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「良い写真を撮ろう」という気持ち

タイトルはこんなことを書いていますが、結論から申し上げますと

「良い写真を撮ろう、という気持ちなんていっそ捨ててしまえ」

と、私は考えています。

どういうこと?と思うかもしれませんが、良い写真を撮ろうという気持ち自体を否定しているわけではありません。
ただ、その気持ちに苛まれすぎると、気負いすぎて逆に撮りたいものが撮れなくなる可能性があるのでは、と考えています。


そもそもの話になりますが

「あなたにとって"良い写真"って何ですか?」

と問いたくなるのです。

私はスポーツ写真をよく撮りますので、今回はスポーツ写真を中心とした話に致しますが、大まかに分けるとこういった写真をみなさんはよくご覧になるかと思います。

試合中の表情をメインとした写真
そのときのプレーを思い出させる
躍動感のある写真
試合前後や合間に見せる
ふとした仕草を捉えた写真
会場全体の雰囲気が分かる
引きの写真

もう一度問いますが、あなたにとって"良い写真"って何ですか?

おそらく、人それぞれ答えは違うかもしれません。
人によっては「試合中の躍動感のあるプレー」が分かる写真をそう言うかもしれませんし、逆に「試合前後や合間のリラックスした瞬間」が分かる写真をそう言うかもしれませんよね。

結局のところ「良い写真」の定義は人の数ほどあるのでは、と私は考えています。
加えて、その定義は多かれ少なかれその人の好みにも左右されることもある、とも考えます。

私にも「苦手な写真」が存在します。
選手の着替えを捉えた写真や食事中・水分摂取中の写真など…この辺りは過去のnoteでも書いたこともあるので、詳しい説明は割愛致しますが、そういった写真を見ると、いかに画質が良くても、機材が良くても、ロケーションが最高でも、美しく見えなくなってしまいます。

でも、もしかしたら、そういった瞬間を「良い写真」と言う人だっていらっしゃるかもしれません。
私はあくまで「苦手な写真」と位置付けていますが、同時に私の中で「良い写真」の定義から外してしまうのも事実です。
こういったこともあり、「良い写真」の定義って人それぞれだし、好みも多少は左右されてしまうのだろうな…と考えるのです。


最初の話に戻ります。

「良い写真を撮ろう、という気持ちなんていっそ捨ててしまえ」の意味について。

前述したように、「良い写真」の定義は人の数ほどあって、好みだって左右されてしまうことだってある。
だったら、あまり過度に「良い写真を撮ろう!」と使命感に苛まれたり、気負う必要なんてないのだな、と私は開き直るようになったのです。

もちろん、自分にとっての「良い写真」はある程度追求すべきですが、使命感に駆られすぎると、自分にとって肝心なシーンを逃したときの落胆っぷりは計り知れないものになるかと思います。人間なんだから完璧なんて難しいのに、つい完璧を求めてしまいがちになります。
良い意味で適当に、気楽に取り組めば良いのかもしれません。趣味でやっているなら、ある程度の開き直りや割り切りは大事です。
(仕事での撮影になるとまた別の話になりますが…)

いろんなシーンを残せる技術は場合によっては必要なのかもしれませんが、それ以上に必要なことがあると私は考えています。

それは「競技、選手に対するリスペクト」があるかどうか。

こういったリスペクトの気持ちというのは写真からしっかり滲み出てきます。
写真は選手の人となりを映す鏡と私は思っていますが、同時に撮り手の人となりも映すものだとも思っています。
前述した選手の着替えの瞬間や食事中・水分摂取中の写真については、場合によっては盗撮に近いような雰囲気を感じさせます。撮り手が盗撮じみたことをしているって、ちょっと怖いですよね。
もし自分がそれをされたら嫌だなと感じてしまうから、私は撮ろうともしないし、うっかり撮れた場合でもデータを消すようにしました。
(過去のnoteを読んでいる方ならご存知かと思いますが、昔は水分摂取中の写真を撮ったこともありました)

ここ最近報道されていることもありますが、一部のマナーの悪い撮影者さんの行動を見ていても、他人に迷惑をかけてでもその人にとっての「良い写真」を撮るだなんて、美しさを一切感じませんよね。
そもそも報道されているものはほぼ犯罪ですからね。「良い写真」以前の問題です。
勝手な想像ですが、こういった人たちもおそらく「良い写真を撮ろう」という気持ちが強くなりすぎて、超えてはいけないラインを超えてしまったのかもしれませんね。


リスペクトの精神が強ければ強いほど、画質とか機材とか、ロケーションとか諸々なんて関係なくその写真はキラキラと美しく輝くものです。

写真から「好き!」「尊い!」が伝わってくる。

私にとっての「良い写真」はきっとそういうことなのかなと、このnoteを書きながら改めて感じました。
気負いすぎず、リスペクトの精神を忘れずに、これからも好きな景色を残していきたいなと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

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