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「どの写真を載せようか」を考える。

SNSにスポーツ写真を載せるとき「どれを載せようかな」と毎回迷ってしまいます。

良いシーンがありすぎて迷うこともあれば、「これって載せるべき?」となりそうな写真をどうしようか…という意味を含めた迷いもあります。
実際、グレーゾーンと思った写真の大半はボツ候補なのですが、工夫をしたうえで載せることもあります。
せっかくなので改めて自分が写真を載せるときに気をつけていることをいくつか挙げていきたいと思います。

あくまで「私はこうしている」という内容ですので「みんなもこうしろ!」と強制はしません。
とはいえ、ここ最近スポーツ写真を見ていると思うこともありますので、今一度自分が載せている写真を見直したいという気持ちも含めています。私自身過去に失敗しているからこその戒めです。

以前似たような内容のnoteを書いたことがありますので、そちらも参考としてリンクを置いておきます。
お時間あるときに読んでいただけると幸いです。


1.「顔アップ」より「プレー中」の写真をメインに載せる

プレー中の姿を残したい故に
全身を画角内におさめたくなるものです
🏐:きんでん/清田晟ノ祐選手

いきなり私の好みが入ってしまいますが、スポーツ選手が一番輝いている瞬間ってやっぱり「試合中の姿」なのではないかと考えています。
たとえば、ただ立っているだけの写真だったとしても、試合前の練習と試合中、試合後では背負っているオーラに違いが出ますよね。
リラックスした姿も好きですけど、私は試合中のギラギラしたオーラがたまらなく大好きなので、そっちを選びがちになります。

顔アップの写真は選手の顔がハッキリと分かるし最低1枚は必要になることもありますが、なるべく顔アップよりプレー中の写真が多めになるように撮っています。
でも試合中のさまざまな表情を切り取れるのが顔アップの魅力でもあるので、必要に応じて使い分けるのがベターなのかなと考えています。

顔アップの利点は細かい表情変化が分かること
サービスエースを決め、領域(ゾーン)に入っていた
ような表情から解放され…(下の写真に続く)
笑顔が見えガッツポーズ
この表情変化を残せるとすごく嬉しい
🏐:サフィルヴァ/渡邉龍也選手

○余談:ファンサービスの写真は必要最低限の枚数で

試合前後の様子を撮影していると時折選手の方からファンサービスとして目線をいただくことがあります。
お疲れの中でこうやってファンに気を配っていただけるなんて本当にありがたい…そう感じながらシャッターを押しています。

そういった写真はどうしているのか。私の場合「すべては載せない」ことが大半です。なんなら載せるときは必要最低限くらいに抑えています。
出し惜しみというわけではなく、前述したように私の中では「プレー中が選手は一番輝いている」という理由がある為、です。あくまで主役は試合中の様子、と思って載せる写真をチョイスしています。
せっかく目線くれたのに勿体無いじゃん!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これはもう自分の中の面倒な拘りみたいなものですかね。
友達各位と個人的に写真を共有し合うときにそういったファンサ写真もまとめて送るので、まったくの無駄にはしておりません。

北海道日本ハムファイターズ2軍との
交流試合ということで昨季バズった
きつねのポーズをしていただいた写真
⚾️:石川Ms/田中颯士選手

3.自分が「撮られたくないな」という瞬間は絶対に避ける

例えば、自分がご飯を食べているときに、突然どこからかシャッター音が聞こえたとします。
例えば、自分がズボンを直そうとしているときに、突然どこからかシャッター音が聞こえたとします。
あなたは「撮られて嬉しい!」と思えますでしょうか?

もしかしたら嬉しいと感じる猛者もいらっしゃるかもしれませんが、私だったら絶対に嫌だなと感じてしまいます。言い方が悪くなりますが、これって盗撮と変わりないのではと思っていたり。
ですが、カメラを持つ者の中には、選手が食事している最中や、ユニフォームやズボンを直している様子(場合によっては半裸の状態)を平気で撮影し載せてしまう方もいらっしゃるのです。
そういうのを見るたびに心苦しくなってしまいます。

実際に見たことがありますが、とある選手がズボンを直すためにベルトも緩めていた写真がSNSで流れていて、私はなんとも言えない気持ちに駆られてしまいました。
選手も今や当たり前のようにエゴサする時代。私が見たその投稿にはハッシュタグも付けておりましたから、下手したらエゴサした選手本人が見てしまった可能性も考えられます。
もし本人が見てしまったとき、どう感じてしまったのか…想像はしたくないな、と思いました。

ただ、正直なことを申し上げますと私も過去にこの過ちを犯したことがあります。
水分摂取をしている様子(いわゆる「水飲み部」的なハッシュタグの便乗)を撮って載せて、飲んでいる姿が素敵!と言ったり…本当に愚かだったと反省しています。
「えっ、これくらいは大丈夫では?」と思う方もいるかもしれませんが、私が撮られる側だったとして水を飲んでいる様子までレンズを向けられたいかと言われたらNOだと思ったので、やめた次第です。

