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【雑記】(続)(続)スポーツメーカーのサプライによるマーケティングのパラダイムシフト(しつこい、もうメーカーの話じゃない)

いつかどこかに考察を書こうと思ってブックマークしたままの記事、リリース時2015年…知ったのは多分2016か2017年なので、いずれにせよ経過してしまいました。(そしてこの記事に出てくるレピュコム・ジャパンが現:ニールセン スポーツ ジャパンだと言うことをたった今知って、!となってますが)

以下抜粋すると

秦 「AON社がマンチェスター・ユナイテッドの胸スポンサーを降りたのは、金額的な部分が云々ということではなく、同社にとっての目的、"認知の獲得"が達成できたからです。そこで同社は、次なるステップとして商売に直結するプログラムを用意し、胸スポンサーから降りてあまった金額を違う所に投資しているわけですね。練習着や看板でのスポンサードは維持しつつ、あまったお金でマンチェスターの選手・スタッフ全員にライフプランニング・プログラムを提供しています。要は『われわれは、ウェイン・ルーニーのライフプランニング・プログラムをやっています』ということを商材に展開し、『AONはこういうことをやっている会社なんだ』とPRすることで、商売に直結させるわけです」

この記事を読んだときに、これこそ小さいチーム・下位リーグチームの活路じゃないか!と感動を覚えました。

前エントリでも書きましたが、スポーツメーカーに限らずスポンサー企業は

自ら契約チームに宣伝媒体以上の価値を見出すべき。なんですが、メーカー側は割りに合わないと感じれば、契約をやめるという選択肢をとることができるのが現実です。割りに合わないというのには、楽に稼げないという手間のことも含むので、この件に関しては本当に"お客さん"の立ち位置だと思います。何事も物の割に安かったら(価値が高かったら)買う。

AON社がマンチェスターUに行った施策の逆を、チームがやれるか。自分たちを丸裸に解剖して、何が売れるか、どこに価値をつけられるか。"やった感"だけのスポンサー価値の提供ではなく、実のあるもの。必要とされるもの…。
露出すること・パートナーと名乗れること、それは本当にスポンサー企業に取って価値のあることなのだろうか?と言う疑問は、AON社とマンチェスターUの事例を見て、やはり!と確信に変わったわけです。

…私の中で確信に変わっても、世の中は変わるわけでもないのは言うまでもありませんが。
野球がメジャーリーグを、バスケがNBAを素晴らしいと目標に置く様に、サッカーではヨーロッパが巨大な市場としてひとつのお手本とされていた時期が確かにあったと思います。
しかし近年、JリーグはコミュニティハブとしてのJリーグという方向へ移行しているのがシャレンなどの活動からも見て取れますし、各チームも”ホームタウン”に比重をかなり置いている印象です。そういった方向性の変化は見えても、スポンサーについては、私程度の情報収集では動きがあるようには見えず、やはり露出がチームが提示する対価のメインに見えます。

話が変わりまして、スタジアムツアーが趣味なのですが(10日程度の海外旅行だと試合も2試合見れれば良い方なので、必然的に)2016年にミラントア・シュタディオン(ドイツ・ハンブルクSt.pauliのホーム)のスタジアムツアーに行ったときに、小さいクラブの戦い方の一つを見ることができました。人気を考えると、St.pauliが小さいクラブと言っていいのかは疑問ですが、アイディアとして小さいチームにも流用可能ではあると思います。

お膝元の、ASTRA BEERのVIP ROOM

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ラム酒で有名、CAPTAIN MORGANのVIP ROOM、その名もCAPTAIN'S DECK。

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FEDRIGONIのVIP ROOMはロッジ風。サイトが重くて読めていないかつドイツ語で解釈怪しいのですが、この内装は同社がもつロッジのモデルルームのようになっている…?

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※顔の画像処理の手間を惜しんだため、全て写真が微妙

今はスタジアムにVIPルームはもはや当たり前となっていると思いますが、どこも豪華で特別な空間な方向。ですが、St.pauliではこれらのように各企業の個性を出したVIPルームとなっています。
施工費用や原状回復費用、そういった現実的な部分をどうしているかなどを私には知る術はありませんが、少なくともお金のないチームであっても、自分たちのチームの価値創出のひとつとして、VIPルームをこのよう使う方法をスポンサー企業に提示するのは、アクションのコストが非常に低いのかなと思いました。


なんていうことを幾年月思っていましたが、検証する場もなく、日々仕事をしていく中で自分の進みたい方向がクリアになってきて、その整理のためにもつらつらとこの先も書いていきたいと思います。


追記:スポンサーシップのシフトについてわかりやすく書いてくださってるnoteがあったので、自身のメモ代わりもなるのでリンクを貼ります。


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