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asobi基地ユニバーシティができるまで。

みなさん、こんにちは。「asobi基地ユニバーシティ」発起人の寄金 佳一と申します。通称、よりかね隊長です。はじめましての方も、そうでない方も、どうぞよろしくお願いいたします。

私はこれまでasobi基地では、事務局として全体のとりまとめにかかわったり、関東 アウトドア部の代表として活動していました。

仕事やイベント、プライベートで年間100日近いアウトドア生活をしつつ、気がつけば、のべ1,500人にも迫る親子を、アウトドアフィールドに連れ出してきていました。

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そんな私が、それまでの仕事の9割をやめて、小学校高学年〜中学生対象の「asobi基地ユニバーシティ」をやろう(いや、やらなければいけない!)と思い立ったのは、2020年春から夏にかけてです。

※個人的な思いについてはこちらに書きました

しかしながら、asobi基地内でも様々な議論がありましたし、実際に形にしていく上でも紆余曲折がありました。

今回は、asobi基地ユニバーシティができるまでの裏話を紹介していきたいと思います。

急に「asobi基地ユニバーシティをやる!」と言いだしたものだから大混乱!?

これだ!と思い立ち、すぐに asobikichi-univ.com の独自ドメインを取得し、asobi基地ユニバーシティのティザーサイトを公開したのが、2020年夏前のことです。

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(私はわりとこうして、頭でこねくり回すよりも、即座に形にしちゃえと動くタイプです😅)

当初、私が急に「小中学生向けのasobi基地をやる!」と言いだしたものだから、asobi基地の仲間たちの中にも、戸惑った人が多かったようです。実際、私自身も、うまく言語化できなかった実感があります。

その中でも最大の問題は、asobi基地ユニバーシティを教育事業として動かしていくという方針でした。

asobi基地はもともと、NPO法人の設立を意図的に見送り(準備までして直前で撤回した過去があります)、任意団体として、柔軟かつ自由に、それぞれのペースで居心地良く活動していく道を選んでいます。

それが事業となると、asobi基地らしさを保てなくなるのではという心配もあり、簡単ではなかったのです。

なぜ、事業でなければいけないのか。そして私・寄金の独自活動ではなく、asobi基地の名を冠する事業とするのか。

asobi基地の代表・小笠原舞や、事務局メンバー、そしてasobi基地ユニバーシティをやりたい有志メンバー間で、時間をかけ、何度もやりとりを重ねていきました。

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幼児だけの場じゃない。私たち自身が気づいていなかった、asobi基地の価値

asobi基地はこれまで、乳幼児から小学校低学年までの子どもがいるファミリーには、たくさんの支持をいただいてきました。

asobi基地アトリエでの自由工作はもちろんのこと、私が手掛けているasobi基地キャンプも、ときには40〜50人の定員が数時間で埋まり、20組ものキャンセル待ちとなった年もあります。

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ところが、です。

子どもが小学校4年生くらいになると、遊びに来てくれる家族が明らかに減り始め、小5・小6となるとほぼゼロと言っていいくらいになるんです。

そう、勘の良い方はピンときたかもしれませんが、受験の影響です。

中学受験のために塾に通い始めるのは、おおむね小学4年生。物理的に時間もなくなりますし、親として子どもに体験させたいことも変化してきます。

なにより、子ども自身も思春期真っ只中となり、asobi基地での遊びを物足りない、なにか違う、と感じるようになってきます。我が家も、子どもたちが小6、小4となってきて、強く実感のあるところです。

しかしながら、asobi基地らしい価値観や、子どもの見守り方が、子どもが10代に差し掛かってくると陳腐化するというわけではありません。

逆に、大人になる将来が視野に入ってくると、社会の荒波に揉まれながらも、自分らしく思うままに生きるために必要な武器を身につけられる、「重要」で「重大」な環境となってくるのだとわかりました。

むしろ問題なのは、子どもは成長して、スマホをはじめ扱えるツールが高度になり、より専門的あるいは複雑なものに興味を持てるようになってくるのに、asobi基地側でそうした環境を用意していないということなんです。

冷静に考えてみると、asobi基地の中にいる私たちも、ほとんど無意識のうちに、乳幼児や小学校低学年向けの場をつくろうとしています。

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(自由工作も楽しいけれど、10代にはちょっと違う……?)

様々なオトナがいるasobi基地ですが、代表・小笠原舞は保育士ですし、共感して集まってきた保育・教育関係者も多数います。

子どもを見守るプロとしての保育士の視点に、いい意味で強い影響を受けてきたコミュニティですから、当然と言えば当然なのかもしれません。

けれども、小学校5年生、6年生、そして中学生ともなれば、ハサミや紙コップや粘土ではなく、「同世代の友人と過ごす時間」であったり、「一人前として尊重されつつ、自分で決めてやってみることができる環境」だったりに価値を感じるようになってきます。

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(夜になっても、自分たちで決めて自由に過ごせる。そんな環境こそが、大人になりかかる子どもたちには大切!)

