オーバーオール

どういうわけか4年に一度オーバーオールが好きになる。今年はその4年に一度の年だ。
今年に入って何度ZOZOTOWNにオーバーオールを打ち込んだことか。

時にはオールインワン。
時にはサロペット。
なぜだか、オーバーオールを探索する日々に今日も至福を感じている。


どうしてこんなにオーバーオールに魅せられているのだろうか。
考えてみると思い当たる理由が2つあった。

一つは独特の形。
唯一無二の英知(H)に溢れるあの形は、着るものを高みへと誘なうと心の底から信じている。あれを身につけるだけで、オシャレ人間だと心の底から信じている。


もう一つは石ちゃん(ホンジャマカ石塚英彦)が着ているからである。
小学四年生のとき、石ちゃんの影響で初めてオーバーオールにハマった。

その頃、家を引っ越し、我が家ではWOWOWをやめBSを取るようになった。BSジャパンで初めてテレ東の番組を見て、こんな番組があったのか!と下校すると宿題もせず、父親が帰ってくるまでも帰ってきてからもずーっと見ていた。そのせいで、ポケモンのダイヤモンドにはすぐ飽きた。

なかでも1番魅了されたのが「元祖!でぶや」だった。

石ちゃんが「まいう〜」というキッカケになった番組で、ぽっちゃりした人が楽しそうにロケし、美味しそうに食べるのがすっごく好きだった。
いま覚えば、当時デブだった自分と重ね合わせ楽しんでいたんだと思う。
そのうちだんだんと毎週柄の変わる石ちゃんのオーバーオールに心を奪われた。

しかし、親はなかなか売ってないし、売ってても高いし、どうせ着なくなるだろうと全く聞く耳を持ってくれなかった。

どうにか着たい自分は、なにかないかと家中探し回った。

そこでついに見つけたのだ。


そう、サスペンダーである。


少し違うが、当時の自分にはそれで十分満足いく仕上がりで、何度も全身鏡でうつる姿にウキウキした。

完全にサスペンダーの虜になった自分は、平日だというのにわざわざサスペンダー私服に着替えて、るんるん気分で友だちの家に遊びに行った。

友だちの家には何人か集まっており、意気揚々とその部屋に入った。
すると、開けた瞬間爆笑が起きた。

!?!?!?!?

パニックだった。

僕はその場を一周まわされ、またさらに爆笑が起きた。

自分では気がつかなかったが、どうやらサスペンダーによって前も後ろも凄く食い込んでるかつ、デブのパツパツ感が普通の人からすれば面白いらしかったのだ。

その日を境に、第一次オーバーオールハマり期は終焉を迎えた。

サスペンダーをつけることも「元祖でぶや」を見ることも無くなった。


自分の忘れていたオーバーオールヒストリーを思い出し、今日の晩ご飯は気持ち少なめにする事にした。

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