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プリファブスプラウトという素晴らしいバンドを知ってもらいたいだけの記事。

残念なことに一年の半分が過ぎてしまいました、こんにちは三代目齋藤飛鳥涼です。

最近元乃木坂46で現在は芸能界を引退された橋本奈々未が表参道の美容室のTwitterに登場して話題になりましたね。

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それにしても相変わらずお綺麗でしたね。やっぱこういうあの人は今状態の人って久しぶりに公に姿を現したら、見てくれがめちゃくちゃ変化してがっかりみたいなことあるじゃないですか。それこそ元ピンクフロイドのシドバレットなんて、あまりにもビジュアルが変わりすぎて久しぶりに会ったメンバーが泣いたなんて話あるじゃないすか。今回紹介するバンドの中心人物もそんな感じの人です。

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Prefab Sprout

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今回紹介するのは80年代UKロックシーンを代表する孤高のロックバンド、プリファブスプラウトです。まあ知ってる人は多いだろうし、界隈だとめちゃくちゃ評価高いバンドだから、「お前が紹介なんかしなくても知っとるわ」って思われそうなんですけど。

でも今回なぜプリファブスプラウトを取り上げようと思ったかっていうと、実はプリファブスプラウトの音楽性って当時のUKロックシーンの中でもどのジャンルにも属さないがゆえに、忘れ去られてしまう可能性があるのでは?って思ったんですよね。

スミスみたいにポストパンクって感じは皆無だし、アズテックカメラほどネオアコじゃないし、ブルーアイドソウルっぽさはあるけどスタイルカウンシルほどソウルな感じは無いしなぁって。

ポップなタイプのバンドではあるけど、特段ヒット曲が多いわけでも無いんですよね。似たようなタイプだとブルーナイルとかラーズみたいに、時代に左右されるオンリーワンな音楽性の持ち主って点だと共通点は多いけど、この2組と比べるとフォロワーは多くないイメージあるんですよねえ。

まぁそんな感じなんで、いつ忘れ去られてもおかしくないんですよね。例え俺がただのボキャ貧音楽好きだとしても、こういう風に声を上げることで真っ当に評価されるべきバンドが闇に葬られることはなくなるんじゃないかなぁと思いましてね。今回は頑張って紹介しようと思います。

天才パディ・マクアルーン

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冒頭のお爺さんですね。このバンドでボーカル、ギターを担当し、全ての楽曲で作詞作曲を行なっております。

まぁこの人はやべえよ。とにかくソングライティングのセンスがやべえのよ。やばすぎんのよ笑。マジで笑。

あの嘘八百Wikipediaでも「ニューウェイブ以降に登場した最高のソングライターの一人」って言われてるぐらいに凄いんだけど、俺もこの文には同意。優れたメロディを作るという観点では、80年代UKロックシーンで全盛期ポール・マッカートニーに限りなく近づく事ができた男こそパディ・マクアルーンだと思ってるんですよ。実際エルヴィスコステロ、山下達郎は彼のことを高く評価しているらしいですしね。

個人的に80年代で過小評価されてるソングライターはこの人とリプレイスメンツのポール・ウェスターバーグの2人ですね。リプレイスメンツもいいバンドなんで時間があったら聴いてほしいですね。

こんな感じでプリファブスプラウトは凄いバンドだよってことと、パディ・マクアルーンは天才だよってことがわかったと思うんで、早速アルバム紹介しようと思います。今回は全盛期のメンバーが揃っててトーマスドルビープロデュースの4枚を挙げますね。

「Steve McQueen」1985年発表

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いきなり大名盤の登場です。プリファブスプラウトの名を世に広め、彼らに大きな成功をもたらした出世作です。

今作からトーマス・ドルビーとかいうシンセサイザーおじさんがプロデューサーとして参加するんですが、彼がもたらした都会的なサウンドがパディの切ないメロディとバッチリはまっちゃうんですよね。優れたメロディメイカーには優秀なプロデューサーが付く説はどうやら間違いは無いようですね。