ーーああ、われわれ、小学校高学年や中学生になってもasobi基地に来てほしいなとは思っていたけれど、そういう世代の子が行きたいと思えるような場を作れていなかったな。

これが、率直な気持ちでした。

asobi基地の中にいて、asobi基地の良さをわかっているようでいて、まだまだ気づけないでいたことがあったんです。

asobi基地が発足したのは、2012年夏。当時、我が家の子どもたちは、3歳と、もうすぐ1歳でしたが、それが小6、小4となりました。当時、幼児だったasobi基地キッズたちが成長するにつれ、こうした事実に気づくことができたのです。

なぜasobi基地でやるのか。そして事業でなければいけないのか

ここまで読んでもらえると、「なぜasobi基地でやるのか?」については、答は明確だと思います。

これまでのasobi基地と完全に地続きであり、延長線上にあるからです。

それに、asobi基地の目標は、

“大人も子どもも、みんな一人の人間として平等” と胸を張って言える社会をつくっていくこと

asobi基地=乳幼児の親子の子育て支援、と認識されることも多いですが、これはあくまでも手段の一つでしかありません。

小学校高学年、中学生になったら接点がなくなってしまうというのでは、理念を放棄することにもなりかねない。

0歳から、少年期、青年期、大人、そしてシニアまで、どんな世代の誰にとっても居場所があってこそ、asobi基地らしいはず。

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そして「なぜ事業としてやるのか?」ですが、現実問題として、学習塾や習い事がライバルとなってしまうという極めて切実で難しい問題が一つ。

さらに、大人になりつつある子どもたちには、目の前の一瞬を全力で楽しみ、人生のターニングポイントとなるような、一生モノの体験をしてほしいという個人的な思いが一つ。

この2つの避けて通れない課題に向き合い、思春期にふさわしい質の高い環境づくりに本気で取り組むには、ボランティア活動では困難です。だからこそ、(一部を除き原則的に)事業とすることにしました。

お金を払うだけの価値のある場を本気で作ります、という意思表示です。

asobi基地らしい教育理念を固め、質を追求する!

asobi基地内での折り合いをつける作業と、ほとんど同時に進めていたのが、「大切にしたいこと」を共有し、教育理念とも言うべき根幹を形作っていく作業です。

asobi基地として、asobi基地ユニバーシティをどのようにつくり、どのように位置づけて、どのように子どもたちとかかわっていくのか。

これはまず、asobi基地ユニバーシティをやりたい有志メンバー間で「ああでもない、こうでもない」と喧々諤々の意見交換を重ねました。

もちろん新型コロナウイルス禍ですから、実際に会って話すことは難しいため、週1回のオンラインミーティングを設定しました。

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すでに長年の関係があり、お互いを理解しているので、オンラインの制約を感じる場面がなかったのは幸いでした。

こうして積み重ねてきたオンラインミーティングは、すべて録画してありますが、現在はトータルで30回以上にもなっています。1回1時間としても、30時間超の本音トークが交わされたわけです。

こうしてお互いの考えや思い、価値観をすり合わせていき、方針を固めたところで、今度はasobi基地の事務局メンバーも交えて、「asobi基地として実施していく」ことに違和感がないか、問題がないかを確認していきました。

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もう一つ、私たちの思いの中で重要だったのは、「中途半端なものでは世の中に出せないぞ!」ということでした。

「やりたい」と言うのは簡単。でも、一人よがりでは何の意味もありませんし、誰にでも作れてしまうようなモノなら、わざわざasobi基地でやる価値はないはずです。

第一に、子どもたちにとって、一生モノと言えるような、重要な体験であること。さらには「行きたい!」と思ってもらえるデザインであること。

そしてもちろん、保護者のみなさんに「これならば子どもに行かせたい」と思ってもらえること。

(もうちょっと言えば「これならいくらでもお金払うわ!!」と思ってもらえないのであれば、事業として持続可能ではありませんしね)

これまでに、積み重ねてきたものがある分野、たとえばアウトドア系のアドベンチャー学部は、やはり企画が形になるもの早いですね。

逆に、内容に価値があることは確信があっても、これを子どもに「おもしろそう!」「行きたい!」と思ってもらうにはどうしたらいいのか、悩みに悩んでいるものもあります。

揉みに揉みまくり、トライアルも実施して、これだ!という確信が持てたものから、順次、プログラムをリリースする形をとっていっています。

新型コロナウイルス禍との兼ね合いもありますが、できることから一つひとつ、大人になる子どもたちにとって最高の体験となる場を作っていきますので、ぜひ応援をよろしくお願いいたします!

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