かばんを靴とまちがえた男

タイトルは神経学者のオリバーサックスの著作「妻を帽子とまちがえた男」より。
色々な不思議な症状の患者について書かれた本で「素数を言い合う双子」や「一度見ただけで風景を完璧に模写する男」の話なんかが載ってます。

そんな本の中に出てくるのがタイトルにもなっている「妻を帽子と間違えた男」です。

その患者さんは物体の形は認識できるし、物体の役割も認識できるんだけど、ある日から徐々に形と役割を紐付けることが出来なくなってきたそうです。
手袋を見て「袋の先に、更に細い5つの袋状の物がついていますね」みたいな認識は出来るんだけど、それが手袋だと気づかない。
「手袋ですよ」って言われると「ああ、確かにこれは手袋だ」となる(つまり手袋自体の知識はある)。

そんな彼がある日、診察が終わって帰るときに横にいた奥さんを帽子と間違えてかぶろうとしたって言うエピソードが「妻を帽子とまちがえた男」。

で、その本とは何の関係も無いんですが、俺が数年前に見た酔っぱらいの話。

休みの日の昼に睡眠時無呼吸症候群の検査のために池袋の病院へ行きまして、その後は18時から渋谷で飲み。
2次会でカラオケに行って、池袋行きの終電で帰ってきました。
池袋の駅について「さぁて、巣鴨まで歩くか」とか思ってホームを歩いてたら、凄い人を見つけました。

べろんべろんに酔っ払ってるその男性は、近くにいた知人らしい人に「ちゃんと靴履いて!」と促されています。
特に返事もないんですけど「ああ、大丈夫、大丈夫」みたいなゼスチャーをしているその男の目の前には右足用の黒い靴が。
「それ靴じゃないよ」と言われているのを聞いて、男の足元を見てみたら黒いかばんに足が思いっきり入ってました。
「それはかばんだから。靴はこっち」とか言われているのに「大丈夫、大丈夫。俺靴はいてるから」みたいなジェスチャーを繰り返す男。

あの様子はビデオに撮りたかったなぁ…
って言うか、ドッキリ企画で俺がどこかから撮られてたんじゃないかと(笑)

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