今でもそうですが、たまたま写り込むことも稀にあります。食事や水分摂取にしろ、お着替えやズボン直しにしろ、そういった事故も発生します。
その場合はトリミングを活用したり、トリミングも厳しい場合はどんなに素晴らしい瞬間でもボツにします。
そこまで気にならない程度の写り込みなら加工で誤魔化して載せることもありますが…。

実際にあった話ですと、野球ではベンチの様子を撮ることもあるのですが、裏から肩にアイシングを巻いて間もないい半裸の状態の投手がひょっこり現れたことがありまして、別選手を撮っていたのでうっかりそれも撮れてしまい「ぎゃー!すいません!!」と心の中で思ったことがありました。
当然ながらSNSには載せませんし、その写真データも消しました。データがあるだけで申し訳なかったですからね。

4.観客が映り込んだらモザイクをかけて載せる

当たり前じゃん!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、明らかに個人が特定されかねない写り方をしていようがまったく顔にモザイクをかけない方もいたりします。
今時簡単にモザイクをかけられるアプリもあるのに、その一手間すら惜しいのでしょうか…と思わざるを得ません。

正直に言いますと、このぼやけ方はかけるべきか?と私自身悩むこともありますが「悩んでるなら念のためかけろ!」と結論づけているので、微妙なボケ方のときでもモザイクをかけることが多いです。
写真の見栄え的には少し微妙になってしまうかもしれませんが、それでも優先しなければならないことはありますからね。

このボケ方でも念のためモザイクをかけました…
🏐:きんでん/清田晟ノ祐選手、福井裕貴選手

5.選手に対してリスペクトのある写真を

選手はプレー中が一番輝いているからこそ
どの瞬間を切り取るべきかを見極めていきたい
🏀:レバンガ/桜井良太選手

これはもう絶対条件だとは思いますが改めて。

何度も申し上げているように、選手はプレー中が一番輝いて見えると私は考えています。だからこそ、選手それぞれの「輝きどころ」をしっかり見極めて撮らねばならないなと常々考えています。

ただ連写しただけの写真を何枚も何枚も載せていては、一番輝いている部分は見極められないと思っています。
何度も試合に赴いていると自然と「この選手はここが一番カッコイイ」という瞬間に出会えると思いますので、その瞬間までシャッターを押さずに決め打ちする。
そして、決め打ちした写真の中から自分にとっての「極上」を選んで載せる。
正直、毎回こうやって選べるほど撮れてもいませんが、最低限「推し選手」に関してはこれを守るように徹しています。

上記のようにただ連写しただけの写真って、写真からでも分かるくらい無機質に感じるのです。ただ「撮っただけ」のように感じることもあります。
その選手がどんな人なのか、どんなプレーをするのか、そしてどこが一番輝くのか、もしあまり知らない選手なら友達や周りの方々にどんな選手なのか伺うこともあります。情報を集めたからこそ初見でもある程度気持ちを乗せて撮ることができるのではと思っております。

当時初見の選手でしたが、お友達各位の
情報のおかげでかなり気持ちを乗せて
撮ることができた例
怪我明けの復帰登板でした
⚾️:元福島(現東北楽天スタッフ)/高木誠也さん

常に全力でプレーしている選手を尊敬(リスペクト)しているからこそ、選ぶ写真はかなり慎重になっています。
目を瞑っていたり(これは場合によりけりな部分もある)、引き攣った表情や半目・白目…こういうのを平気で載せる人も中にはいらっしゃいます。公式のメディアですら「これは載せちゃいかんでしょ」という写真に出会うこともあります。
私が撮られる立場ならちょっと嫌だなと感じてしまいますね。先ほども述べましたが、自分が嫌だと感じたらもう撮らない、うっかり撮れてしまったら心の中で謝りながらデータを消す、これを徹底しています。

最後に

こう並べるとかなり面倒臭い拘りを持っているなぁと改めて感じますね。
昔は割とそこまで拘らずに載せていたのですが、それ故の失敗も何度も経験し、さらに「自分にとって選手とはどんな存在か」を考えるようになって余計に拘りが強くなったんだと思います。

例えば1試合あたり100枚撮っていたとして、SNSに載せられる写真は10枚いけば良いところ、なくらい狭き門になってしまいました。
でもそのたった10枚で選手やチームの良さが周りに伝わるのであれば、たくさんの枚数なんて必要ないよなと感じます。
1枚に愛情が凝縮されているような写真自体を毎試合撮れるくらい器用ではありませんが、そういう写真が撮れるようにこれからも精進して参りたいと思っています。

最後は私の推し選手(引退した人多めですが…)数名の写真を添えて終わりにしたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございます!

当時オフコートキャプテンとしてチームを
陰で支え続けてきたベテラン
🏀元滋賀(現A東京GM)/伊藤大司さん
輪の中心で選手たちを鼓舞し
士気を上げ続ける存在
🏐:サフィルヴァ/伊庭笙弘選手
私が石川に毎年通うキッカケとなった選手
⚾️:元石川(現遊学館コーチ)/小林恵大さん
「プロ野球選手」としてのプライドを
持ち続けた理想の野球人
⚾️:元石川Ms(現石川Msスタッフ)/近藤俊太郎さん
その身は既に覚悟完了
自身の夢のために強さを追い求めた
⚾️:元石川(現野球指導者)/藤村捷人さん

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