ご不安

備忘録 心理職

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【VIVANT】3話 雑レビュー

あらすじ最高。もう,食い入るように見ちゃった。 日本人が,ドラマで,CGなしで,ここまで壮大なスケールでやってんの,初めて見たかも。 もうとにかくこの熱りを覚ますために,吐き出していく。 最高箇所挙げていく死を感じさせる砂漠 本当に,関係者の皆様,あんの砂漠でロケしてくださってありがとうございます。 本作中で出てくるバルカ共和国は存在しないので,いったいこの砂漠はどこで撮ったのかなあ?と調べてみると,南ゴビにある"ホンゴル砂丘"とのこと。 砂漠は,無が続くから絶

    • 本『他人がこわい ーあがり症・内気・社会恐怖の心理学』 レビュー

      この本を読もうと思ったのは,心理支援のためだけではない。 漠然と「社会不安が強い」という意識のある自身について,理解を深めるため,手に取った。 読んでみて…まじで良かった。 本書は社会不安について悩んでいる当事者だけでなく,支援者にも役に立つ,社会不安の入門書だ。 つまり,当事者であり,支援者でもある自分にとって,一石二鳥な内容だったのだ。 そこで,注目した点について,振り返ってみる。 社会不安の分類社会不安といっても,様々な種類がある。 挙げられていた分類につい

      • 『VIVANT』2話感想 RPGぶち上げ・チンギスガチ恋

        おもしろ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!! ちょ,まじで,私の視聴した(そんなに多ない)ドラマ史上過去最高に好きかも!!!!! ぶち上がり箇所と,考えたいところ挙げていく。 壮大RPG感 このドラマ,いろんな要素がモリモリ。 ミステリー,医療,アクション,サスペンス,企業… そして,RPG感溢れる謎解きアドベンチャー!! 2話はこの感じが強くて,RPG好きには堪らんかった。 時に,大使館の地下を通って脱出しようとする場面。 地下洞窟は(あの)野崎さんが蹴

        • ホラー作品を味わいたくなる気持ちについて考えてみた

          不定期にホラー作品を欲して,イヤミスやホラー,胸糞系の小説や映画,ゲームをする。 最近,ホラー欲求を充足させたのはこちら。 イヤミス小説『殺戮にいたる病』 サイケデリックホラーゲーム『Layers of Fear』 ホラー作品を味わいたい衝動に関して,「なんか最近,刺激がたりてないんだよネ!」だけではちょっと言語化てきてない感があって。 ちょっと調べてみた ①山根一郎 (2007) 恐怖の現象学的心理学 確かに。 現実場面における恐怖体験だったら,闘争・逃走反応

        【VIVANT】3話 雑レビュー

          『VIVANT』1話 心理師がレビュー

          私は自称アニオタだから,進んでドラマを見ることは少ない。 バズった後になってやっと,腰を上げて見る程度だ。 しかし,今回の日曜劇場は福澤克雄さんの引退作では?という噂。 しかも,主演は堺雅人。共演に阿部寛,二階堂ふみ,役所広司,松坂桃李(敬称略)という,主役級の顔ぶれ。 面白い匂いしかしない。1話だけ見てみようかな。 … … … おしっこちびるぐらい面白いんだが?!?!?! 主人公・乃木憂助のもう一つの人格 私が一番注目したのは,堺雅人さん演じる乃木憂助は

          『VIVANT』1話 心理師がレビュー

          明るくて度胸のある女しか勝たん『エミリー、パリへ行く①』感想 ※ネタバレ注意

          あらすじ アメリカのマーケティング会社で働いていたエミリーは、 妊娠した上司の代わりに、パリで働くことに。 パリは美しくおしゃれな街である一方で、人は意地悪で…! サクサク進む展開 大きな事件があったり、人が死んだり生き返ったり、 そんな大ごとは全く起こらないストーリー。 一方で、エミリーが異文化に苦労しながらも、それを楽しみ続ける展開が見飽きない。 エミリーの人柄 このドラマは、これに尽きると思う。 主人公エミリーは、明るくて、度胸がある。 同僚や取引先に理

