見出し画像

薔薇はシュラバで生まれる

「3ねんDぐみガラスの仮面」の記事でも書きましたが、Yahoo!さんは過去の検索履歴からその人に合った記事をすすめてくれることがあります。

「ほうら、こんなの好きだろう?」
とばかりに。

「どこに目ぇつけてんだYO!」と言いたくなる時もありますが、ときたま大アタリのこともあります。

その大アタリの記事がこれでした。

笹生那実さん作のエッセイ漫画
「薔薇はシュラバで生まれる」
 ー70年代少女漫画アシスタント奮闘記ー

その冒頭部分が無料公開されているのです。

うわぁなにこれ!面白い!
私は冒頭部分だけでは我慢できずにこの本を購入しました。

漫画家をめざす作者が、有名漫画家のアシスタントをしていた時のエピソード集です。

美内すずえさん、山岸凉子さん、くらもちふさこさん、三原順さんなどなど、そうそうたるビッグネームの下でアシスタントをされていたようです。

絵を見たらお気付きとは思いますが、作中それぞれの漫画家さんをその人の画風で描かれています。
それがもうソックリで!

特にご縁が深かった美内すずえさんの描写は、ご本人が描かれたのかと錯覚するほど。
アシスタントをやるとこんなにまで似せて描くことができるようになるのか…。
速水真澄さんも数カット登場しますが、それがもう連載始めの頃のようにシュッとしてカッコい以下省略。

山岸凉子さんの、あの独特な四角い吹き出しがどのように誕生したかも明かされています。
まさかそんなこととは…。

なによりも驚くのは、締め切り前の現場の過酷さです。
やはり一番ハードだったのは美内さんの現場だったそうで、

徹夜3日!
座りきり1ヶ月!
絶食1日半!

という、労働基準法も真っ青のブラックな描写が生々しい。

美内さんは完璧主義者なのかネームに一番時間を割かれるため、どうしても絵を描く時間が足りなくなり、必然的にシュラバになったそうです。

そんな生活を何十年も続けると、そりゃ休載したくもなるかもなぁ。
「ガラスの仮面」の長期休載にブツブツ言っている私ですが、作者さまの苦悩に少しだけ触れたような気がしました。

ああでもやっぱり続きが読みたい!
この笹生さんにもう一度アシスタントを頼めば、続編も可能なんじゃないですか?
美内先生〜!

この記事が参加している募集

マンガメイキング

好きな漫画家

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?