今作のおすすめ曲なんかあげてって言われると難しいですね。とにかくこのアルバム捨て曲が皆無なんですよ。強いて挙げるとするならこの3曲ですかね。

まぁこの3曲を聴いただけでもほんとメロディが素晴らしいですよね。特に彼らの代表曲として名高い愛の「When Love Breaks Down」は、元々パディと恋人関係だったコーラスのウェンディ・スミスの透明感ある声が、愛の終わりを歌うこの曲に一段と説得力を与えていて素晴らしいですよね。


「From Langley Park To Memphis」1988年発表

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「ラングレーパークからの挨拶状」という邦題でお馴染みの一枚。前作の成功をきっかけに、レーベルがめちゃくちゃ気合い入れたんだろうなあと伺わせる一枚で、収録曲の半分がシングルとしてリリースされ、スティービー・ワンダー、ピート・タウンゼントという豪華なゲスト陣を導入して作られたようです。

その甲斐があってか、今作は商業的にもそれなりに成功し、収録曲の「The King of Rock'n Roll」は彼ら最大のヒット曲になります。また前作で見られた寂しげで哀愁ある感じは後退しますが、その分全体的に明るい作風であるのが特徴です。

「Hot dog, Jumping flog, Albuquerque」という不思議にフレーズが印象的なヒット曲「The King of Rock'n Roll」、爽やかな曲調と強烈な◯ルース・◯プリングスティーンdisの「Cars and Girls」、爽快なロックナンバー「The Golden Calf」あたりがおすすめ曲です。


「Protest Songs」1989年発表

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元々2ndの「Steve McQueen」の制作終了から2週間後に制作が開始されたアルバム。しかし「Steve McQueen」の思わぬ成功と、暗い作風が災いしお蔵入りにされてしまう。が、5thアルバムとなる「Jordan :The Comeback」の製作が遅れたことで、急遽繋ぎとしてリリースされることになった曰く付きのアルバムです。

作風を例えるとするなら「Steve McQueen」ってアルバムは田舎の青年の都会への憧れと哀愁が上手く同居した感じの作品と勝手に思ってて。そこの都会的要素を抽出したのが「From Langley〜」なのに対し、哀愁的要素にピックアップしたのが今作の特徴です。
地味と言われるけど、パディ・マクアルーンのソングライティングの性質が一番生身に近い形に出てるのもポイントですね。

シンプルな弾き語りバラード「Dublin」、ジャジーな味わいとウェンディのコーラスが一番フィーチャーされた「Talkin' Scarlet」なんかもいいですが、今作のハイライトはなんといっても「Life of Surprise」です。地味と言われた今作の中でも最もポップなこの曲は、後年発売されたベストのタイトルにもなります。


「Jordan :The Comeback」1990年発表

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「Steve McQueen」と並び最高傑作と称されることの多い一枚。

今作はなんといってもプリファブスプラウトが作り上げてきた「美しさ」という部分を、より追求していったのが特徴です。簡単に言えばめちゃくちゃ美しいアルバムなのだ。

19曲という大作ながら、AORチックなサウンド、美しいメロディ、キリスト教的世界観が窺える歌詞、どれをとっても美しい要素しかないロマンティックかつ極上のポップソングが集まった傑作がこの「Jordan :The Comeback」というアルバムなのだ。

オープニングナンバーにふさわしい軽快なナンバー「Looking for Atlantis」、今までのプリファブスプラウトにありそうでなかったポップソング「Moon Dog」といった名曲群の中でも一際光っているのが「We Let the Stars Go」だ。映画音楽、ティンパンアレーからの影響が色濃い作曲家であるパディ・マクアルーンの集大成がまさにこの曲。美しいアルバムの中で最も美しい一曲。


ざっとこんな感じになりますかね。この後何聴けば良いの?ってなったら個人的にはオリジナルアルバムならデビュー作の「Swoon」、ドラムのニール・コンティ脱退後の「Andromeda Heights」の2枚がおすすめ。「Andromeda Heights」以降はプリファブサウンドの肝であるコーラスのウェンディが脱退するので、少々物足りない印象を受けてしまうのがちょっと残念なところ。あとベスト盤だけど「A Life Of Surprises」もおすすめ。理由はこのアルバムのために作られた新曲の「The Sound of Crying」「If You Don't Love Me」が超名曲だから。


というわけで今回はここで終わりにします。
またの機会を。


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