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「欲望」をもっている人間は、退屈になり、そして支配される

女にモテたい、結婚したい、社会的に評価されたい、人生で成功したい。自分の根本的な欲望だと思っているそれは、ほとんどの場合、他人(社会)によって作り上げられている。


私はいまエクアドルの首都キトという街にきて半月が経った。

ここは標高約3000mの山上に都市がある。3,776 mの富士山とほぼ変わらない高さで、赤道が通っているにも関わらず気温は平均15度でとても過ごしやすい。山の上に都市がある光景はとても幻想的だ。

かつてエクアドルは「南米のオアシス」と言われている国だった。だけど現在は4年間で殺人が4倍に増加し、治安が急速に悪化している。

麻薬組織のボスが脱獄、テレビ局を武装集団が襲撃、「国内は戦争状態」だとエクアドル大統領が認識を示し、非常事態宣言が発令された。

なぜ、私はわざわざそんな危なそうな国に来たのか?とくに意味はない。よくまわりに聞かれるのでその時は「危険なことも含めて南米を知りたいから」と言っているけど、私はなるべく決断に「意味」は持たないようにしているので本当に意味はない。

だけどそれでは人は選択ができない。何かを指標にしなくては「選択肢がありすぎる時代」では迷って動けなくなるからだ。メリット、デメリットを比較し、効率的に合理的に選択できるように、それを「選ぶ意味」を求める。

くだらない。そんな退屈な生き方はないと思う。

意味を求める人はせいぜい、いかに効率よく観光できて、お得に旅行ができ、どれだけSNS映えするか、その程度でしかない。まるで定年後のシニアの旅行みたいだ。それならパソコンで観光地の動画でも観て、いい感じに写真でもとってSNSにあげていればいい。一番効率的だし。それくらいくだらない。
じゃあ、私は何を指標にしているのかというと、それは「欲動」。

以前は「衝動」とも言っていたけど、衝動という強い感覚はなかなか訪れないことがわかったので、欲動と言い換えている。

欲望という言葉もあるが、欲動とはまったく意味が違う。正反対と言ってもいい。

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