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レッチリで学ぶ英文法①

今回は弊社のデザイナーが初登場!
「~で学ぶ英文法」シリーズも担当しているデザイナーと、シリーズの編集・執筆をしている森田(アスクの狼)で番外編をお届けします。

* * * * *

岡:
ども、アスクのデザイン担当の岡崎です。英語素人でっす。多分TOEIC150点くらい笑

いや〜、Red Hot ChiliPeppersレッドホットチリペッパーズのNEWアルバム『Unlimited Love』が発売されましたね~。すいません、まだ買ってないです。
ジョンの再復帰も最近知ったくらい遠ざかっていました。学生の頃は彼らの母校Fairfaxハイスクールをのぞきに行くくらいのめり込んでいたんですが、、

そこで、NEWアルバムを買う前にレッチリ感を取り戻すべく、歴代のアルバムを聴いてみたんです。で、やっぱり『母乳』と『ブラッドシュガー』がいいなあと。これは世界のレッチリニアン諸兄姉も同じ思いかと思います。

ただ、英語が全くな私はフィーリングのみで聴いていたのですが、、、
年を重ねてきたこともありますし、もうちょっと歌詞の方も深く読み解きたいなあ、なんて思ったわけです。
なんてったって、弊社ウチには英文解釈のオオカミがいますからね、わかんないことはどんどん聞いていきしょう~

お~い、おじさーん!

森田:
なんだよ、今『シャーロック・ホームズで学ぶ英文法』の販促で忙しいんだよ。

岡:
すんません。KK(字の上手いnoteやってる人)にせっつかれてさ、で、俺みたいな英語素人に贈る『レッチリで学ぶ英文法』をここでこっそり始めようかなと思いまして。

森:
何勝手に使ってんだよ! ワーナーに怒られるぞ。しかも今、YouTubeで「ちいかわ」のアニメを見てるから手が離せねえんだよ。

岡:
(、、、スルーしよ) まあ、兎にも角にも『母乳』なんだけど、取り上げたい曲が『Stone Cold. Bush』なんです。よくわかんない箇所だらけなんですよね〜

森・岡:
やべえええええええ

岡:
ブリブリのベースは置いといて、歌詞ね、歌詞いこう。
そもそもstone cold bushってなんなんですか?

森:
bushはいわゆるひとつの「陰毛」ではないかと。stone coldは「氷のように冷たい」が直訳だけども。ちなみに、urban dictionaryという、オンラインのスラング辞典で調べると、... it means a women who is a slut, and a crack and cock smoker. とあるね。
だから、いわゆるひとつの「イカれたヤリ○ん」みたいなことではないかと。内容も推して知るべしやろがい。本当にこんな曲を扱うのかよ?

岡:
笑、だめだ笑 違う曲やろ、違う曲。
じゃあ、まあ1発目なんでクラシック中のクラシック『Under The Bridge(以下UTB)』でいきましょうかね。

このジョン好きすぎる。最初の復帰後から顔の骨格まで変わった気がするんですが、ドラッグのやりすぎですかね。。

森:
これはまた、ベッタベタな選曲やねえ。まあ、かまわんが。
カポを2フレットにハメると、ついついあのイントロを弾きたくなってしまうのよね(注:John Furusianteはカポなしで弾いてます)。

岡:
うん、わかる(嘘)。じゃ訳していきますね。

Sometimes I feel like I don't have a partner
Sometimes I feel like my only friend Is the city I live in, 
The City of Angels Lonely as I am together we cry

『Under The Bridge』

ときどき、おいらは仲間なんていないんじゃないかって思うんだ
ときどき、おいらの友達はこの街だけなんじゃないかって
おれたちは一緒に泣いているように孤独な天使の街
    

3行目がわからないです。そもそも文なんですかこれ。文法的にどうなってるんですか?

森:
2行目までは大丈夫だと思うぞ。
「仲間なんか一人もいないと思うことがある。自分が住んでいる街が、自分の唯一の友だちなんじゃないかと思うことがある」ってことよね。Sometimes I feel like my only friend Is the city I live inは、I feel like …の後に「文」(節)が続いていることがポイントね。
そんで、the city I live inは、the city (which) I live inのように、関係代名詞が省略されている、と。ここまではおk?