          明るくて度胸のある女しか勝たん『エミリー、パリへ行く①』感想 ※ネタバレ注意

          『First Love 初恋』感想 初恋は幻想的に見えるよね ※ネタバレ注意

          あらすじ 晴道は、也重に初恋をした。高校時代。 二人は惹かれあい、交際を始めたが、進学と就職をきっかけに、心の距離が遠ざかり始めて…。 ロケ地がエモい 基本的に、本作は「北海道」と「東京」における話である。 二人は高校時代、「北海道」で過ごしていた。 北海道といえば、雪景色。 その魅力が存分に引き出されていた。 特に好きなのは、晴道が雪道の中、也英を待つシーン。 一面雪景色の中、二人が抱き合うシーンは、この世界で2人だけが存在しているかのようで、幻想的なラブシー

          『First Love 初恋』感想 初恋は幻想的に見えるよね ※ネタバレ注意

          『イカゲーム』感想 群れの強さ ※ネタバレ注意

          友人に、「韓国版アカギだよ。」と勧められて鑑賞。 正直、2話までがしんどく、3話に至るまで数週間かかりました。 結果、最後まで見た感想としては、 あー、もっと早く観ておけばよかった! あらすじ 経済的に困窮し、借金を抱えているソン・ギフンは、借金を抱える者だけが参加する、賭けのゲームに参加する。 そのゲームは、勝てば次に進めるが、負ければ即死という「死のゲーム」だった…。 群れるが勝ち この話、「企業家は全員見るべき」という感想も聞いたことがあるが、 なんとな

          『イカゲーム』感想 群れの強さ ※ネタバレ注意

          『サマータイムレンダ』感想 極上ミステリー! ※ネタバレ注意

          2022年ベストアニメ 最高。 2022年で圧倒的に面白かったと思う。 本作の魅力を語っていく。 あらすじ 網代慎平は、幼馴染の潮の葬式に出席するため、故郷の島へ帰ってきた。 しかし、潮の死には謎が多いことが分かった慎平は、島で調査をする。 すると、「影」という、島の住人にそっくりの「なにか」と遭遇し…。 本格ミステリーなんだよ タイムループって、ありがちじゃん。 『STEINS;GATE』、『涼宮ハルヒの憂鬱』、『君の名は。』など、名作は沢山ある。 ここからどう

          『サマータイムレンダ』感想 極上ミステリー! ※ネタバレ注意

          『カレーの時間』読了 守るべきものを失うこと ※ネタバレ注意

          あらすじ 親戚一同から除け者にされている頑固な祖父・義景と同居することになった孫の桐矢。 祖父のことは好きではいが、カレーを食べるときは打ち解けることができる。 カレーの時間を通して、祖父を理解して行って・・・。 周囲に嫌われる頑固親父 本作のキーマンである祖父・義景は、どうしようもない頑固ものだ。 男尊女卑思考が強く、吐き散らすようにしゃべる。 家はゴミ屋敷状態で、ゴミの分別も行わないため、近所でも嫌われている。 しかし、祖父の頑固な性格には、理由があった。 「

          『カレーの時間』読了 守るべきものを失うこと ※ネタバレ注意

          『羊と鋼の森』読了 宮下先生への愛と感想

          宮下作品が大好き 私は、宮下奈都さんの作品が大好きだ。 好きな作家を聞かれたら、必ず彼女の名前をあげる。 残念なことに、一度も聞かれたことはないが。 タイトルにも書いたが、宮下さんの先品には、静けさと温かさが共存しているのが好きだ。 作中で良いことがあっても、悪いことがあっても、表現はつねに静か。 読者の心をぐわんと動かさずにしっとりと温める。 宮下さんの作品は、私が落ち着きたい時のよりどころだ。 一方で、物語が進むと、何かが変化している。 いつ変化したか気が付かな

