだ」と興味を持ってもらい、ブースの前までとにかく来てもらうことです。

興味を持つとはどういうことか

結構乱暴なことを言ってしまいますが、考えて作ったように思えるチラシでもそのほとんどは役立たずです。理由は簡単。「どんなゲーム(商品)なのか説明してしまっている」から。

例えば仲の良い友人に好きな作品や商品を紹介する時、面白さを伝えようと必死に説明するもいまいち届かず、微妙な空気になったことはありませんか?

それは「説明とは求められた時にはじめて効果を発揮するものであり、求められてもいない説明は時間の無駄」だからですね。服屋や家電コーナーで店員に話しかけられるのと同じです。求めていない人からすれば大迷惑。

でもね、それは「(説明を)求めている人からすれば大歓迎」ということでもあるんです。

つまり意味のあるチラシとは「説明をしているチラシ」ではなく、「説明が欲しくなるチラシ」ということ。この「説明が欲しくなる」ことこそが「興味を持つこと」なんです。

体験はすべてに勝るプロモーションである

さて、改めてミヤザキからのラフです。ここまで読んでラフを見返すとお分かりになるかと思いますが、今回のテーマで大事なのは裏面です。

ゲームを知ってもらうために、説明を載せるのは間違ってはないんです。けれど今回の目的は知ってもらうことではなく、興味を持ってもらうこと。

そこで宮本が考えたのは「トポロメモリーの遊び方がわかるチラシ」ではなく、「トポロメモリーを体験できるチラシ」でした。
ボードゲームではよくありますよね。「まずやってみようよ」ってやつ。アレです。ちょっとやってみて面白かったら、途端に興味出ちゃうアレ。結局それが最強のプロモーションじゃないですか。

どのようにして体験してもらうか

トポロメモリーは「トポロジー的に同じ記号のペアを揃える」ゲームです。ルール上では2人以上で遊び、いち早くペアを見つけることを競うゲームなんですが、競うから面白いというわけではないのがトポロメモリーの興味深いところ。実際1人プレイで楽しんでいる方もSNSで見かけます。

宮本が思うトポロメモリーの面白さは「認識の変化による閃き」でした。普段目にする記号が、認識の変化により全く別の意味を持つ記号へと変わる事。その変化を理解した時に、脳がほぐれるような気持ちよさを体験できるんです。

つまりは、ルール通り遊んでもらうこと=「トポロメモリー の面白さを体験できる」ではない、ということですね。

そこで宮本なりに解釈したトポロメモリーの面白さ、それを伝えるべく作ったチラシがこちらです。

ゲームの遊び方や勝敗を決めるルールなんてどうでもいいんです。
「認識の変化による閃き」を体験してもらうには、このクイズ形式が最も適していると考えました。

伝わるチラシかどうかをイメージする

間違ったことを言ってないかなとか、レイアウトが読みづらくないかなとか、それは必要最低限のマナーのようなものなので「伝わるかどうか」とは本質的に関係ありません。どうでもいいです。

相手に伝わる=こちらの思惑がハマる、ということです。
そのためにはイメージしまくりましょう。イケると思ったなら、それは伝わる(かもしれない)チラシです。

・チラシを受け取ってもらうにはどうしたらいいか
・チラシを受け取った人はどんなアクションを起こすか
・問いを解けた人はどんな気持ちになるか
・あるいは解けなかった人はどんな気持ちになるか
・チラシを見てブースに来た人はどんな行動をとるか

このチラシで言えば、「弗」と同じ図形はどれ?という問いかけに対して、チラシをもらった人がどう反応をするのかを強くイメージしました。答えをあえてチラシに書かず、解けても解けなくても「答え合わせにブースに来てください」と記述したのもイメージした結果です。

思惑をひとつひとつ説明してしまうと冗長になるので割愛しますが、一つだけ今回確信を持って取り組んだ「最重要事項」をお話します。

ゲームマーケットには、ゲームをしたい人が集まる

これが最重要事項です。当たり前って思いました?
じゃあゲームをしたい人に効果的なチラシとは?

そんなの、ゲームができるチラシに決まってるじゃないですか。

体験できるチラシを作ったところで、そもそも体験してもらうことすらできなかったら話になりません。しかし今回、ゲームマーケットという場所においてはその心配は一切しませんでした。それもまたイメージした結果ですね。

以上、「ボードゲームに興味を持ってもらえるチラシを考えた話」でした。おしまい。


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