岡:
それはわかります。その次への流れがわからんです。

森:
こんなふうに改行して、文を新たに起こしたら、わかりやすくなるのでは。

… is the city I live in, The City of Angels.
Lonely as I am together we cry.

つまり、the city I live inとThe City of Angelsは「同じもの」を指しているわけよ。こういうのを「同格関係」と言うわけですよ。例えば、これは『オー・ヘンリーで学ぶ英文法』のp. 23に出てくるやつなんだが…

As Sue was sketching a pair of elegant horseshow riding trousers and a monocle of the figure of the hero, an Idaho cowboy, she heard a low sound, several times repeated.

『オー・ヘンリーで学ぶ英文法』

「最後の一葉」で、病気で弱っている親友ジョンジーの傍らで、スーが雑誌の挿絵を描いているシーンですな。ここは「スーは、物語の主人公であるアイダホ州のカウボーイの、小粋なロデオ用のズボンと片眼鏡のスケッチを描いていたら、低い音が聞こえて、何回かその音が繰り返された」というような意味で、the heroとan Idaho cowboyは「同じもの」を指している。the heroを、より「くわしく言い換えたもの」が、an Idaho cowboyだと言ってもいいかと。「物語の主人公であるアイダホ州のカウボーイ」、あるいは「物語の主人公、つまり、アイダホ州のカウボーイ」なんて訳すこともできそうね。

それで、話を元に戻すと、the city I live in, The City of Angelsは、「ワイの住んでいる街であるThe City of Angles」とか「ワイの住んでいる街、つまりThe City of Angels」みたいに考えることができるわけよ。ほんで、The City of Angelsに関しては、辞書を引いてみろや。な?

岡:
解説が長い笑
そういうことね。シティオエンジェはロサンゼルスの愛称なんすね。

森:
そうね。レッチリ言うたら、LAやん? 「ワイ、友達おらんけど、自分が住ん どるロサンゼルスという街は、ワイの友達みたいなもんや」って感じかな。

岡:
まあ、アンソニーさん、ナルシストだしそんな感傷にふけりたくなる街ですよね。
で、Lonely as I am,  together we cryの説明をしてくださいよ。ここは文章なんですか? 天使の街にかけてあるんですかね。

森:
かけてないぞ。ヒントは「友達って、どんな存在?」ってことやね。
そんで、これまたしつこいけど、今度は『シャーロック・ホームズで学ぶ英文法』から、おいら、引用しちゃうぞ?  p. 18に、こんなのがあるど。

… homely as it looks, this thing has some deadly story linked on to it …

『シャーロック・ホームズで学ぶ英文法』

この homely as it looks は、as homely as it looks から as が省略されたもの。ちなみに it は「帽子」を指すのだが、柴田先生は「一見なんでもない品だが、きっと何か恐ろしい物語とつながっているのだろうね」と訳しておられる。要するに、この形は「…だが」という意味になるってことね。ということで、これで、Lonely as I am, together we cry. の意味が、なんとなくわかるんじゃん? together we cry は、本来は we cry together という語順だけど、 together を強調するために、なんとなく前に出しちゃった、と思っていただければ幸甚に存じます。

岡:
ちょいちょい自著を宣伝するのやめて笑
asが隠れてるんですね。昔習ったような気がします。
togetherも口に出して歌ってみると前に置いた方がスムーズです。

おいらはひとりだけど、いっしょに泣いてくれる天使の街(=ロサンゼル  ス)。
まとめさせてください。

ときどき、おいらは恋人なんていないんじゃないかって思うんだ。
ときどき、おいらの友達は、(自分が住んでいる)ロサンゼルスだけなんじゃないかって。
おいら寂しいけど、この街はおいらと一緒に泣いてくれるんだ。

森:
イイね。
ただねえ、この曲、単なる「郷土愛」とか、そういうのではない感じなのよね。そもそも曲の歌詞って、結局何を言ってるのかわからないことが多いけど、例えば、Lonely as I am, together we cry. の we は、普通に考えると「自分とロサンゼルス」を指していると考えられる。
でも、この we は「レッチリの他のメンバーと、自分」を指していると考える人もいて、その場合は「自分はヘロインの効果が切れて死ぬほど寂しい思いをしている。そんなふうに薬中と戦っている自分と同じように、他のメンバーも苦しんで泣いている」みたいに解釈することもできそうね。
「ヘロイン」という言葉をストレートに出さずに、そこはかとなく「ヘロイン」の香りが漂ってくるのが、この曲のすごいところ(?)なのではないかと。

