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もう、「誰にも言えないこと」に苦しまなくていい

こんにちは。臨床心理士の荒井です。いつもご購読をありがとうございます。

今回は「誰にも言えないこと」がテーマです。多くの方がこのテーマに苦しんでいるようです。でも、周囲の人たちを思い浮かべても、そのような苦しみを持った人は見当たりませんね。それもそのはず、誰にも言えないことなので、みんな隠しているのです

みんなが隠しているから、みんなが「自分だけ」だと思い、苦しんでいます

「歳を重ねれば、誰でも言えないことの一つや二つ…。」という言葉は何度も耳にしますが、私たちは本当にその言葉を実感を持って受け取っているでしょうか。多くの場合、その瞬間ホッとする、それだけの言葉になっているように思います。

私が繰り返しお伝えしてきた監視社会も、私たちがその言葉を受け取るのを邪魔してしまいます。私たちは、「何か一つ間違えば、一気に転落する」そんな非常に不安定な日常を生きています。そんな日常は、私たちに完璧を求めてきます。人に迷惑をかけてはいけない、人を傷つけてはいけない、規則を守らなくてはいけない…。「常識」により正当化された「禁止令」は世にあふれ、それらを常に守っていなければ攻撃されてしまいます。

しかし、実にありふれた言葉になりますが、人は誰もが間違えるのです。常に完璧ではいられません。私たちが生きていれば、必ず誰かを傷つけますし、迷惑をかけますし、規則も破ります。故意である場合も、そうでない場合もあります。

それでも皆さんには、そうでない人が思い浮かびますね。いつも優しくて、親切で、模範的な人です。その人は、あなたにその反対の姿を見せていないだけです。隠しているのかもしれませんし、見せる立場にないのかもしれません。あるいは、過去に「誰にも言えない」経験を持っていて、強迫的なくらい他者に優しく、自分に厳しくしているのかもしれません。

監視社会はそれを更生と呼ぶのでしょうか。私にはとても苦しい人に映りますし、臨床心理士として、そういう人が増えた社会を健全とは思えません

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