          『羊と鋼の森』読了 宮下先生への愛と感想

          『むらさきのスカートの女』読了 異常なのは誰? ※ネタバレ注意

          あらすじ 定職のない女性・日野は、巷で「むらさきのスカートの女」と呼ばれている。 彼女を見守る「黄色いカーディガンの女」こと権藤は、日野を自分と同じ職場に就職させることに成功するが、彼女とは一向に話す機会がない。 就職に成功した「むらさきのスカートの女」は、職場で様々な出会いや変化があり・・・。 不思議な読了感 「え、何の話?」 読み終わった後、一番最初に思ったことだ。 無論爽快感は一切なく、大きな謎を残すわけでもなく、何が起こったのかよく分からない、不思議な読了感を

          『むらさきのスカートの女』読了 異常なのは誰? ※ネタバレ注意

          『夏物語』 子供を産むことに悩んでいる人へ ※ネタバレ注意

          あらすじ 小説家の夏子は、パートナーなし出産を検討していた。 そんな中、精子提供で生まれた相澤潤と出会い、次第に惹かれていく。 しかし、彼にはパートナーがいて…。 夏子が傷に向き合う物語 あらすじを書いてみたものの、これだけで本作は語れない。 本作は夏子が自身の傷を抱え、傷に向き合っていく物語である。 相澤潤との出会いは、その過程に過ぎない。 夏子が「出産」というテーマに向き合う、家庭にすぎない。 女性が通る道 女性として生きていると、一度は出産について考える。 人

          『夏物語』 子供を産むことに悩んでいる人へ ※ネタバレ注意

          『そして、バトンは渡された』 親ガチャへのアンチテーゼか? ※ネタバレ注意

          読了 さすがの瀬尾まいこ先生、ステップファミリーという重い題材を、あたたかく、さらりと書き上げていた。 あらすじ 高校生の森宮優子は、これまで家族の形が7回も変わった。 しかし、全然不幸じゃない。 主人公の強さ とにかく、主人公・優子の精神力が強靭である。 親が変わっても情緒は安定しているし、友人にはぶられても何も気にしない。 捻くれ者の私は思った。 「優子の強さに頼りすぎじゃん?!」と。 確かにそんな子はいる 確かに、近年は「愛着障害」や「心理的虐待」などの

          『そして、バトンは渡された』 親ガチャへのアンチテーゼか? ※ネタバレ注意

          『ハヤブサ消防団』 読了 田舎暮らし×極上ミステリー ※ネタバレ注意

          あったかい田舎の人間関係×極上ミステリー 最近読んだ本の中でも個人的超ヒットの本作。 ミステリーの緊迫感とのどかな田舎の雰囲気が絶妙で、飽きずに読めた。 どんどん読める本って、こういう緩急がミソなんだと痛感。 あらすじ ミステリ作家の三馬太郎は、ひょんな出来事で訪れた、父の故郷であるハヤブサ地区に魅了され、東京から移住してきた。 ハヤブサ地区では、雄大な自然や陽気な人々が太郎をあたたかく出迎え、太郎は徐々に馴染んでいった。 しかし、ハヤブサ地区では最近火事や殺人事件

          『ハヤブサ消防団』 読了 田舎暮らし×極上ミステリー ※ネタバレ注意

          『同志少女よ、敵を撃て』読了 戦争は終わらない ※ネタバレ注意

          2022年本屋大賞2022年本屋大賞のこちら。 あんなに面白い朝井リョウ 著 『正欲』や 浅倉秋成 著 『六人の嘘つきな大学生』を抑えて対象を取った本作。 正直、最初は懐疑的だった。 「ロシアのウクライナ侵攻が影響して受章したんでしょ?」と。 間違いでした。ごめんなさい。 緊迫した戦争描写 狙撃兵が如何に死の淵で戦っているかを目の当たりにされる、臨場感のある場面描写。 一方、緊迫した状況下で徐々に温かみを増す狙撃兵の少女セラフィマとその上司イリーナの関係性。 目が離せ

          『同志少女よ、敵を撃て』読了 戦争は終わらない ※ネタバレ注意