岡:
彼らのドキュメンタリービデオ『Funky Monks』によるとUTBはドラッグ中毒の体験を綴ったと告白しています。といってもこの頃もまだ断ち切れてなかったみたいだけど。
あと、ロス暴動の報道の際に、この曲が頻繁に流されていたそうなのです  が、ハリウッドLAの影の部分を、はからずも見事に表現した曲なんでしょうね。

森:
というわけで、先にネタバラシ(?)をしておくと、この曲のメインテーマは「薬物中毒」なのよね。

岡:
くら〜い曲だ。ではVerse2にいってみましょうか

I drive on her streets 'cause she's my companion 
I walk through her hills 'cause she knows who I am 
She sees my good deeds and she kisses me windy 
Well, I never worry, now that is a lie

『Under The Bridge』

おいらは彼女の上をドライブする、彼女は俺のコンパニオンだから。
おいらは彼女の丘を歩く、彼女はおいらが何者か知っているから。
彼女はおいらの良い行動を見て、彼女は風が強い時にキスしてくれる

彼女ってLAのことよな?  アンソニーからしたらLAは女性だったんですね、いいなあ。聞き流してたら気付かなかったです。

森:
そうね。全体を通して、LAをsheで受けているわけよ。「LAの街を車で走る。LAは常に自分と一緒だから。起伏の多いLAの街を歩く。LAの街は、俺のことをわかってくれているから」という感じかな。

岡:
うーむ、難しい。She sees my good deeds の sees はどういう解釈なんです?

森:
God sees your good deeds. と言ったら、「神様は、あなたのよい行いをちゃんと見ています(だから、悪いことをするんじゃねえぞ?)」という意味になるけど、この see とほぼ同じ感じかな。「俺がよいことをしたら、LAの街はそれをちゃんと見てくれていて、ご褒美にキスをしてくれる」といったところではないかと。

岡:
windy は? 辞書見たら「風が強い」って載ってますが、、

森:
その she kisses me windy というのは、正直文法的にもよくわからんのよね。だいたい、歌の歌詞を見ていると、「どうしてもわからん」という箇所がいくつかは出てくるものよ。ネイティブに訊いても、いろんな解釈があるみたいだけど、
①「風のように激しいキスをしてくれる」か、②「風が唇にあたると、キスみたいになる」ということから、「LAという街が風を吹かせて、それが唇に触れて、まるでキスしてるみたいな感覚になる」の、どっちかだと思われる。

岡:
「風が唇にあたると、キスみたいになる」に一票す。かっけええです。

森:
そんで、最後の Well, I never worry, now that is a lie はどうなのYO?

岡:
ウェール、もう心配なんかしない、今、横たわる…? 死んじゃうよ…? 天国行く覚悟決めたんでしょうかね?

森:
いや、「うん、俺には心配事なんかねえよ。まあ、嘘だけどね」ってことだと思う。ポイントは、前の文とのつながりを考えることよね。「LAは、ワイのことを見てくれてるぞ。キスもしてくれるし」ときて、「もう心配なんかしてない」と言ってるんだから、「だから、俺には何の心配もない」のように解釈するとよかろうもん。ほんで、「いや、それは嘘で、悩みはあるけどな…」となって、どんな「悩み」なのかを、次のサビから小出しにしていくわけじゃん?

岡:
おお! 嘘ね。前後の文脈が大事なんですね。
ただ「まあ嘘だけどねっ」て、日本語の歌詞だとあんまり使えなそう。ザディズラーイの語感はずるい。これからはザディズラーイ使いまくって影のある男を演出しますわ。

さあ、ずいぶん長文になってきましたが、サビいってみます。

「レッチリで学ぶ英文法②」へ続く…

* * * * *

いつもとは少し違うテイストでしたが、いかがでしたでしょうか。
サビ以降はまた次回お届けします。お楽しみに!


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